台風の一生

 台風の一生は、大別すると発生期、発達期、最盛期、衰弱期の4つの段階に分けることができます。日本に接近する台風は主に最盛期と衰弱期のものです。(衛星画像は平成30年台風第21号)

発生期

発生期の台風の衛星画像

台風は赤道付近の海上で多く発生します。海面水温が高い熱帯の海上では上昇気流が発生しやすく、この気流によって次々と発生した積乱雲(日本では夏に多く見られ、入道雲とも言います)が多数まとまって渦を形成するようになり、渦の中心付近の気圧が下がり、さらに発達して熱帯低気圧となり、風速が17 m/sを超えたものを台風と呼びます。

発達期

発達期の台風の衛星画像

発達期とは、台風となってから、中心気圧が下がり勢力が最も強くなるまでの期間を言います。暖かい海面から供給される水蒸気をエネルギー源として発達し、中心気圧はぐんぐん下がり、中心付近の風速も急激に強くなります。

最盛期

最盛期の台風の衛星画像1

最盛期とは、中心気圧が最も下がり、最大風速が最も強い期間を言います。

最盛期の台風の衛星画像2

台風の北上に伴い、中心付近の風速は徐々に弱まる傾向に入りますが、強い風の範囲は逆に広がります。

衰弱期

衰弱期の台風の衛星画像1

台風は海面水温が熱帯よりも低い日本付近に来ると海からの水蒸気の供給が減少し、熱帯低気圧や温帯低気圧に変わります。

温帯低気圧化/熱帯低気圧化

北から寒気の影響が加わると、寒気と暖気の境である前線を伴う「温帯低気圧」に変わります。この時、低気圧の中心付近では多くの場合風速のピークは過ぎていますが、強い風の範囲は広がるため低気圧の中心から離れた場所で大きな災害が起こったり、あるいは寒気の影響を受けて再発達して風が強くなり災害を起こすこともありますので注意が必要です。

また、台風がそのまま衰えて「熱帯低気圧」に変わる場合もありますが、この場合は最大風速が17 m/s未満になっただけであり、強い雨が降ることがありますので、「温帯低気圧」、「熱帯低気圧」いずれの場合も消滅するまで油断はできません。