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南極観測について


気象棟とアデリーペンギン
第45次南極地域観測隊員撮影(提供:国立極地研究所)

日本が南極で観測を始めたのは1957年(昭和32年)で、気象庁は第1次観測隊より昭和基地を中心とする気象観測に参加しています。 当初は地上気象観測のみを行い、その後、徐々に観測要素を増やし、現在では5人の越冬隊員を毎年派遣して、通年での気象観測を行っています。
現在では、地上気象観測、高層気象観測、オゾン観測及び日射放射観測を実施しています。これらの観測は、世界気象機関(WMO)の国際観測網の一翼を 担って実施されており、得られた観測データはすぐに各国の気象機関に送られ、日々の気象予報に利用されています。 また、極寒の地での延べ300名に及ぶ気象隊員の努力により、50年以上の観測データが蓄積され、 そのデータは地球温暖化やオゾンホール等の地球環境問題の解明と予測の基礎データとして利用されています。

南極昭和基地のデータについて

南極昭和基地の月ごとの気象状況や過去のアーカイブデータがご覧になれます。

昭和基地で行っている観測

現在、昭和基地で以下の観測を行っています。
文字をクリックするとその観測要素の説明へ移動します。

地上気象観測

昭和基地の百葉箱と風向風速計
第47次南極地域観測隊員撮影

手前の百葉箱では温度計と湿度計が通風筒と共に入っており、気温湿度の観測を行っています。南極の雪は粒が非常に小さく、 そのまま外に設置すると通風筒の内部に雪が入り込んで詰まってしまうために百葉箱を使用しています。
また、奥の約10mの鉄塔の上には風向風速計を設置しており、昭和基地の風を観測しています。

下の写真は温度計交換作業の様子です。南極で使用する百葉箱は除雪しやすい様に両側から開閉できる仕組みになっています。

百葉箱の中
第52次南極地域観測隊員撮影

日射日照計
第53次南極地域観測隊員撮影

南極では太陽高度が低く、周囲の地形等の影響を受けやすくなるため、近くの高台に日射日照計を設置して、日射量と日照時間を観測しています。
写真はメンテナンスをしているところです。

上の写真の測器による観測の他に、気圧、視程、雲、大気現象等、国内で実施している地上気象観測とほぼ同種の観測を実施しています。
ただし、南極昭和基地では殆ど雨が降らず、また強風が多く雪の捕捉も難しいため降水量の観測は実施していません。

過去の地上気象観測データ

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高層気象観測

飛揚している様子
強風時に飛揚している様子
上の写真:第52次南極地域観測隊員撮影
下の写真:第49次南極地域観測隊員撮影

ラジオゾンデをゴム気球に吊るして飛揚します。
上の写真は弱風時、下の写真は強風時に飛揚している様子です。強風時には安全を確保するため複数名で作業を行います。

ラジオゾンデの外観

ラジオゾンデの外観です。

ラジオゾンデのセンサや位置情報により、地上から高度約30kmまでの大気の状態(気圧、気温、湿度、風向・風速等)を観測しています。
高層気象観測は世界同時刻に1日2回観測を行うため、昭和基地では現地時間で3時と15時(国内の9時と21時)に観測しています。

過去の高層気象観測データ

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オゾン観測

地上オゾン濃度を観測している様子
第52次南極地域観測隊員撮影

地表付近のオゾン濃度を連続的に観測しています。昭和基地の観測では年に数回程度、オゾン濃度が急減することがあります。 成層圏のオゾン破壊と同様のメカニズムにより、臭素化合物がオゾン破壊を引き起こしています。

オゾンゾンデ観測直前
第52次南極地域観測隊員撮影

ゴム気球に吊した観測機器により上空のオゾン量を直接観測し、詳細なオゾンの高度分布を観測しています。 ほぼ1週間に1回程度飛揚していますが、オゾンホールの時期には飛揚回数を増やし監視を強めています。

オゾン全量を観測している様子
第52次南極地域観測隊員撮影

ドブソン分光光度計という機器を使用して地表付近から大気の上端までのオゾンの量(オゾン全量)を観測しています。 通常は太陽光を用いて観測していますが、太陽が出ない極夜時期は満月頃の月光を用いて観測します。

昭和基地では、上記のように様々な機器を設置してオゾン観測を実施しています。
1980年代初めに、春季(日本の秋季)の南極昭和基地上空のオゾン全量がそれまでと比較して著しく少なくなっていることが、 気象庁等の観測により発見されました。これは後日オゾンホールと呼ばれるようになった現象を観測したものです。

昭和基地で観測したオゾン全量観測のデータはこちら
([地球環境のデータバンク] 月平均オゾン全量の数値データ表へのリンク)


地上オゾン観測のデータはこちら
(温室効果ガス世界資料センターへのリンク)

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日射放射観測

ブリューワー分光光度計の点検
第52次南極地域観測隊員撮影

太陽光の紫外線を波長別にブリューワー分光光度計で観測しています。全自動で観測を行うもので、写真は機器の動作確認をしている所です。

エーロゾル観測装置(PFR)と散乱日射観測装置
第52次南極地域観測隊員撮影

直達日射量、散乱日射量、全天日射量、赤外放射量、エーロゾル(大気中の塵や海塩粒子等)による大気混濁度(エーロゾル光学的厚さ)を観測しています。
写真はメンテナンスをしているところです。

上向き日射放射観測装置
第51次南極地域観測隊員撮影

地上に到達した太陽放射のうち地表面で反射されて天空方向へ戻るエネルギー(反射日射量)と地表面から放射され天空方向へ向かう赤外放射(上向き赤外放射)を観測しています。
写真はメンテナンスをしているところです。

波長別紫外線観測データはこちら
(気象統計情報 オゾン層・紫外線へのリンク)

日射放射観測の詳細なデータは南極気象資料(CD-ROM)または大気・海洋環境観測年報(DVD)として刊行しています。

気象庁の刊行物の入手方法についてはこちら


関連情報

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