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ホーム > 気象等の知識 > 天気予報・台風 > くらしに役立つ情報 > 降水短時間予報と降水ナウキャスト

降水短時間予報と降水ナウキャスト

降水短時間予報や降水ナウキャストとは

 降水短時間予報や降水ナウキャストは、過去の雨域の動きと現在の雨量分布を基に、目先1〜6時間までの雨量分布を1km四方の細かさで予測するものです。通常1日3回発表される今日・明日の予報や天気分布予報とは異なり、短い時間間隔で発表することにより、1〜6時間先までの雨量予測を可能な限り詳細かつ迅速に提供します。

 降水短時間予報は、解析雨量と同じく30分間隔で発表され、6時間先までの各1時間雨量を予報します。例えば、9時の予報では15時までの、9時30分の予報では15時30分までの、各1時間雨量を予測します。

 降水ナウキャストは、より迅速な情報として更に短い10分間隔で発表され、1時間先までの各10分間雨量を予報します。例えば、9時20分の予報では10時20分までの各10分間雨量を予測します。なお、降水ナウキャストでは10分間雨量を6倍して、1時間雨量に換算された値が表示されます。

 降水短時間予報を利用することにより、数時間の大雨の動向を把握して、避難行動や災害対策に役立てることができます。さらに、数十分の強い雨で発生する都市型の洪水などでは、降水ナウキャストが迅速な防災活動に役立ちます。降水短時間予報と降水ナウキャストを併せて利用することで、防災活動に有効な情報を得ることができます。

 降水短時間予報や降水ナウキャストは、外出や屋外での作業前に目先数時間の雨の有無を知りたいときなど、日常生活でも便利に利用することができます。

降水短時間予報の予測手法

 解析雨量により毎時間の雨量分布が得られます。この雨量分布を利用して雨域を追跡すると、それぞれの場所の雨域の移動速度が分かります。この移動速度を使って直前の雨量分布を6時間分移動させて、6時間後までの雨量分布を作成します。

 予測の計算では、雨域の単純な移動だけではなく、山の斜面で雨が強まったり、山を越えて雨が弱まったりする地形の効果も考慮しています。また、予報時間が延びるにつれて、次第に雨域の位置や強さのずれが大きくなるので、予報後半には数値予報の結果も加味しています。

降水短時間予報の予測手法

 降水短時間予報は予報時間が先になるほど精度が下がりますので、常に最新の予報を確認するのが上手な使い方です。また、目先1時間以内のより詳しい見通しを知りたい場合には、降水ナウキャストを併せて利用するのが効果的です。

降水ナウキャストの予測手法

 降水ナウキャストによる予測には、レーダーによって10分間隔で観測された降水の強さの分布をアメダス等の雨量計データにより補正して作成した初期値と、降水短時間予報の中で解析された雨域の移動に関する情報を利用します。予測を行う時点で解析されている雨域の移動の状態がその先も変化しないと仮定して、初期値として作成された雨量分布を移動させ、60分先までの雨量を計算しています。

 この手法は、降水短時間予報でも使われています。観測時刻以降の降水強度の変化、特に、新たに発生した雨域等を予測に反映することはできませんが、短時間の予測では比較的高い精度の予測を得ることができます。ただ、降水短時間予報では、地形の影響によって降水が発達・衰弱する効果を計算して、予測の精度を高めていますが、降水ナウキャストでは、計算時間の節約のため、この計算を省略しています。降水ナウキャストでは、降水強度の変化を予測に反映できない弱点を補うため、観測が行われる毎に予測を更新し、常に新しい雨の状況を予測に反映するようにしています。

降水ナウキャストによる予測例

 下の図は、平成18年5月24日の神奈川県で発生した強雨の事例です。上段のレーダーによる観測値を見ると、18時30分(日本時)から18時50分にかけて、神奈川県で雨雲が急速に発達し、その後、ゆっくり南下している様子がわかります。下段の降水ナウキャストでは18時50分の初期値でこの発達を捉え、その後の経過をよく予測しています。

18:30 18:50 19:00 19:10 19:20
観測値→ 18時30分の観測 18時50分の観測 19時00分の観測 19時10分の観測 19時20分の観測
18:50初期値の予想→ 降水ナウキャストによる19時00分の予想 降水ナウキャストによる19時10分の予想 降水ナウキャストによる19時20分の予想

 この事例についての降水短時間予報の予測を見てみましょう。

 降水短時間予報は、毎時00分と30分を初期値として作成されます。したがって、この例では、18時30分の、雨雲がまだあまり発達していない状態を初期値として計算されます。解析雨量による19時30分までの1時間雨量の解析値(下左)と降水短時間予報値(下右)を比較すると、神奈川県の強雨が十分に予測できていません。

19時30分までの雨量(解析値) 18時30分初期値の降水短時間予報値
19時30分までの雨量(解析値) 18時30分初期値の降水短時間予報値

 このように、降水ナウキャストは短い時間間隔で新しい予測を行うことで、雨雲の急発達等を予測に反映しています。

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