防災気象情報とその効果的な利用

防災気象情報の活用

 気象災害の危険が認められる場所(急傾斜地や渓流の付近、河川や海岸周辺の低地など)に、大雨・暴風・高潮などの激しい現象が加わると、土砂災害・洪水・高潮等が発生し、命に危険が及ぶ非常に危険な状況となります。このため、お住まいの地区にどのような危険があり、災害種別(土砂災害・洪水・高潮)ごとに、命を守るためにはどのような避難行動をとる必要があるのか(建物からの立退き避難が必要か、建物の2階などへの移動で命の安全を確保できるか)、自治体の公表しているハザードマップやお住まいの地域で過去に発生した災害の記録を参考に、日頃からしっかり認識しておくことが大切です。

 土砂災害・洪水・高潮によって命に危険が及び避難行動が必要となるタイミング(判断基準)とエリア(対象区域)の考え方については、内閣府が令和3年5月に改定した「避難情報に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」)において具体的に示されています。このガイドラインに基づき、気象警報等が発表された際に命を守るためにとるべき行動の例について下図に示します。

土砂災害、洪水、高潮からの避難の判断基準と対象区域(内閣府のガイドライン)

 このほかにも、避難行動が必要な状況が夜間~翌日早朝となる場合や台風等の暴風で避難ができなくなる場合など、より早期の避難行動が必要になるケースがあることが内閣府のガイドラインでは示されています。時間を追って段階的に発表される防災気象情報を活用して早めの避難行動をとる方法については、次のリンク先で詳細に解説していますので、こちらもご参照ください。

 また、気象庁ホームページに掲載されている気象の情報や、気象庁ホームページの使い方・気象の情報へのアクセス方法について、平易にまとめた資料を以下に掲載していますので、こちらもご活用ください。

防災気象情報の解説

 気象災害から身を守るために、以下のような防災気象情報をご活用ください。

台風情報

 台風が発生すると、台風の位置、強さ、大きさの実況や予報に関する台風情報を発表します。詳しくは「台風情報」の解説をご覧ください。

気象警報・注意報

 大雨や強風などによって災害が起こるおそれのあるときは「注意報」を、重大な災害が起こるおそれのあるときは「警報」を、さらに、重大な災害が起こるおそれが著しく大きいときは「特別警報」を発表して注意や警戒を呼びかけます。詳しくは「気象警報・注意報」の解説をご覧ください。また、特別警報については「特別警報について」もご覧ください。

キキクル(大雨・洪水警報の危険度分布)

 大雨警報、洪水警報、記録的短時間大雨情報等が発表されたとき、あるいは、雨が強まってきたときなどに、土砂災害、低地の浸水、中小河川の増水・氾濫といった災害発生の危険度の高まっている場所を、5段階に色分け表示された地図で確認できます。詳しくは「キキクル(警報の危険度分布)」の解説をご覧ください。

気象情報

 気象警報・注意報の発表に先立って1日~数日程度前から注意・警戒を呼びかけたり、気象警報・注意報の発表中に現象の経過、予想、防災上の留意点等を解説したりするために「気象情報」を発表します。詳しくは「気象情報」の解説をご覧ください。

記録的短時間大雨情報

 大雨警報を発表中に、その都道府県において数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測したり解析したりした場合に「記録的短時間大雨情報」を発表します。詳しくは「記録的短時間大雨情報」の解説をご覧ください。

土砂災害警戒情報

 土砂災害警戒情報は、大雨警報(土砂災害)の発表後、土砂災害の危険度がさらに高まったときに、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかける防災情報で、都道府県と気象庁が共同で発表します。避難にかかる時間を考慮して、2時間先までの土壌雨量指数等の予想を用いています。土砂災害警戒情報が発表されたときには、土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)によって詳細な危険度分布を把握できます。詳しくは「土砂災害警戒情報・土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)」の解説をご覧ください。

指定河川洪水予報

 防災上重要な河川について、河川の増水や氾濫に対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように、国が管理する河川は国土交通省水管理・国土保全局と気象庁が、都道府県が管理する河川は都道府県と気象庁が、共同で指定河川洪水予報を発表しています。詳しくは「指定河川洪水予報」の解説をご覧ください。

解析雨量

 解析雨量は、国土交通省と気象庁が全国に設置している気象レーダーと、アメダス及び自治体等の地上の雨量計を組み合わせて、雨量分布を1km四方の細かさで解析したものです。解析雨量を利用すると、雨量計の観測網にかからないような局地的な強雨も把握することができます。詳しくは「解析雨量」の解説をご覧ください。

今後の雨(降水短時間予報)ナウキャスト(雨雲の動き・雷・竜巻)

 今後の雨(降水短時間予報)は、解析雨量をもとに15時間先までの各1時間雨量を予報したもので、今後数時間の大雨(集中豪雨)の動向を把握して、避難行動や防災活動に利用することができます。雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト)は最新の雨量の実況分布をもとにした予報で、目先数十分の強い雨(局地的大雨)で発生する水害などに対して、迅速な防災活動に利用することができます。詳しくは「降水短時間予報」の解説及び「高解像度降水ナウキャスト」の解説をご覧ください。