線状降水帯に関する情報

 線状降水帯は、次々と発生した積乱雲により、線状の降水域が数時間にわたってほぼ同じ場所に停滞して大雨をもたらすものです。線状降水帯が発生すると、災害の危険性が急激に高まります。 気象庁では、線状降水帯の発生をお知らせする発生情報、および発生する可能性を事前にお知らせする直前予測、半日前予測を発表しています。これら情報のうち、発生情報と直前予測は「気象防災速報」として、半日前予測は「気象解説情報」として発表します。 線状降水帯に関する情報が発表された場合は、そのときの状況に応じて適切な防災行動をとることが重要です。

■線状降水帯に関する情報

線状降水帯に関する情報



■線状降水帯に関する情報と発表された場合にとるべき行動

線状降水帯に関する情報と発表された場合にとるべき行動



線状降水帯半日前予測

 線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いことが予想された場合に、半日程度前から「気象解説情報(線状降水帯半日前予測)」として発表します。
 この情報が発表されたら、大雨に対する心構えを一段高めていただき、ハザードマップや避難所・避難経路の確認等を行っていただくことが重要です。

半日前予測の留意点

  • 線状降水帯による大雨の正確な予測は難しく、この情報が発表されても必ずしも線状降水帯が発生するわけではありません。しかし、線状降水帯が発生しなくても大雨となる可能性が高い状況といえます。
  • 半日前予測が発表されたときも、地元の市町村が発令する避難情報や、気象庁が発表する警報キキクル等の防災気象情報と併せて活用し、自ら避難の判断をすることが重要です。
  • 線状降水帯だけが大雨災害を引き起こす現象ではないことから、半日前予測の発表がなくても、早期注意情報(警報級の可能性)時系列情報(明日までの警報等の見通し)気象解説情報等を、災害発生の危険が迫っているときは警報等キキクル等の防災気象情報全体を適切に活用することが重要です。

半日前予測の例

 半日前予測は、全国を対象とする「全般気象解説情報」、全国を11に分けた地方予報区を対象とする「地方気象解説情報」、都道府県(北海道や沖縄県ではさらに細かい単位)を対象とする「府県気象解説情報」として、対象となる府県名を記述して発表します。(※北海道や沖縄県では、府県予報区単位で発表します。鹿児島県では奄美地方を、東京都では伊豆諸島と小笠原諸島を区別して発表します。)
 下に示すのは、全般気象解説情報(線状降水帯半日前予測)の発表イメージです。

全般気象解説情報(線状降水帯半日前予測)の例

線状降水帯直前予測

 直前予測は、今後3時間以内に線状降水帯が発生する危険性が高まった際に、「気象防災速報(線状降水帯直前予測)」として発表します。この情報が発表された際には、今後の大雨によって外出等が困難な状況になるおそれがあることから、崖や川の近くなど危険な場所にいる方は、周辺の状況や自治体による避難情報等に留意し、速やかに適切な防災行動をとることが大切です。

直前予測の留意点

  • 実際に線状降水帯が発生すると急激に災害の危険度が高まり、外出が危険な状況にもなり得るため、自治体からの避難情報や防災気象情報、周囲の状況を確認のうえ、動けるうちに適切な防災行動を少しでも早くとることが重要です。
  • 線状降水帯が発生しなくとも、今後において3時間降水量が100ミリを超える大雨になる可能性が高いことに留意が必要です。
  • 場合によっては直前予測の発表から間を置かずに発生情報に至り、大雨による災害発生の危険度が急激に高まるケースもあることから、その時々の周辺状況に応じ速やかに防災行動をとることが重要です。

直前予測の例

 直前予測は、「気象防災速報(線状降水帯直前予測)」として、対象となる一次細分区域(府県天気予報を定常的に細分して行う区域)を記述して発表します。なお、気象防災速報は府県単位のみであり、地方、全般の気象防災速報はありません。
 下に示すのは、〇〇県気象防災速報(線状降水帯直前予測)の発表イメージです。

府県気象防災速報(線状降水帯直前予測)の例

直前予測の発表基準

以下の1.~4.の条件をすべて満たした場合に、直前予測を発表します。

40分先から3時間先までの予測において
1.  前3時間降水量(5kmメッシュ)が100mm以上の分布域の面積が500km2以上
2.  上記1.の形状が線状(長軸・短軸比2.5以上)
3.  上記1.の領域内の前3時間降水量最大値が145mm以上
4.  上記1.の領域内において、土砂・洪水・浸水キキクルで「危険(紫)」の基準を超過するなど災害発生の危険度が高い

※ 情報を発表してから3時間以上経過後に発表基準を満たしている場合は再発表するほか、3時間未満であっても対象区域に変化があった場合は再発表します。

直前予測の想定する予測精度

  • 適中率(予測が当たる割合):50%程度
  • 捕捉率(発生を事前に捉えられる割合):80%程度
  • 直前予測が発表された地域で3時間100mm以上の大雨となる割合:90%程度

※適中率は予測「あり」の事例のうち実際に線状降水帯が発生した事例の割合、捕捉率は線状降水帯が発生した事例のうち事前に予測「あり」であった事例の割合です。

 直前予測は、線状降水帯発生の2~3時間前の発表を目標としていますが、発生まで1時間以内や2時間以内と予測された場合にも発表するため、直前予測の発表から発生情報の発表までの時間は平均で60分程度です。

線状降水帯予測マップ

 直前予測を補足する情報として、今後3時間以内に線状降水帯による大雨のおそれのある大まかな領域を地図上に示した「線状降水帯予測マップ」を気象庁ホームページで常時提供しています。

  • 直前予測が発表された場合は、線状降水帯による大雨のおそれのある領域を確認し、適切な防災行動につなげください。
  • 直前予測が発表されていなくとも、メッシュ表示されている場合は線状降水帯による大雨のおそれがあることから、今後の防災気象情報に留意し、状況に応じて適切な防災行動をとってください。

線状降水帯予測マップのページ

線状降水帯予測間マップの例

予測マップの基準と特徴

 予測マップは、以下の条件を満たした場合に、今後3時間以内に線状降水帯による大雨のおそれのある領域として20km格子を赤色で表示します。

3時間先までの予測において、前3時間降水量が100ミリ以上かつ土砂・洪水・浸水キキクルのいずれかで「警戒(赤)」以上の格子が一定数以上

 予測マップは、線状降水帯の発生をできる限り見逃さないように基準を設定しています。このため、以下のような特徴があります。

  • 予測マップで赤色表示されていても、実際には直前予測が発表されない場合があります。
  • 予測マップでは、直前予測の対象地域よりも広い範囲が赤色表示される傾向があります。

予測マップの想定する予測精度

赤色メッシュを含む一次細分区域で、3時間以内に線状降水帯が発生した事例を真値として評価した場合

  • 捕捉率(発生を事前に捉えられる割合):ほぼ100%
  • 適中率(予測が当たる割合):10%程度

また、赤色表示となった領域内で3時間降水量100mm以上の大雨となる割合は、60%程度です。

線状降水帯発生情報

 発生情報は、大雨による災害発生の危険度が急激に高まっている中で、線状の降水帯により非常に激しい雨が同じ場所で実際に降り続いている状況を「線状降水帯」というキーワードを使って速報する情報です。
 この情報は警報などの警戒レベル相当情報を補足する情報です。警戒レベル4相当以上の状況で発表します。

 崖や川の近くなど、危険な場所にいる方(土砂災害警戒区域や浸水想定区域など、災害が想定される区域にいる方)は、地元の市町村から発令されている避難情報に従い、直ちに適切な防災行動をとってください。周りの状況を確認し、避難場所への避難がかえって危険な場合は、少しでも崖や沢から離れた建物や、少しでも浸水しにくい高い場所に移動するなど、身の安全を確保してください。市町村から避難情報が発令されていなくても、今後、急激に状況が悪化するおそれもあります。キキクルや水位情報等の情報を確認し、少しでも危険を感じた場合には、自ら安全な場所へ移動する判断をしてください。

発生情報の発表基準

以下の1.~4.の条件をすべて満たした場合に、発生情報を発表します。

実況、10分先、20分先、30分先のいずれかにおいて
1.  前3時間降水量(5kmメッシュ)が100mm以上の分布域の面積が500km2以上
2.  上記1.の形状が線状(長軸・短軸比2.5以上)
3.  上記1.の領域内の前3時間降水量最大値が150mm以上
4.  上記1.の領域内において、土砂・洪水・浸水キキクルで「危険(紫)」の基準を超過するなど災害発生の危険度が高い

※ 情報を発表してから3時間以上経過後に発表基準を満たしている場合は再発表するほか、3時間未満であっても対象区域に変化があった場合は再発表します。

発生情報の留意点

  • 発生情報が発表されていなくとも、広範囲で激しい雨が長時間継続するような場合には、甚大な災害が発生する場合があります。発生情報を待つことなく、警報等や災害発生の危険度の高まりを示すキキクルを活用いただくことが極めて重要です。
  • 大河川の上流部で線状降水帯により非常に激しい雨が降っている場合、下流部では危険度が高まるまでに時間差があることにも留意する必要があります。最新の洪水危険度は洪水キキクルで確認してください。
  • 大雨に関する情報は、線状降水帯に関する情報だけではありません。雨量の見込みも含めた一連の情報を確認・活用いただくことが重要です。
    • 現在発表中の気象解説情報等で地方、府県を選択すると、お住まいの地方、府県に対して発表中の「地方気象解説情報」「府県気象解説情報」をご覧いただけます。
  • 発生情報を発表した後に、雨雲が急速に衰弱して重大な災害が発生しないケースもあります。

発生情報の発表例

 発生情報は、「気象防災速報(線状降水帯発生)」として、対象となる一次細分区域(府県天気予報を定常的に細分して行う区域)を記述して発表します。なお、気象防災速報は府県単位のみであり、地方、全般の気象防災速報はありません。
 下に示すのは、〇〇県気象防災速報(線状降水帯発生)の発表イメージです。

発生情報の例

発生情報を補足する「線状降水帯の雨域」の表示

 発生情報が発表された際には、「雨雲の動き」「今後の雨」(1時間降水量又は3時間降水量)において、大雨による災害発生の危険度が急激に高まっている線状降水帯の雨域を赤い楕円で表示します。なお、初期設定では、代表的な楕円(現在時刻に一番近い時刻で解析された線状降水帯の雨域)のみ実線で表示します。ボタンを押すことで、現在時刻に解析された線状降水帯の雨域を実線で、10~30分先に解析された線状降水帯の雨域を破線で表示します。

 線状降水帯の雨域を示す楕円は、線状降水帯により大雨となっている地域を大まかに把握できるよう表示したものであり、前3時間降水量が100mm以上の領域を包含できるように描画しています。

 線状降水帯の雨域がかかっている地域であっても、発生情報の発表基準のうち危険度の基準を満たしていないときは、発生情報は発表されません。また、線状降水帯の雨域の楕円の外側の地域であっても、大雨による災害発生の危険度が高まっている場合があります。

 災害発生の危険度が高まっている場所の詳細はキキクルで確認してください。

線状降水帯の赤楕円表示例

線状降水帯とは

 次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出されます。線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域を線状降水帯といいます。
 毎年のように線状降水帯による大雨が発生し、数多くの甚大な災害が生じています。この線状降水帯による大雨が、災害発生の危険度の高まりにつながるものとして社会に浸透しつつあり、線状降水帯による大雨が発生している場合は、危機感を高めるためにそれを知らせてほしいという要望があります。
 発生メカニズムに未解明な点も多く、今後も継続的な研究が必要不可欠です。気象庁での線状降水帯の予測精度向上に関する取り組みについては、以下のページをご覧ください。

 線状降水帯の予測精度向上・地域防災支援に向けた気象台の取組

線状降水帯に関する情報の実績等

 線状降水帯の過去事例や各種情報に関する検証結果、線状降水帯の検出結果については、以下をご覧ください。

 線状降水帯の過去事例とその検証結果(半日前予測及び直前予測の実績とその検証結果など)

 線状降水帯の検出結果