大気汚染に関する用語

大気汚染に関する用語

分類 用語 区分 説明
大気汚染 自然または人工的に作り出された有害物質によって大気が汚染されること。
光化学大気汚染 光化学オキシダントによる大気汚染。
スモッグ 高濃度の汚染物質により視程が悪くなる状態。もともとは、煙(Smoke)と霧(Fog)の合成語。
備考 大気汚染では霧の存在とは関係なく、高濃度の大気汚染の場合に使われている。ばい煙と霧による場合はロンドン型スモッグ、光化学オキシダントによる場合はロスアンゼルス型スモッグと呼ばれる。
光化学オキシダント 大気中の炭化水素と窒素酸化物の光化学反応から二次的に生成される酸化性物質で、オゾン、パーオキシアセチルナイトレート(PAN)などが含まれる。刺激性があり、人や動植物に悪影響を与える。
光化学スモッグ 大気が安定で、風が弱く、日射が強く、気温が高いなどの気象条件下で、光化学反応により地表付近の光化学オキシダント濃度が高くなるようなときに視程が悪くなる現象。
酸性雨 大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物などの酸性物質が溶けこむことにより酸性度が強くなった降水。
大気汚染物質 窒素酸化物、硫黄酸化物、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質、炭化水素など、人や動植物に悪影響を与える大気中の汚染物質。
硫黄酸化物 硫黄と酸素との化合物で二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を主とし、三酸化硫黄などを含む総称(SOxと書くこともある)。酸性雨の原因物質の一つ。
窒素酸化物 窒素と酸素との化合物で一酸化窒素や二酸化窒素などの総称(NOxと書くこともある)。それ自体強い毒性を持ち、光化学オキシダント、酸性雨の原因物質の一つ。
炭化水素 炭素と水素からなる化合物の総称で、大気中で光化学反応により諸種の物質を生ずる。光化学オキシダント生成の原因物質の一つ。
オゾン 酸素原子3個からなる気体。
備考 オゾン(O 3 )は主として成層圏に多く分布するが、大気汚染の分野で問題とするものは、下層大気中の光化学オキシダントの主成分としてのオゾン。
光化学スモッグ注意報 地方自治体が大気汚染緊急時対策として「発令」する措置の一つ。「光化学スモッグ注意報」のほか予報・警報などがある。
備考 「光化学オキシダント注意報」としている自治体もある。東京都の場合は、学校関係を対象とする「光化学スモッグ学校情報」も発令している。
硫黄酸化物注意報 地方自治体が大気汚染緊急時対策として「発令」する措置の一つ。硫黄酸化物注意報のほか、予報・警報などがある。
大気汚染気象 大気汚染に関連する気象。
スモッグ気象情報 大気汚染気象に関して担当する気象官署が一般及び関係機関に対して注意喚起のために発表する情報。
全般スモッグ気象情報 全国を対象として、翌日に光化学スモッグの発生しやすい気象状態が予想される場合に気象庁本庁が一般及び関係機関に対して発表する情報。
大気汚染気象ポテンシャル 気象条件による高濃度な大気汚染の発生の可能性。
用例 気温が高く、風が弱いため、大気汚染気象ポテンシャルが高い。
最大混合層高度
(MMD)
地表付近で大気中に排出された汚染物質が大気の乱れや対流活動で鉛直方向に運ばれ、周囲との混合・希釈が行われる高さを混合層高度という。最高気温の出る日中に最も高くなり、この高さを最大混合層高度という。混合層高度が低く、風が弱いと汚染物質が地表付近に溜りやすい。
Maximum Mixing Depth の略。
バックグランド汚染 自然または人工的に作り出された有害物質が放出され時間とともに拡散することによる低濃度の常時観測される残留汚染。