数値予報開発センター

令和2年(2020年)10月の気象庁組織再編に伴い、茨城県つくば市の高層気象台庁舎内に「数値予報開発センター」を設置しました。数値予報開発センターは情報基盤部数値予報課のうち、開発業務に従事する「数値予報モデル基盤技術開発室」、「数値予報モデル技術開発室」、「地球システムモデル技術開発室」から構成されます。

防災気象情報の的確な提供や天気予報の精度向上のためには、その基盤となる数値予報技術の飛躍的向上が必要です。このため、気象庁は、令和2年10月の気象庁組織再編において、数値予報開発センターを設置し、全球モデル、メソモデル、局地モデル、季節アンサンブル予報システム、海洋に関する数値予報モデル、物質輸送モデルなど予測対象等によって部署ごとに分かれていた数値予報モデルの開発部門を統合して分野横断的に開発できる体制を整備し、同センターに隣接する気象研究所を含めて、気象庁として一体的に数値予報モデルの開発を進める体制を構築しました。また、研究機関が集積しているつくば市の地の利を生かして、大学等研究機関とのさらなる連携を目指しています。

数値予報開発センターが入居する高層気象台庁舎の写真

数値予報開発センターが入居する高層気象台庁舎

高層気象台庁舎玄関の写真

高層気象台庁舎玄関

「数値予報モデル技術開発室」は、短期から週間の天気予報や気象情報・警報等に基礎資料を提供する全球モデル、メソモデルなどの開発を担当し、また「地球システムモデル技術開発室」は、地球環境・気候・海洋に関する情報の基盤となる多種多様な数値予報モデルの開発を担当します。

「数値予報モデル基盤技術開発室」は、部外機関との連携や技術開発の基盤となる実験システム、検証ツール等の開発や、数値予報精度の大幅な改善に必要なAI等の最新技術の導入やガイダンスの開発を担当します。

一方、東京都港区虎ノ門の気象庁本庁舎の数値予報課では、数値予報モデルの予測結果が気象庁の防災気象情報等に効果的に活用されるよう、モデルの予測結果を日々監視し、災害をもたらした顕著事例の予測結果を分析しています。また、予報担当者に対してモデルの予測特性や利用上の留意点などを解説するとともに、予報担当者の声を集めて数値予報モデルの開発へのフィードバックを行っています。その他、数値予報開発センターがより効率的に優先度の高い開発に取り組めるように数値予報モデルの開発に関する全体管理・庁内外との調整を担うとともに、数値予報モデルの実行に係るプログラムの開発及び運用を行っています。

数値予報開発センターの執務室や会議室にはウェブ会議システムを整備して、気象庁本庁舎への数値予報モデルの改良・開発の共有や気象庁本庁舎からの数値予報モデルの開発へのフィードバックなどの情報共有を常に行える環境を整えました。また、この設備を利用して大学等研究機関とモデル開発に関する議論等を随時行っています。

数値予報開発センターと数値予報課の関係と業務内容

数値予報開発センターと数値予報課の関係と業務内容

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