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洪水警報の危険度分布(平成29年度出水期より)


 平成29年度出水期から、3時間先までの雨量予測を用いた流域雨量指数の予測値が洪水警報等の基準に到達したかどうかを地図上に5段階で色分け表示した「洪水警報の危険度分布」を提供しています。
 これにより、指定河川洪水予報の発表対象ではない中小河川(水位周知河川及びその他河川)における急激な増水による危険度の高まりも数時間前から確認できるようになるなど、早い段階から雨量予測に基づき個々の中小河川において予測される洪水害発生の危険度の高まりを一目で確認できます。
 大河川については「洪水警報の危険度分布」ではなく、指定河川洪水予報を踏まえた適切な避難行動を心がけてください。

 なお、平成29年度出水期から、流域雨量指数の計算格子を従来の5kmメッシュから1kmメッシュに細かくし、従来の流域雨量指数が長さ15km以上の河川(約4,000河川)に限定して計算していたものを、小河川も含めた全国の河川(約20,000河川)を対象として計算するように対象河川を拡大しました。これに合わせて、従来は洪水警報等の発表基準に雨量を用いていた15km未満の河川についても、流域雨量指数を用いる方法に変更しています。

洪水警報を改善するための流域雨量指数の精緻化 洪水警報の危険度分布の提供
洪水警報の危険度分布(平成28年8月30日の岩泉町の状況)

「流域雨量指数」を用いた洪水警報の危険度分布

 気象庁では、河川の上流域に降った雨により、どれだけ下流の対象地点の洪水害リスクが高まるかを把握するための指標として「流域雨量指数」を用いています。この流域雨量指数により、中小河川(水位周知河川及びその他河川)の洪水害発生の危険度の高まりを判定して「洪水警報の危険度分布」を提供しています。

 流域雨量指数は、降った雨水が、地表面や地中を通って時間をかけて河川に流れ出し、さらに河川に沿って流れ下る量を、タンクモデルや運動方程式等を用いて簡易的に(ダム等の人為的な流水の制御、潮位や支川合流の影響、インフラの整備状況の違いなどについては考慮せずに)数値化したものです。

 流域雨量指数そのものは、値が大きいほど洪水害リスクが高まることを示す相対的な指標であり、重大な洪水害のおそれがあるかどうか等を判断するには、これだけでは十分ではありません。
 そこで、過去の洪水害発生時の流域雨量指数の値から「流域雨量指数がこの数値を超えると重大な洪水害がいつ発生してもおかしくない」という数値を洪水警報の基準に設定しています。

 「洪水警報の危険度分布」は、流域雨量指数の3時間先までの予測値が「注意報基準未満の場合」、「注意報基準以上となる場合」、「警報基準以上となる場合」、「警報の一段上の基準以上となる場合」及び、流域雨量指数の実況値が「警報の一段上の基準以上となった場合」の5段階で色分けして、中小河川の洪水害発生の危険度を河川の流路に沿って表示しています。

 洪水警報等の基準値は、河川流域毎かつ市町村毎に過去の洪水害発生時の流域雨量指数の値を20年分以上にわたって網羅的に調査した上で設定しています。これにより、流域雨量指数の計算では考慮されていない要素(ダム等の人為的な流水の制御、潮位や支川合流の影響、インフラの整備状況の違いなど)も基準値には一定程度反映されています。さらに、最新の洪水害発生履歴データを用いて基準の見直しを定期的に実施し、的確な洪水警報・注意報の発表や「洪水警報の危険度分布」の提供に努めています。


洪水警報の危険度分布の利活用

 洪水に関する重要な情報には、河川の分類に応じて次のようなものがあります。

洪水に関する情報
河川のスケール
河川の分類 洪水予報河川 水位周知河川 その他河川
洪水に関する
重要な情報



 市町村が発令する洪水についての避難勧告等の発令基準は「避難勧告等に関するガイドライン」(平成29年1月、内閣府)において次のとおり例示されています。平成28年台風第10号の水害等を踏まえて、「水位周知河川」及び「その他河川」において水位が急上昇する前の早い段階から避難準備・高齢者等避難開始等の発令を可能とするために、水位の実況値に加え、その後の水位上昇の見込みに関する情報として「流域雨量指数の予測値」等も用いる判断基準が新たに追記されました。

洪水についての避難勧告等の判断基準の例

 一般に、山間部等を流れる中小河川(水位周知河川、その他河川)は流域面積が狭く、勾配が急であるため、流れが速くなりやすく、大雨が降ると急激な増水を伴うという特徴があります。
 山間部等の流れの速い中小河川などで水流によって川岸が削られるなどして家屋が押し流されるおそれがある場合、あるいは、中小河川の氾濫が発生したときの浸水の深さが深く、最上階の床の高さまで浸水するおそれがある場合などには、洪水で命に危険が及ぶおそれがあります。
 こうした場合に対処するため、次のように、自治体の避難情報や河川の水位情報とともに「洪水警報の危険度分布」も参考に、実際に河川の水位が上昇するより前の早い段階から早めの避難を心がけることが大切です。

  • 自治体から避難勧告等が発令された場合河川管理者から氾濫危険情報等が発表された場合には、洪水警報の危険度分布に関わらず、速やかに避難行動をとってください。
  • 「洪水警報の危険度分布」では、自分がいる場所に命の危険を及ぼす可能性のある河川の危険度を確認するようにしてください。その際には、危険度の高まった紫色や赤色の表示は上流から下流へ移動してくる傾向がありますので、上流地点の危険度も含めて確認するようにしてください。
    • 赤色(警報級)の危険度が出現した場合には、重大な洪水害が発生するおそれがあり、当該河川の水位が水防団待機水位等を越えていれば自治体から避難準備・高齢者等避難開始が発令されうる状況を示しています。自治体の避難情報を確認し、避難準備・高齢者等避難開始が発令されている場合には、避難の準備をして早めの避難を心がけてください。また、避難準備・高齢者等避難開始が発令されていない場合であっても、河川の水位情報を確認し、水位が水防団待機水位等を越えている場合には、前述の状況を踏まえ、避難の準備をして早めの避難を心がけてください。(高齢者等は速やかに避難を開始してください。住宅の地下室からは速やかに退避してください。)
    • さらに、薄い紫色の危険度が出現した場合には、重大な洪水害が発生するおそれが赤色(警報級)よりもさらに高まると予想されており、当該河川の水位が氾濫注意水位等を越えていれば自治体から避難勧告が発令されうる非常に危険な状況を示しています。自治体の避難情報を確認し、避難勧告等が発令されている場合には、速やかに避難を開始してください。また、避難勧告等が発令されていない場合であっても、河川の水位情報を確認し、水位が氾濫注意水位等を越えている場合には、前述の状況を踏まえ、速やかに避難を開始することが重要です。
    • その後、濃い紫色の危険度が出現した場合、流域雨量指数の実況値が過去の重大な洪水害発生時に匹敵する値にすでに到達したことを示します。すでに重大な洪水害が発生しているおそれが高い極めて危険な状況です。
    • 河川堤防が損壊したり、河床が土砂で埋まるなど、河川構造物が損傷を受けた地域では、通常よりも洪水による被害が起きやすくなっています。そのような地域では、自治体の発令する避難情報に十分留意するとともに、「洪水警報の危険度分布」で黄色(注意報級)の危険度が出現した場合であっても、赤色(警報級)やその上の危険度が出現した場合と同様の対応をとってください。
  • また、洪水予報河川の外水氾濫については、洪水警報の危険度分布ではなく、河川管理者と気象台が共同で発表している指定河川洪水予報等を踏まえて避難勧告等が発令されますので、それらに留意し、適切な避難行動を心がけてください。

洪水で命に危険が及ぶおそれがあり立退き避難が必要な事象
洪水警報の危険度分布の色に応じた住民等の行動の例
洪水警報の危険度分布の表示の例(気象庁ホームページ)

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