台風情報の種類と表現方法

現在の台風情報は、気象庁ホームページ「台風情報」のページでご覧いただけます。

ホームページの操作方法等の詳細については利用マニュアルをご参照ください。

台風情報の種類

気象庁ホームページでご覧いただける台風情報には、以下のものがあります。

種類 特徴
台風経路図(実況と5日先までの予報) 台風および24時間以内に台風になると予想される熱帯低気圧の実況、予報等
暴風域に入る確率 分布図 5日先までの3時間毎の確率分布および24時間毎の積算確率分布
地域ごとの値 5日先までの3時間毎の確率および24時間毎の積算確率の時系列グラフ
気象庁本庁発表「台風に関する気象情報(全般台風情報)」 位置情報 台風および24時間以内に台風になると予想される熱帯低気圧の実況、予報等
総合情報 防災上の注意事項、上陸情報等
各地の気象台/測候所発表「台風に関する気象情報」 各地の気象台や測候所が発表する、地域に特化した防災上の注意事項等

台風経路図

台風経路図(実況と5日先までの予報)

台風経路図では、台風(発達する熱帯低気圧を含む)の存在位置と進路予報が表示され、個別の台風の台風経路図において右下の「虫眼鏡アイコン(表示されていない場合は、右上のメニューボタンをクリックすると表示されます)をクリックすることで、位置や強度の実況や予報を表形式で確認することができます。

台風経路図の例

台風経路図の例

台風(発達する熱帯低気圧を含む)の実況

気象庁では、台風の実況(現在の位置や強さ等)を3時間ごとに発表します。台風の実況の内容は、台風の中心位置、進行方向と速さ、中心気圧、最大風速(10分間平均風速)、最大瞬間風速、暴風域、強風域です。

現在の台風の中心位置を示す×印を中心とした赤色の太実線の円内は暴風域で、風速(10分間平均風速)が25 m/s以上の暴風が吹いているか、地形の影響などがない場合に吹く可能性のある範囲を示しており、通常、その範囲を円で示します黄色の実線の円内は強風域で、風速(10分間平均風速)が15 m/s以上の強風が吹いているか、地形の影響などがない場合に吹く可能性のある範囲を示しています。強風域の表現方法は暴風域のものと同様です。また、青い実線は現在までの台風経路で、青い破線は発達する熱帯低気圧の期間の経路を示します。

※ 台風の風の強さは、台風の中心に対して同心円状に分布していない場合があり、その場合は、暴風が広く存在する領域側(広域側)の方向と広域側の半径(rwとします)、および狭域側の半径(rnとします)で暴風域を表現します。地図では、台風中心から広域側に(rw - rn)/2だけずらした点を中心とした、半径(rw + rn)/2の円で表現しています。


台風(発達する熱帯低気圧を含む)の予報

気象庁では、台風の5日(120時間)先までの24時間刻みの予報を6時間ごとに発表します(1日(24時間)先までの12時間刻みの予報は3時間ごとに発表)。予報の内容は、各予報時刻の台風の中心位置(予報円の中心と半径)、進行方向と速度、中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域です。

白い破線の円は予報円で、台風の中心が到達すると予想される範囲を示しています。予報した時刻に、この円内に台風の中心が入る確率は70%です。台風の大きさの変化を表すものではなく、台風の進路予報の不確実性を表すものです。また、予報円の中心を結んだ白色の破線を表示することもできますが、台風の中心が必ずしもこの線に沿って進むわけでないことに注意してください。予報円の外側を囲む赤色の実線内の領域は暴風警戒域で、台風の中心が予報円内に進んだ場合に5日(120時間)先までに暴風域に入るおそれのある範囲全体を示しています。

さらに、台風が日本に接近し、影響するおそれがある場合には、台風の位置や強さなどの実況と1時間後の推定値を1時間ごとに発表するとともに、24時間先までの3時間刻みの予報を3時間ごとに発表します。これらの予報が発表されている場合、「台風経路図」の画面左上に表示される「1時間後の推定」を選択すると1時間後の推定位置を、同様に「3時間毎」の項目の「表示」を選択した場合は3時間刻みの進路予報をご覧いただけます。

なお、台風の動きが遅い場合には、12時間先の予報を省略することがあります。暴風域、強風域、暴風警戒域は、実況や予想される最大風速が小さい場合は表示されません。

台風の強さ(中心気圧や最大風速)は台風が進むコースによって大きく変わる場合があります。したがって、中心位置の予報が変われば、強さの予報も大きく変わる場合があるため、常に最新の予報をご利用ください。また、台風情報で発表する台風の最大風速、最大瞬間風速は台風により吹く可能性のある風速の最大値を示します。このため、地形や竜巻のような局所的な気象現象などの台風以外の影響により、一部の観測所で観測値がこれらの値を超える場合があります。

実況や予報の内容

内容 発表時間 予報時間 発表要素
実況 0時、3時、6時、9時、12時、15時、18時、21時の約50分後3 無し 中心位置、進行方向・速度、中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風域、強風域
毎正時の約50分後1,3
1時間後推定1 毎正時の約50分後1 無し
1日(24時間)予報 0時、3時、6時、9時、12時、15時、18時、21時の約50分後3 12時間先2、24時間先 予報円の中心・半径、進行方向・速度、中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域
24時間先まで3時間毎1
5日(120時間)予報 3時、9時、15時、21時の約50分後3 5日先まで24時間毎
  1. 台風が日本に接近し、影響のおそれがある場合に発表
  2. 台風の動きが遅い場合は省略
  3. 発達する熱帯低気圧や台風が複数存在するときは約70~90分後になることがある

暴風域に入る確率

分布表示

気象庁では、5日(120時間)先までに暴風域に入る確率の分布図を6時間ごとに発表します。暴風域に入る確率(分布表示)は、台風(発達する熱帯低気圧を含む)の実況や予報をもとに、北緯20~50度、東経120~150度で囲まれる領域を対象としており、緯度方向0.4度、経度方向0.5度の領域毎に3段階に色分けして示しています。

気象庁ホームページでは、「台風情報」のページ上部の要素選択ボタンでご覧になりたい台風の「暴風域に入る確率」(表示されていない場合は、右上のメニューボタンをクリックすると表示されます)を選ぶとご覧いただけます。下の図は表示例です。5日先までの積算確率と、3時間毎の確率を分布図で確認できます。

暴風域に入る確率の分布図の例(5日先まで)

暴風域に入る確率の分布図の例(5日先まで)

暴風域に入る確率の分布図の例(3時間ごと)

暴風域に入る確率の分布図の例(3時間ごと)

台風の進行方向では、台風が近づくにつれて暴風域に入る確率が高くなってきますので警戒が必要です。確率が低くても、その後発表される予報でどう変わるかに気をつけてご覧ください。

地域ごとの時間変化

気象庁は、5日(120時間)先までに暴風域に入る確率の市町村等をまとめた地域ごとの時系列図を6時間ごとに発表します。時系列図は、下の図のようにの3時間ごとの値を示します。

気象庁ホームページでは、暴風域に入る確率(分布表示)のページにおいて、地図上の白色で表示された地域をクリックするとご覧いただけます(灰色で表示された地域は、120時間以内に暴風域に入る確率が0.5%未満であることを示します)。下のグラフは表示例です。

暴風域に入る確率の例(時系列グラフ)

暴風域に入る確率の例(時系列グラフ)

グラフの左側は5日(120時間)先までの3時間ごとの暴風域に入る確率を示します。グラフ右側はそれぞれ24、48、72、96、120時間先までの暴風域に入る確率を積算値で示します。

早ければ値が出はじめる時間帯から(上図では17日18時から)、暴風域に入る可能性があります。値がピークの時間帯(上図では18日9時~18時)は、最も暴風域に入っている可能性が高い時間帯です。また、値が小さくなった時間帯(上図では20日0時まで)でも、まだ暴風域に入っている可能性があることに注意が必要です。

暴風域に入る確率は、台風の予報円の大きさ(進路予報の不確実性)を考慮して計算されています。一般的に情報の発表時刻から先の時間になるほど予報円が大きくなり、広い地域に低く確率が予報されます。このため台風が離れているときに確率が低い地域でも、台風が接近することで確率が高くなることがあります。

暴風域に入った場合の危険は大きいため、発表されている確率が低くても、確率の変化傾向やピークの時間帯に注目し、常に最新の予報をご利用ください。

暴風域に入る確率の内容

内容 発表時間 発表要素
分布表示/地域ごとの時間変化 3時、9時、15時、21時の約60分後1 5日(120時間)先までの3時間ごと及び24・48・72・96・120時間先までの確率
  1. 発達する熱帯低気圧や台風が複数存在するときは約70~110分後になることがある

気象庁本庁が発表する「台風に関する気象情報(全般台風情報)」

気象庁は、台風が発生したときや、台風が日本に影響を及ぼすおそれがあるか、すでに影響を及ぼしているときに、「台風に関する気象情報(全般台風情報)」を発表します。なお、今後台風に発達すると予想される熱帯低気圧が日本に影響するおそれがある場合には、「発達する熱帯低気圧に関する情報」という標題で情報を発表します。

これらの情報には、台風の実況と予想などを示した「位置情報」と防災上の注意事項などを示した「総合情報」があります。

気象庁ホームページでは、いずれも「台風情報」ページ上部の要素選択ボタンで「全般台風情報」(表示されていない場合は、右上のメニューボタンをクリックすると表示されます)を選ぶとご覧いただけます。

位置情報

「位置情報」は、ラジオやテレビを通して言葉で伝えたり、新聞記事として掲載したりすることなどに利用されています。以下に情報の例を示します。

<情報の例>

また、24時間先までの3時間刻みの予報など、台風が日本に接近し、影響するおそれがある場合に発表する情報を含む、詳細な情報も発表します。情報の形式は上記の情報と同様です。「全般台風情報」のページで、「位置詳細」をクリックするとご覧いただけます。

総合情報

「総合情報」は、台風や発達する熱帯低気圧の見通し、予想降水量など防災にかかわる情報や災害への留意点、台風の発生や上陸などの情報を掲載するために発表します。「全般台風情報」のページのほか、「全般気象情報」のページでもご覧いただけます。以下に情報の例を示します。

<情報の例>

「総合情報」は必要に応じて図形式の情報で示すことがあります。防災上重要なポイントである、危険度の高まる地域や時間帯等を、バーチャート等の図で分かりやすく示します。以下に情報の例を示します。

※ 今後の気象の見通しを時系列の表形式で示したもの。

図形式全般台風情報の例

図形式全般台風情報の例

台風が熱帯低気圧や温帯低気圧に変わっても、引き続き大雨や強風、高波などの激しい現象が発生するおそれがあります。各地の気象台では、大雨や強風、高波などに関する警報や注意報気象情報等を発表して警戒や注意を呼びかけていますので、最新の情報に留意してください。

各地の気象台や測候所が発表する「台風に関する気象情報」

各地の気象台や測候所は、気象庁本庁が発表した情報をもとに担当する地域の特性や影響などを加味して「台風に関する気象情報」や「発達する熱帯低気圧に関する気象情報」を発表します。

気象庁ホームページでは、「気象情報」のページで「地方」または「府県」を選ぶとご覧いただけます。以下に、沖縄気象台が発表した例を示します。

<情報の例>

このように、台風や発達する熱帯低気圧に関する情報は気象庁本庁や各地の気象台から随時発表しますので、最新の情報を使うようにしてください。

台風情報の表示方法について

平成19年4月18日以降に発表する台風予報は、「台風情報の表示方法等に関する懇談会」で社会情報学や放送機関等の有識者の意見等を拝聴し、新たに定めた「台風予報の図表示方法の指針」に沿った内容になりました。