気象観測施設の届出と気象測器の検定

気象観測に関する制度の概要と目的

政府機関または地方公共団体が気象観測を行う場合(研究や教育のための観測を除く)、もしくはそれ以外の方が観測の成果を発表するため、または災害の防止に利用することを目的として気象観測を行う場合には、

  1. 技術上の基準に従って行うこと
  2. 気象観測施設の設置の届出を気象庁長官に行うこと
  3. 検定に合格した気象測器を使用すること

が気象業務法により義務付けられています。(気象業務法第6条気象業務法第9条
この制度(届出・検定制度)は、我が国において行われる公共的な気象観測の品質を担保することによって、気象庁と気象庁以外の者による気象観測の成果の相互利用を可能にすることや、誤った観測値がもたらす社会的混乱を防ぐことを目的としたものです。

届出・検定制度、観測方法などに関する資料

気象庁以外の方が気象観測を行う際の留意事項や観測方法などについて、以下の資料にまとめていますので参考にしてください。

気象業務法で定められている制度の趣旨・目的や、制度の対象とする気象観測の範囲と守るべき事項についてわかりやすく解説するとともに、適切に気象観測を 行うために必要となる観測環境の維持や観測に使用する機器の保守・点検の必要性など、気象観測を行う方々が留意すべき事項についてまとめたものです。

広く一般に実施されている降水量、風向・風速、気温、湿度及び積雪の深さの観測について、気象庁が推奨する気象測器の設置方法や点検時のチェックポイントなどについて解説しています。

雨量計の設置場所

気象観測施設の届出

▼届出が必要な観測種目は・・?

気圧、気温、相対湿度、風向・風速、降水量、積雪の深さ、視程、日照時間及び日射量が対象です(※)。
ただし、国土交通省令(気象業務法施行規則第1条の4)に該当する場合はこの限りではありません。
(※この他、気象庁長官が指定 [PDF形式:184KB]したレーダー(第2項に掲げる国土交通省レーダ雨量計)による降水粒子の分布及び状態の観測も対象です。)

▼届出の方法は・・?

届出は、e-Gov電子申請からオンラインで手続きいただくか、必要書類(紙やCD-ROMなど)をメール・郵送・持参により気象台に提出していただくことで手続きが可能です。手数料はかかりません。

  • 届出は、気象観測施設の設置から30日以内に、その設置者から設置場所を管轄する気象台に提出してください。
  • 届け出た気象観測施設を廃止した場合や、届け出た内容に変更があった場合も30日以内に届出が必要です。
  • 届出の際には検定の対象になっている気象測器の検定状況を確認させていただいております。(検定証書の例[PDF形式:39KB]
  • オンラインでの手続きはこちらから行うことができます:e-Gov電子申請手続検索。(「所管行政機関から探す」で気象庁を選択して、対象の手続きへ進んでください)

必要書類

届出に関するお問い合わせ先・提出先

気象測器の検定

届出を行う必要のある気象観測施設で使用する気象測器(温度計・気圧計・湿度計・風速計・日射計・雨量計・雪量計[PDF形式:7KB])については、検定に合格したものを使用してください。 (気象業務法第9条気象測器検定規則第2条、第12条

▼検定の内容は・・?

検定では、その気象測器の種類に応じて材料、部品及びその組み合わせなどが適切であるかを調べる「構造検査」と、個別の精度を調べる「器差検査」の2種類の検査を行います。また、気象庁があらかじめ構造・性能を検査する「型式証明」をした気象測器(型式証明測器最新順[PDF形式:80KB]登録順[PDF形式:80KB])については、「構造検査」を省略することができます。 これらの検査は、気象測器の種類に応じて、それぞれ定められた検定の合格基準[PDF形式:284KB]に沿って行われます。

検定の流れ

▼検定の有効期間は・・?

気象測器の測定原理、感部部分の素材、可動部の有無、屋外での使用など耐久性を考慮し、検定の有効期間[PDF形式:6KB]を定めています。 風速計や雨量計などは可動部を有することなどから5年としています。 (気象測器検定規則第15条
現在、電気式気圧計及び超音波式風速計については、有効期間を設けない(有効期間が無期限)測器としていますが、平成30年6月以前に検定を受けた測器については、検定証書に記載された有効期間が適用されますので注意してください。

▼検定の方法は・・?

検定の実務は、気象庁長官の登録を受けた登録検定機関((一財)気象業務支援センター)が行っています。
検定の方法には、登録検定機関で気象測器の実器検査を受ける方法と、型式証明を受けている気象測器については、気象庁長官が認めた測定者(認定測定者[PDF形式:59KB])が、自らの検査設備で器差の測定を行い、測定結果報告書を登録検定機関に提出して書類審査を受ける方法とがあります。登録検定機関では、検定を行い、合格後に検定証書を発行します。
検定料金及び検定料金積算根拠資料についてはこちらをご覧ください:検定料金検定料金積算根拠資料((一財)気象業務支援センターホームページ上に掲載されています。)。

▼再検定の場合は・・?

検定証書(サンプル[PDF形式:39KB])に書かれた有効期間を過ぎると検定切れとなりますので、再検定を受けてください。 なお、可動部のある気象測器には、長期の利用による摩耗・破損、構造上の強度の劣化、精度の低下などが想定されますので、その状況に応じて部品交換や修理・調整を行ったうえで、検定の申請を行うようにしてください。 部品交換や修理・調整については、専門業者に相談されることをお勧めします。

型式証明を受けた型[PDF形式:80KB]の転倒ます型雨量計に対しては、再検定の方法として簡易検定(計量部のみ交換)[PDF形式:1,696KB]を選択することができます。 この方法では、転倒ます型雨量計を構成する「計量部」と「受水器」の内、「計量部」のみを同一型式の新品の(あるいは検定有効期間内の)「計量部」と交換し、「受水器」については継続利用します。 このため、通常の再検定や雨量計(丸ごと交換)よりも必要経費を下げることが可能になる場合があります。
現地での「計量部」の交換作業は、雨量計の製造業者・認定測定者が行う必要はなく、定期的な保守点検に合わせて行うと効率的です。
簡易検定を選択する場合は、現在使用している転倒ます型雨量計の販売業者または製造業者に相談してください。

▼委託検定とは・・?

日照計や震度計などの測器(委託検定対象測器[PDF形式:47KB]委託検定手数料[PDF形式:9KB])については、測器利用者が精度を確保するうえで検定を必要とする場合は、その要請にもとづき気象庁が検定を行います。 こちらの申請ページからお手続きください。詳しくは、受託機関[PDF形式:47KB]にお問い合わせください。

型式証明・認定測定者・登録検定機関の申請について

型式証明、認定測定者及び登録検定機関の申請にあたっては、以下をご覧の上、こちらの申請ページからお手続きください。

▼型式証明

気象測器の型式証明申請手続き、検査設備の基準などについては、以下のリンク先をご覧ください。
詳しくは、実施機関である気象庁気象測器検定試験センターにお問い合わせください。
所在地:茨城県つくば市長峰1-2 電話:029-851-4121

▼認定測定者

認定測定者とは、型式証明を受けた気象測器の器差の測定を行う者をいいます。
その業務範囲や申請手続きなどについては、以下のリンク先をご覧ください。
更に詳しくお知りになりたい方は、気象庁大気海洋部観測整備計画課(電話03-6758-3900(代表) 内線4309)にお問い合わせください。

▼登録検定機関

登録検定機関とは、気象業務法第9条で定めている観測に使用する気象測器の検定を行う者をいいます。(気象業務法第32条の3
登録の申請に必要な要件等については、気象業務法第32条の4に定められています。
登録検定機関への登録申請は随時受け付けております。詳しくは、気象庁大気海洋部観測整備計画課(電話03-6758-3900(代表) 内線4309)にお問い合わせください。
登録検定機関として検定業務を行うために必要な測定器及び設備として、気象庁の設備類を実費で使用することもできます。 ここに貸与可能な測定器及び設備一覧[PDF形式:99KB]を示します。
現在登録されている登録検定機関は以下のとおりです。

  • (一財)気象業務支援センター 

気象観測施設の届出・気象測器の検定についてよくお寄せいただくご質問集