地震動の予報業務許可についてよくお寄せいただくご質問

気象等の予報業務許可に関してよくお寄せいただくご質問はこちら。
気象等・地震動以外の現象の予報業務許可に関してよくお寄せいただくご質問はこちら。

予報業務許可制度について

「予報業務」の定義を教えてください。
 予報とは、気象業務法において「観測の成果に基づく現象の予想の発表」と定義されています。具体的には、「時」と「場所」を特定して、今後生じる自然現象の状況を、観測の成果をもとに科学的方法によって予想し、それを利用者へ提供することをいいます。業務とは「定時的又は非定時的に反復・継続して行われる行為」をいいます。
 地震動の場合は、地震発生後に特定の地点の震度や地震動の到達時間の予想結果を利用者に対して反復・継続して発表することは、予報業務となります。

どのような事業が地震動の予報業務に該当するのですか。
 該当する事業は、以下のとおりです。
1)気象庁が提供する地震動に係る予報資料(以後、「気象庁予報資料」という)を用いて、自らが作成した装置等により個別地点の震度や地震動の到達時刻の予想を行い、その結果を即時的に利用者に提供する場合。
【例】
・A社が「気象庁予報資料」を受けて個別地点の震度等を計算し、利用者側に設置する機器にその結果を配信する場合のA社。
2)「気象庁予報資料」を即時的な通信手段を用いて利用者に提供するとともに、提供先に自らが作成した装置等を整備し、これらの装置等により個別地点の震度や地震動の到達時刻の予想を行い、その結果を利用者に提供する場合。
【例】
・B社が「気象庁予報資料」を受けて利用者側に配信し、利用者側にはB社が開発・製造した機器を設置して震度等の予想を計算し、利用者にその結果を提供する場合のB社。
・C社が、会社や家庭向けに自ら開発した各地点の震度等の予想を計算するソフトウェアを利用者に提供し、同ソフトウェアをインストールした利用者のPC等に「気象庁予報資料」を配信する場合のC社。
3)気象業務支援センター又は配信事業者から「気象庁予報資料」を受信して個別地点の震度や地震動の到達時刻を予想した結果を出力できる装置等を作成し、これを利用者に対して提供(販売等)する場合(当該装置のうち地震動の予想の方法に係る部分の作成について責任をもっている事業者が、作成した装置等をOEMで利用者に供給する場合も該当します)。
【例】
・D社が予報端末を開発・製造し、E社(D社の販売代理店)やF社(家電量販店)が利用者に販売する場合のD社。
・G社(予想震度を計算し出力する部分を作成)とH社(外部とのデータ送受信部分及び表示鳴動部分を作成)が予報端末を共同で開発し、製造、販売を行う場合のG社。

どのような事業が地震動の予報業務に該当しないのですか。
 該当しない事業の代表例は以下のとおりです。
1)気象庁の行う地震動の予報及び警報や、地震動の予報業務の許認可を受けた事業者等の発表する地震動の予報の内容をそのまま利用者に伝達する場合。
【例】
・B社が、気象庁発表の予報や警報の配信事業を行う場合のB社。
・C放送局が、気象庁発表の予報や警報をそのままテレビ・ラジオで放送する場合のC放送局。
・D百貨店が、A社(予報業務許可事業者)から配信されたA社発表の予報(気象庁発表ではない)を受けて、お客様の避難誘導を行う場合のD百貨店。
2)地震動の予想を行う装置等の作成に全く関与しない事業者等又は、地震動の予想を行う装置等の作成に関与していたとしても、地震動の予想の方法について全く関与していない事業者等(これら装置等を利用者に提供する場合等では、当該装置等の地震動の予想の方法に係る部分の作成に責任をもつ事業者が、予報業務の許認可を受けることが必要です)。
【例】
・E社(A社の販売代理店)やF社(家電量販店)がA社(予報許可事業者)の製造した予報端末を販売する場合のE社とF社。
・G社(外部とのデータ送受信部分及び表示鳴動部分を作成)とA社(予想震度を計算し出力する部分を作成:予報許可事業者)が地震動の予想を行う装置を共同で開発し、製造、販売を行う場合のG社。
3)地震動の予想を直接利用者に提供せず、地震動の予想をもとに詳細な構造物の応答計算を行い、構造物の揺れの大きさそのものを利用者に伝達した場合。(ただし、地震動の予想をそのまま構造物の揺れとして伝えた場合には、地震動の予想とみなされますので、予報業務許可が必要になります。)
【例】
・H社が、A社(予報業務許可事業者)の地震動の予想をもとに構造物の詳細な揺れを予想し、提供した場合のH社。

P波センサーを用いて、まもなく大きな揺れが来ることを利用者に知らせることは、地震動の予報業務に該当するのですか。
 単体のP波センサー(特定地点においてP波を観測し、その後、当該地点に大きな地震動が到達することを報じる装置)のような観測装置を用いて、当該観測場所におけるS波の地震動を報じる業務については、当該観測場所にS波がP波よりも後に到達し、かつより大きな地震動をもたらすという自明なことを報じているに過ぎませんので、予報業務には該当しません。

申請手続きに関すること

予報業務許可を申請する際に定めることになっている予報業務の目的である「契約に基づく個人、契約に基づく法人及び不特定多数の者」とは何ですか。
 地震動の予報業務の目的は「契約に基づく個人、契約に基づく法人及び不特定多数の者」と定めることとなっていますが、これはあらゆる利用者を意味し、すべての提供先を対象に含みます。

地震動の予報業務を行うためにはどの様な予報資料を用いればよいのでしょうか。
 地震動の予報業務は、気象庁が提供する地震動に係る予報資料を用いて行う必要があります。その内容は、地震の発生時刻、震源(緯度、経度、深さ)、規模(マグニチュード)です。

会社を作らないと予報業務許可を取得することはできないのですか。
 予報業務許可は、法令で定めた許可の基準を満たすことができれば、法人に限らず、個人でも取得することは可能です。実際に、個人で予報業務許可を取得している事例もあります。

予報業務の変更認可申請はどのような場合に必要なのでしょうか。
 気象業務法第19条により、予報業務の目的又は範囲を変更する場合には、気象庁長官の認可が必要になります。例えば、予報する項目や予報の対象とする区域などを変更する場合には、予報業務の範囲に関する変更認可を申請して認可を受ける必要があります。
 また、気象等などの予報業務許可を受けている事業者が、新たに地震動の予報業務を行う場合も、予報業務の範囲を変更することになりますので、予報業務の変更認可を申請して認可を受ける必要があります。

予報業務の変更報告はどのような場合に必要なのでしょうか。
 予報業務許可申請時に提出した以下の事項に変更があった場合は、遅滞なく(ただし、現象の予想の方法に変更がある場合には変更予定日の30日前までに)変更報告書に変更内容を記載した書類を添えて報告する必要があります。
 ア.許可を受けた者の氏名、名称又は住所に変更があった場合
 イ.定款若しくは寄附行為又は役員に変更があった場合
 ウ.以下の書類の記載事項に変更があった場合
  ①予報業務計画書(地震動の予想の方法を含む)
  ②要員の配置の状況及び勤務の交替の概要
  ③観測施設の概要
  ④予報資料の収集・解析及び警報事項の受信施設の概要

予報業務の実施に関すること 

地震動の予報は、どの様な方法で行えばよいでしょうか。
 地震動の予報は、「気象業務法施行規則第10条の2第1号ロの計算方法を定める件」(平成19年11月26日気象庁告示第11号)を満たす方法で行わなければなりません。
 技術上の基準を満たしているかどうかの確認は、予報業務計画書の現象の予想の方法に掲載された内容に基づき行います。

気象庁の技術基準告示で定めている、地震動の予報の技術上の基準は、どういった趣旨のものでしょうか。
 地震動の予報は、人命に係る防災上極めて重要な情報であり、広く多くの利用者に普及していくべき情報であると考えています。このため、気象庁として地震動の予報による混乱を防止するとともに信頼性を確保するためには、民間事業者等の技術的水準を確保しつつ、信頼性のある予報業務を行っていただく必要があるために定めたものです。

予報業務を行う事業所とは、どのようなところですか。
 予報業務を行う事業所とは、事業者が震度や到達時刻の予想をするためのサーバーや利用者側に置いた端末に予報資料を送信するサーバーを運用している場所で、本社で運用している場合は、本社が事業所になります。また、事業者が震度や到達時刻の予想をする端末等を利用者に提供して予報業務を行う場合は、稼働状況確認のために当該端末等を稼動させる場所(たとえば、製造開発、保守対応等の部署が考えられます)が事業所となります。

要員の配置についてですが、事業所等において24時間常駐している必要があるのでしょうか。
 利用者からの問合せ等への対応が十分可能な体制となっていれば、必ずしも常駐している必要はありません。

予報提供のための要員が、気象等の予報業務と地震動の予報業務を兼務するのは問題ないでしょうか。
 事業所での業務遂行上、十分な対応が取れる体制となっていれば問題ありません。

現在、気象等の予報業務を実施していますが、地震動のみについて予報を行う事業所にも、気象予報士を配置しなければいけないのでしょうか。
 地震動のみの予報を行う事業所であれば、気象予報士を配置する必要はありません。
 なお、地震動の予報業務についての許可の基準として、気象予報士を置くことの代わりに、気象業務法施行規則第10条の2において技術上の基準を定めています。これにより、技術的な裏付けのある予報が提供されるしくみとなっています。

このページのトップへ