雷検知数の季節的特徴
下図は、雷監視システムによる雷の検知データから、日毎に全国の放電数を集計し、月別に平均値を求めたものです。 対地放電(青色)、雲放電(桃色)ともに、放電数は8月が最も多くなっており、12月~2月の約100倍となっています。また、対地放電と雲放電の割合(黄色)を見ると、冬は対地放電と雲放電の比率はほぼ同じで、1:1程度ですが、夏は対地放電1に対して雲放電が5程度と雲放電の割合が大きくなっています。
雷監視システムにより夏(6~8月)の雷と冬(12~2月)の雷の地域的な特徴を見てみましょう。雷は夏・冬を問わず発生しますが、夏(6~8月)は、関東や中部、近畿地方を中心とした広い範囲で多数の検知結果がみられ、年間の総検知数の大部分を占めます。一方、冬(12~2月)は、日本海沿岸で相対的に検知数が多くなっています。
また、夏の雷と冬の日本海側の雷について時刻ごとの検知数を比較すると、夏は午後から夕方にかけて明瞭なピークを持つのに対して、冬は昼夜を問わず雷が発生し時刻による特徴がはっきりしません。これは、夏の雷と冬の日本海側の雷では、発生する仕組みが異なるためです。
夏は、日中の強い日射によって暖められた地面付近の空気が上昇し、背の高い積乱雲となって雷を発生させます。夏の雷は、広範囲に発生し長時間継続する特徴があります。
一方、冬に日本海側で多く発生する雷は、大陸から吹き出してきた寒気が日本海で暖められて発生する積乱雲によるものです。日本海沿岸の冬の雷は、夏の雷に比べて放電の数が少ないものの、一回あたりの雷の電気量が多く、落雷すると被害が大きくなりやすい特徴があるといわれています。