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Ⅷ 気象大学校100周年

 気象大学校は、令和4年(2022年)にその前身の「測候技術官養成所」の設置から100年を迎えます。名称や構成、教育内容の見直しをしながら、気象業務の中核を担う人材を養成する場として、その役割を果たしてきました。自然災害が頻発している今日の状況の中、気象業務の重要性や防災に対する気象庁への期待が高まっています。これに対応できるよう、今後も人材養成の役割を果たしていきます。

校章

(1)創立の経緯

 気象大学校「大学部」の前身にあたる中央気象台附属「測候技術官養成所」の設置に尽力した岡田武松博士は、次のような言葉を残しています。

大正八年頃に地方技術職員待遇法がきまり、高等農林学校を出た人々は技師まで昇れるが、測候所には之に相当する高等専門学校がないので、依然として技師になる途はない。之では大変だと云うので、気象の高等専門学校である技術官養成所を中央気象台附属として設立することになった。

「創立当時の気象技術官養成所」『研修時報』昭和27年12月

このように養成所の設置は、全国各地の技術職員が技師まで昇進するために必須とされた「高等専門学校」を気象の分野にも設け、これにより優れた人材を全国的に確保する、という考えによるものでした。


(2)沿革

 修業年限3年の高等科(1年以下の職員研修を行う専修科と対比して「本科」と呼ばれています)の授業が中央気象台庁舎内で大正11年(1922年)に開始された10月10日を創立記念日としています。その後、気象技術官養成所への改称を経て、昭和26年(1951年)に廃止のうえ中央気象台研修所設置、昭和31年(1956年)に中央気象台が気象庁となったことに伴い気象庁研修所と改称、2年制の高等部が設けられた後、気象大学校となり、昭和39年(1964年)に現在の4年制の大学部となりました。

 校舎が千葉県柏市(当時柏町)に新設されたのは昭和18年(1943年)で、これに伴い当初東京品川に設けられていた寄宿舎「智明寮」も現在地に移りました。現在の校舎は平成元年(1989年)に完成したものです。




(3)現在とその使命

〇大学部 4年制 定員60名

 「国家公務員気象大学校学生採用試験-高等学校卒業程度-」によって採用された1学年平均15名の学生に対する手厚い教育を行っています。カリキュラムは、気象業務の基盤となる地球科学、基礎学術、一般教養に加えて、防災行政などの知識・技術の授業、さらに、気象業務への理解を深めるため、観測実習や気象庁本庁・地方気象台などでの職場実習も行っています。これらにより、将来の気象庁の中核職員として職務遂行に必要な素養を培うとともに、気象業務に関する技術開発や企画・指導に寄与しうる能力を養う教育方針です。

実習の様子


〇研修部

 全国の気象台等の職員を対象に、気象業務に必要な専門知識の習得と技術向上のための研修を行っています。令和4年度は、初任職員から管理職員まで計13コースの研修をオンラインまたは集合方式で実施しています。

構内全景

気象大学校の施設や学生生活など詳しい情報はこちらのホームページから

https://www.mc-jma.go.jp/mcjma/index.htm


在校生が当校を志望した理由などが書かれた受験体験記もあります。


学生採用試験に関する情報や気象大学校パンフレットはこちらから

https://www.mc-jma.go.jp/mcjma/educational/adopt.htm


パンフレットでは気象業務の最前線で活躍する卒業生からのメッセージをご覧になれます。

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