台風の発生、接近、上陸、経路

30年間(1991~2020年)の平均では、年間で約25個の台風が発生し、約12個の台風が日本から300 km以内に接近し、約3個が日本に上陸しています。発生・接近・上陸ともに、7月から10月にかけて最も多くなります。

月別の台風の発生・接近・上陸数の平年値グラフ月別の台風の発生・接近・上陸数の平年値グラフ

台風は、春先は低緯度で発生し、西に進んでフィリピン方面に向かいますが、夏になると発生する緯度が高くなり、下図のように太平洋高気圧のまわりを回って日本に向かって北上する台風が多くなります。8月は発生数では年間で一番多い月ですが、台風を流す上空の風がまだ弱いために台風は不安定な経路をとることが多く、9月以降になると南海上から放物線を描くように日本付近を通るようになります。このとき秋雨前線の活動を活発にして大雨を降らせることがあります。室戸台風、伊勢湾台風など過去に日本に大きな災害をもたらした台風の多くは9月にこの経路をとっています。

台風の月別の主な経路台風の月別の主な経路

台風の月別の主な経路(実線は主な経路、破線はそれに準ずる経路)

台風の寿命(台風の発生から熱帯低気圧または温帯低気圧に変わるまでの期間)は30年間(1991~2020年)の平均で5.2日ですが、中には昭和61年(1986年)台風第14号の19.25日という長寿記録もあります。長寿台風は夏に多く、不規則な経路をとる傾向があります。