数値予報とレーダーによる予測

竜巻が発生しやすい大気状態となっている場所で積乱雲が発達している場合には、「今まさにその場所で竜巻などの激しい突風が発生する可能性が高まっている」と考えることができます。このような状況を客観的に把握するため、数値予報による突風関連指数と気象レーダーの観測データから、今の時刻(気象レーダーの観測時刻)における突風発生の可能性を推定する「突風危険指数」という指数を計算しています。

下の図は、平成18年9月17日に宮崎県延岡市で竜巻が発生したときの事例です。竜巻の発生に近い時刻の数値予報による突風関連指数(左上段)、レーダー観測による雨雲の強さ(積乱雲の発達を表す:左下段)、およびこれらのデータを利用して計算した突風危険指数(右)です。突風危険指数は、10km格子単位で計算しています。

突風危険指数の計算例

矢印で示したように、竜巻の発生した延岡市付近で突風危険指数が高くなっています。突風危険指数は、気象ドップラーレーダー観測によるメソサイクロンの検出と組み合わせて、竜巻発生確度ナウキャストにおける、「現在、竜巻が発生している、または今すぐにでも発生しそう」という状況の予測に利用しています。