航空気象サービス
航空機の運航に不可欠な気象情報
気象庁では、航空機の安全で効率的な運航を支援するために、気象情報を航空局や航空会社などに提供しています。
航空機の安全な運航には、乱気流や雷が大敵です。また、霧、雪、低い雲により滑走路がよく見えないと、航空機は安全に離着陸できません。このほかにも、着氷や火山灰など航空機の飛行に影響を与える現象はたくさんあります。このことから、気象情報は航空機の運航にとって不可欠の要素になっています。更に、近年の航空技術の進歩や経済活動の進展により航空輸送は飛躍的に増加していることから、航空機の安全で効率的な運航を支援する気象情報の役割はますます重要になってきています。
航空機が安全に運航するためには、一定のルールが必要であることから、世界各国は、国際民間航空機関(ICAO※1)に加盟し、航空に関係する機関や航空会社は、国際的に統一された基準に従って、サービスを行っています。
気象庁も、ICAOと世界気象機関(WMO※2)が定める国際的な統一基準に基づいて航空気象サービスを行うとともに国内航空のための独自のサービスも行っています。
※1 ICAO:International Civil Aviation Organization(国際民間航空機関)
昭和19(1944)年の国際民間航空条約(シカゴ条約)に基づいて設立された、民間航空に関する国際連合の専門機関の一つ。
※2 WMO:World Meteorological Organization(世界気象機関)
航空気象情報の役割
航空気象情報は航空機の運航の様々な場面で目的に応じて利用されます。
まず飛行計画を立てる際に、出発空港、目的空港、代替空港、途中経路近辺の空港の気象実況および到着時刻までの予報、そして航空路の風、気温、雲の状況などの情報が利用されます。
飛行中の航空機には、飛行空域の悪天情報、目的空港の気象実況、予報などが、また着陸直前の航空機には、その空港の風や視程などの気象実況が利用されます。
その他、空港に駐機している航空機や空港施設の安全確保のためにも航空気象情報が利用されます。
航空気象サービスの改善に向けた取り組み
航空気象サービスは、ICAOやWMOによる国際的な基準や利用者からの要望を満たした気象観測や予報などを行う必要があります。航空気象サービスを改善する取り組みの一環として平成19(2007)年度に、日頃から航空気象情報を利用している関係者(空港や航空路の航空管制を担当する航空局の部署や航空会社など)に対して、平成18(2006)年度から提供を開始した航空気象情報に関する利用状況や改善要望などのアンケート調査を行いました。気象庁は、航空気象情報の適時適切な提供を継続するとともに今後も航空関係者からのご意見を聞き、利用者の満足度向上を目指した活動を行っていきます。