物質輸送モデルの種類

気象庁では、大気中の物質の変化や移動などを数式で表した物質輸送モデルを用いて地球環境や気候に影響する黄砂、紫外線、二酸化炭素などの監視と予測を行っています。

下表に記載してあるのは、これら物質輸送モデルの概要です。

「エーロゾルモデル」は、大陸などでの黄砂の舞い上がり、風による移動、雨などによる地上への降下を考慮して、大気中の黄砂の量や分布を解析・予測し、黄砂情報の作成に利用されます。

「化学輸送モデル」は、オゾンやその変化に関わる物質の風による移動、地上への降下、化学物質や光による反応を通じた変化などを考慮して、上空や地上付近のオゾン濃度を予測し、紫外線情報やスモッグ気象情報の作成に利用されます。

「二酸化炭素輸送モデル」は、世界の大気中の二酸化炭素の分布状況を図示する情報の作成に利用されます。

物質輸送モデルの概要

数値予報システム モデルを用いて発表する予報等 予報領域と格子間隔 予報期間 実行回数
(初期値の時刻)
全球エーロゾルモデル 黄砂情報 地球全体
約40km
4日間 1日1回
(12UTC)
全球化学輸送モデル 紫外線情報 地球全体
約110km
5日間 1日1回
(12UTC)
領域化学輸送モデル スモッグ気象情報
全般スモッグ気象情報
日本周辺
5km
51時間 1日1回
(12UTC)
二酸化炭素輸送モデル 二酸化炭素分布情報 地球全体
約110km
解析のみ 年1回

これら物質輸送モデルは日々の生活に身近な黄砂・紫外線の予測や二酸化炭素濃度の解析に用いられ、気象庁のホームページを通じて「黄砂解析予測図」や「紫外線の予測分布図」、「二酸化炭素分布情報」等が提供されています。

黄砂解析予測図の例

黄砂解析予測図

紫外線の予測分布図の例

紫外線の予測分布図

二酸化炭素分布情報の例

二酸化炭素濃度の球面分布図

参考リンク

もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。