土砂キキクル

土砂キキクルとは

土砂キキクルは、大雨による土砂災害発生の危険度の高まりを、地図上で1km四方の領域(メッシュ)ごとに5段階に色分けして示す情報です。常時10分毎に更新しており、レベル3土砂災害警報やレベル4土砂災害危険警報等が発表されたときには、土砂キキクルにより、どこで危険度が高まっているかを把握することができます。

 「災害切迫」(黒)が出現した場合、土砂災害警戒区域等では、命に危険が及ぶような土砂災害が切迫しているか、すでに発生している可能性が高い状況となります。このため、避難にかかる時間を考慮して、60分雨量及び土壌雨量指数最大6時間先までの予測値を用いて「危険」(紫)、「警戒」(赤)、「注意」(黄)、「今後の情報等に留意」(無色)の危険度を表示しています。

 土砂災害警戒区域等にお住まいの方々は、可能な限り早めの避難を心がけていただき、高齢者等の方は遅くとも「警戒」(赤)が出現した時点で、一般の方は遅くとも「危険」(紫)が出現した時点で、速やかに危険な場所からの避難を開始することが重要です。

 内閣府の「避難情報に関するガイドライン」では「土砂災害のにおいて危険度が高まっているメッシュと重なった土砂災害警戒区域等に避難情報を発令することを基本とする」とされています。市町村から発令される避難情報にも留意し、土砂災害警戒区域等の外の少しでも安全な場所への早めの避難を心がけてください。

土砂災害から命を守るために知っておきたいポイント

 土砂災害の被害を防ぐためには、一人ひとりが土砂災害から命を守れるように備えておくことが重要です。そのために知っておくべき、3つのポイントを紹介します。

(1) 普段から土砂災害の危険性が認められる場所を把握。

 土砂災害は、建物に壊滅的な被害をもたらし一瞬のうちに尊い人命を奪ってしまう恐ろしい災害です。急傾斜地や渓流の付近など、土砂災害によって命が脅かされる危険性が認められる場所は、都道府県が土砂災害警戒区域等に指定しています。ハザードマップ等を参照して、お住まいの場所が土砂災害警戒区域等に当たるかどうか、あらかじめ確認してください。これらの区域等にお住まいの方は、次の(2)・(3)のとおり、土砂災害から命を守るために建物からの立退き避難が必要となります。

(2) 雨が降り出したら警報等に留意。

 雨が降り出したら、自治体から発令される避難情報とともに、レベル2土砂災害注意報、レベル3土砂災害警報、レベル4土砂災害危険警報等の発表状況にも留意してください。レベル2土砂災害注意報が発表されたら、土砂キキクルを使って、お住まいの場所の土砂災害発生の危険度の高まりをこまめに確認するようにしてください。

(3) 早めの避難が重要。

 (1)の土砂災害警戒区域等にお住まいの方は早めの避難が重要です。(2)の土砂キキクルにおいて、高齢者等の方は遅くとも「警戒」(赤)が出現した時点で、一般の方は遅くとも「危険」(紫)が出現した時点で、(1)の土砂災害警戒区域等の外の安全な場所へ速やかに避難することが大変重要です。

土砂キキクルと土砂災害計画域等を活用した避難行動

 避難をしようとしたときに、道路冠水や暴風等のために、指定緊急避難場所への移動はかえって命に危険を及ぼす状況となっていると判断した場合には、そのときに、その場所よりは相対的に安全な場所へ直ちに移動する等、次善の行動をとってください。例えば、自宅・施設等の崖から少しでも離れた部屋で待避したり、近隣の堅牢な建物に緊急的に移動することが考えられます。

 また、周囲の状況や雨の降り方にも注意し、自治体から避難情報が発令されていなくても、危険を感じたら躊躇することなく自主避難をお願いします。斜面の状況には常に注意を払い、普段とは異なる状況(一般に「土砂災害の前兆現象」と言います)に気がついた場合には、直ちに周りの人と安全な場所に避難するとともに、市町村役場等に連絡してください。

土砂キキクルの利活用

 急傾斜地や渓流の付近など、土砂災害によって命が脅かされる危険性が認められる場所は、都道府県が土砂災害警戒区域等に指定しています。土砂災害警戒区域等にある家屋などでは、次のように、自治体の避難情報とともに、「土砂キキクル」を参考に自ら避難の判断を行い、早めの安全確保行動を心がけることが大切です。

  • 自治体から避難指示等が発令された場合には、土砂キキクルに関わらず、速やかに避難行動をとってください。
  • 土砂キキクルにおいて「注意」(黄)が出現した場合は、避難行動の確認が必要とされる警戒レベル2に相当します。ハザードマップ等により、災害が想定されている区域(土砂災害警戒区域等)や避難先、避難経路を確認してください。また、今後のレベル3土砂災害警報等の発表に注意し、土砂キキクルで発表される危険度をこまめに入手するように努めてください。
  • 「警戒」(赤)が出現した場合は、高齢者等は危険な場所からの避難が必要とされる警戒レベル3に相当します。高齢者等の避難にかかる時間を考慮して設定された基準以上となっているため、土砂災害警戒区域等にお住まいの高齢者等の方は、自治体からの「警戒レベル3高齢者等避難」の発令に留意するともに、遅くともこの段階で自ら避難の判断をしてください。また、土砂災害の予測の困難さから、一般の方もこの段階から普段の行動を見合わせ始めたり、避難の準備をしたり、自発的に避難を開始することが強く望まれます。
  • さらに、「危険」(紫)が出現した場合は、危険な場所からの避難が必要とされる警戒レベル4に相当します。命に危険が及ぶ土砂災害がいつ発生してもおかしくない非常に危険な状況です。自治体からの「警戒レベル4避難指示」の発令に留意するとともに、避難指示が発令されていなくても自ら土砂災害警戒区域等の外の少しでも安全な場所への避難の判断をしてください。
  • その後、「災害切迫」(黒)が出現した場合、命に危険が及ぶ土砂災害が切迫しているか、すでに発生している可能性が高い状況となります。この状況になる前に、遅くとも「危険」(紫)が出現した時点で、土砂災害警戒区域等の外の安全な場所へ避難することが重要です。

    土砂キキクルの利用

    ※1 土砂キキクルに関わらず、自治体から避難情報が発令された場合には速やかに避難行動をとること。※2 災害が発生・切迫している状況を市町村が必ず把握することができるとは限らないこと等から、緊急安全確保は必ず発令される情報ではない。また、警戒レベル5相当情報が出たからといって、必ず緊急安全確保が発令されるわけではない。

土砂キキクルの判定の仕組み

 土砂キキクルは、60分雨量及び土壌雨量指数の組み合わせの実況値又は6時間先までの予測値を用いて、土砂災害に対する警戒レベル相当を5段階で色分け表示しています。

  • 今後の情報等に留意(無色)・・・実況値及び6時間先までの予測値がレベル2土砂災害注意報の基準未満の場合。
  • 注意(黄)・・・実況値又は6時間先までの予測値がレベル2土砂災害注意報の基準以上となる場合(警戒レベル2相当)。
  • 警戒(赤)・・・3時間先の予測値がレベル4土砂災害危険警報の基準以上となる場合(警戒レベル3相当)。
  • 危険(紫)・・・実況値又は2時間先までの予測値がレベル4土砂災害危険警報の基準以上となる場合(警戒レベル4相当)。
  • 災害切迫(黒)・・・実況値がレベル5土砂災害特別警報の基準値以上となった場合(警戒レベル5相当)。

 次の4枚のグラフのうち、一番右側のグラフのように実況値ががレベル5土砂災害特別警報の基準値に到達し、「災害切迫」(黒)が出現した場合、命に危険が及ぶような土砂災害が切迫しているか、すでに発生している可能性が高い状況となります。このため、避難にかかる時間を考慮して、右から2番目のグラフのように2時間先までの予測値がレベル4土砂災害危険警報の基準値以上となると予想された時点「危険」(紫)で速やかにレベル4土砂災害危険警報を発表します。土砂災害警戒区域等にお住まいの方は、遅くともこの段階「危険」(紫)で避難を開始することが大変重要です。さらに、左から2番目のグラフのように、高齢者等の方の避難にかかる時間を考慮して、レベル3土砂災害警報をレベル4土砂災害危険警報よりも1時間程度早く発表します。ただし、積乱雲が急速に発達する場合など予測が難しい状況では、レベル3土砂災害警報を経ずにレベル4土砂災害危険警報が発表する場合もあります。

発表判断に用いる指標イメージ

土壌雨量指数の高解像度化について

 土砂キキクルでは、危険度の判定に土壌雨量指数という指標を用いています。この土壌雨量指数の計算を行う領域(メッシュ)を、令和元年6月に従来の5kmメッシュから1kmメッシュに高解像度化しました。

  • 土壌雨量指数とは、降った雨による土砂災害危険度の高まりを把握するための指標です。降った雨が土壌中にどれだけ溜まっているかを「タンクモデル」という手法を用いて数値化したものです。
  • 新たな1kmメッシュの土壌雨量指数は、従来の5kmメッシュの土壌雨量指数から、元となる雨量の入力方法を改善しており、 1km単位のきめ細かな雨量分布が反映されるため、より適正な値となっています。
  • 新たな1kmメッシュの土壌雨量指数は、従来の5kmメッシュの土壌雨量指数との乖離を最小化するよう補正しています。土砂災害警戒情報や大雨警報(土砂災害)は、従来の基準をそのまま用いることにより、従来と同等のタイミングで発表可能です。
  • 令和8年5月の新たな防災気象情報の運用開始に伴い、従来、土砂キキクルで、周辺3km四方で判定されたうち最大の危険度を当該1kmメッシュの危険度(最終的な判定結果)としていた取扱いは、廃止しました。

土砂キキクルの利用上の留意点

  • 土砂キキクルは、レベル3土砂災害警報やレベル4土砂災害危険警報等を補足する情報です。レベル2土砂災害注意報、レベル3土砂災害警報、レベル4土砂災害危険警報、レベル5土砂災害特別警報と合わせてご利用ください。なお、レベル3土砂災害警報等は、気象状況等を総合的に判断して発表するため、これらの発表状況と土砂キキクルは完全には整合しない場合もあります。
  • レベル5土砂災害特別警報の発表状況と土砂キキクルは、次の理由により整合しない場合があります。
    • レベル5土砂災害特別警報は、過去の多大な被害をもたらした現象に相当する60分雨量と土壌雨量指数の組み合わせの基準値に到達する1km格子が概ね10個以上まとまって出現すると予想され、かつ、激しい雨がさらに降り続くと予想される場合に発表します。
    • 土砂キキクルは、過去の多大な被害をもたらした現象に相当する60分雨量と土壌雨量指数の組み合わせの基準値に実況値が到達したときに「災害切迫」(黒)を表示します。
  • 防災対応の判断に役立てていただくために、危険度が頻繁に変化することがないよう、過去30分間の最大危険度を表示します。
  • 避難等の判断は、土砂キキクルのみで行うのではなく、危険度が高まっている領域内の土砂災害警戒区域等に絞り込んで行う必要があります。なお、該当する領域(メッシュ)の周辺の危険度も参考にするなど、危険度の面的な広がりにも着目してください。
  • 平坦で土砂災害が発生しえない領域や、建物がなく定住者がいないなど定常的に人が活動していないため重大な被害を及ぼす土砂災害の危険性が認められない場所では、レベル3土砂災害警報、レベル4土砂災害危険警報の判断基準は設定しておりませんので、これらを意味する「警戒」(赤)、「危険」(紫)、「災害切迫」(黒)の表示となることはありません。このような場所で活動をする場合は、「雨雲の動き」等で最新の状況を確認するとともに、危険な場所から離れることが重要です。
  • 土砂キキクルでは、降った雪が積雪として地表に蓄えられる過程やこれが融けて地中に浸み込む過程は考慮していないため、降雪時・融雪時は土砂災害発生の危険度を正確に表現できていない場合があります。
  • 土砂災害発生の危険度を判定する際、解析雨量を用いていますが、レーダーの電波が雨雲以外のものから反射されることなどが原因で、実際の降水よりも遥かに強い降水が狭い範囲に解析される場合があり、土砂キキクルでより高い危険度の判定となることがあります。