空港気象ドップラーライダーによる観測

 空港気象ドップラーライダーは、積乱雲などから発生した「ダウンバースト(マイクロバースト)」や「シアーライン」と呼ばれる風の急変域を検出する装置です。現在、成田国際空港、東京国際空港、関西国際空港に設置されています。空港気象ドップラーライダーで検出した風の急変域の情報は、管制官や航空会社の運航担当者などからパイロットに速やかに提供され、航空機の安全な運航に活用されています。

 ダウンバースト、マイクロバースト、シアーライン⇒(参考)航空機の離着陸時における風との関わり

空港気象ドップラーライダーのしくみ

 空港気象ドップラーライダーは、レーザー光(パイロットの目に安全な波長帯を使用)を大気中に発射し、エーロゾルの動きを捉えた散乱光を探知します。 動いているエーロゾルに衝突した電磁波は散乱する際、その周波数が変化します(ドップラー効果)。このドップラー効果を利用すれば、空港気象ドップラーレーダーのしくみと同様に対象物の移動速度を観測することができます。
 空港気象ドップラーライダーは、降水粒子よりも小さいエーロゾルの動きを捉えることにより、降水を伴っていないときでも上空の風を観測することができます。

 エーロゾル(Aerosol): 大気中に浮遊する塵(土壌粒子、海塩粒子、火山噴火から生ずる粒子、自動車や工場などから放出される汚染粒子など)のこと。

空港気象ドップラーライダー
東京国際空港 空港気象ドップラーライダー1号機

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