雷検知による雷活動の激しさの解析

雷監視システムでは、対地放電と雲放電の2つの放電を検出することができますが、雷活動が活発になっている危険な領域を簡便に知るためには、それぞれの放電を別々に扱うのではなく、合成して1つの図とした見ることが効果的です。
そこで、雷監視システムで検出した対地放電と雲放電を合成して「発雷密度」(1km格子内における10分間あたりの放電数)を求め、雷活動の激しさを活動度2~4で表すことにしました。

下図は、雷ナウキャストの活動度の作成経過を示したものです。
まず始めに、1km格子単位に対地放電及び雲放電をそれぞれ集計(左図:上段及び下段)します。これだけでは、雷雲の強弱の特徴があまりはっきりしません。そこで、各放電の半径10km以内に重みを付けて積算することで、雷雲の構造がより明瞭に表現されるようにします(中図:上段及び下段)。この事例では、雲放電の分布が雷雲の広がりをよく表現しています。
次に、対地放電は災害に直接結び付くことから、対地放電の分布に重みを付けて強調し、雲放電の分布と合成します。こうして求めた「発雷密度」を階級分けすることで、ナウキャストの活動度2~4を作成します。

左図の上段及び下段の図に比べ、右下図の「発雷密度」やナウキャストによる階級表示(活動度)では、注意すべき領域をより明瞭に表現していることが分かります。

雷検知による活動度の解析