高潮に関する防災気象情報の活用

高潮に関する防災気象情報を活用した避難行動について

 高潮によって命に危険が及ぶ(避難行動が必要となる)タイミングとエリアの考え方については、「避難情報に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」)において具体的に示されています。以下では、このガイドラインに基づき、高潮に関する気象警報等が発表された際にとるべき行動の例について解説します。

高潮に対してとるべき避難行動

 高潮で命に危険が及ぶ範囲は、高潮の高さによって大きく異なります。まず、自治体のハザードマップなどで潮位や水位(潮位に波の打上げ高を加えたもの。いずれも標高)に応じた高潮浸水想定区域など危険な箇所をあらかじめご確認ください。高潮時に越波や堤防決壊により流入した氾濫水により家屋の流失が想定される場所、最上階の床の高さまで浸水すると想定される場所、半地下構造の建物に氾濫水が流入する場所、あるいは、ゼロメートル地帯などで長期間浸水が継続すると想定される場所などでは、屋内で待避していても命に危険が及びますので、立退き避難が必要です。 こうした場所にお住まいの方は、台風や低気圧等の接近が予想されているときには、高潮警報・注意報等が発表されたら予想最高潮位・水位をもとに命を守るために立退き避難が必要かどうかを確認してください。

高潮警報の予想最高潮位・水位に応じた浸水想定区域では命に危険が及ぶ

 台風や発達した低気圧等が接近すると、「吸い上げ効果」「吹き寄せ効果」等により短時間のうちに急激にな潮位上昇が発生することがあります。また、台風等の接近時には、潮位の上昇よりも先に暴風が吹き始め、屋外への立ち退き避難が困難となります。

 暴風が吹き始める段階までには、高潮警報・注意報等の予想最高潮位・水位に応じた浸水想定区域の外の安全な場所への避難を完了することが重要です。

 なお、暴風警報は、暴風が吹き始める3~6時間前に、暴風が予想される期間を明示して発表しています。

 また、発表された高潮警報・注意報に夜間~翌日早朝までの時間を対象に「高潮に警戒」「高潮に注意」と記載されている場合には、予想最高潮位・水位を確認した上で、その前の夕方の時点で必要な避難行動をとることをご検討ください。自治体から避難指示等が発令されたときには、速やかに必要な避難行動をとってください。

 また、高潮で潮位が高くなっているときに高波が重なると、大量の海水が海岸堤防を越えて流入し、海岸堤防に隣接する家屋等で被害が拡大することがあります。海岸や河口付近では、高潮そのものによって浸水する場合に加え、潮位が高くなっているときの高波によって浸水する場合にも命に危険が及びます。こうした場合も、高潮警報・注意報等の予想最高潮位・水位と波浪警報の予想波高を活用し、暴風警報が発表された時点で避難開始の判断が必要です。

高潮発生時の高波により海岸堤防を超えて流入する海水(平常時)高潮発生時の高波により海岸堤防を超えて流入する海水(台風接近時)

高潮発生時の高波により海岸堤防を超えて流入する海水  写真提供:芦屋市(兵庫県芦屋市涼風町 左:普段の様子 右:平成30年台風第21号接近時の様子)

高潮からの避難行動が必要となるタイミングとエリアについて(内閣府のガイドライン)

 高潮によって命に危険が及び避難行動が必要となるタイミング(判断基準)とエリア(対象区域)の考え方については、「避難情報に関するガイドライン」(内閣府)において次のように例示されています。

高潮からの避難のタイミングとエリア(内閣府ガイドライン)

 高潮によって命に危険が及ぶ範囲(立退き避難が必要となる区域)については、表の中で「対象区域の考え方」として示されています。表の中で「警戒レベル4避難指示」の判断基準として示されている状況を自主避難の参考にしていただき、避難行動に支援を必要とする方は「警戒レベル3高齢者等避難」の判断基準として示されている状況を参考に自主避難をお願いします。なお、「警戒レベル5緊急安全確保」の判断材料として示されている状況は、すでに安全な避難ができず命が危険な状況と考えていただき、この状況を待ってから避難を開始しようとするのではなく、警戒レベル4までには危険な場所からの避難を完了しておく意識で行動いただくことが大変重要です。