降水

雨に関する用語
分類 用語 区分 説明

用例 雨が降る(やむ)。(雪が)雨に変わる。
雨の日。雨の天気。

霧雨
微小な雨滴(直径0.5mm未満)による弱い雨。

雷雨
雷をともなう雨。
用例 雷雨がある。
備考 予報文では「雨(雪)で雷を伴う」という表現を用いることもある。

長雨
数日以上続く雨の天気。
備考 気象情報の見出しなどに用いる。

風雨
雨をともなった風。

風雨強い
強い風に雨を伴うもの。ただし、暴風雨となる場合を除く。
備考 海上予報文で用いる。それ以外の天気予報文では、「風雨が強い」とはせずに、風と雨について個別に強さを示す。例えば、「~の風が強く、雨」。
× 地雨
雨量強度が一様で地域的にも降り方に偏りの少ない雨で、層雲系の雲から降ることが多い。
備考 一般的な用語でないので予報、解説には用いない。
夕立 備考 夏期のみに用いる。

ひょう
積乱雲から降る直径5mm以上の氷塊。
× 雨もよう 雨や曇り、雨または曇り。
備考 「雨もよう」、「雪もよう」または「~もようの天気」などは意味がいろいろにとれるため用いない。
× 雨をみる 雨が降る。
× 雨がある 雨が降る。
備考 「雷雨」は「降る」と言わずに「ある」という。
× 雨のやみまがある 雨のやむとき(こと)がある。
× 雨があがる 雨がやむ。

雨が残る
(雨の主体が通ったあと)しばらくの間、雨が降ること。
雨が小降りになる
雨の降り方が弱まること。
備考 「弱い雨」となる場合に用いる。
雨が本降りになる
(弱い雨や断続的な雨から)雨の降り方が強まるか、または連続的になること。

雨域
雨の区域。
用例 雨域が移る。
× 雨天 雨の天気。

線状降水帯
次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域。
※ 「線状降水帯」というキーワードを使って解説する「顕著な大雨に関する気象情報」は次の基準により発表する。
現在、10分先、20分先、30分先のいずれかにおいて、以下の基準をすべて満たす場合に発表。
  1. 前3時間積算降水量(5kmメッシュ)が100mm以上の分布域の面積が500km2以上
  2. 1.の形状が線状(長軸・短軸比2.5以上)
  3. 1.の領域内の前3時間積算降水量最大値が150mm以上
  4. 1.の領域内の土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)において土砂災害警戒情報の基準を超過(かつ大雨特別警報の土壌雨量指数基準値への到達割合8割以上)又は洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)において警報基準を大きく超過した基準を超過
用例 ○○地方では、線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いている。
備考 「線状降水帯」という用語は専門家の間でも様々な定義が使われているが、気象庁が発表する「顕著な大雨に関する気象情報」の中では上記の「※」部分で示す意味で用いている。
参考資料:顕著な大雨に関する気象情報について

暴風雨
暴風に雨を伴うもの。
備考 海上予報文で用いる。それ以外の天気予報文では、「暴風」と「暴風雨」が混同される可能性がある(特に音声伝達の場合)ため、天気予報文としては用いず、風と雨について個別に強さを示す。
例えば、「××の風が非常に強く、雨も強く降る」。また、解説用語として音声で「暴風雨」を用いる場合は「暴風」と混同されないように、雨の強さを具体的に示すなどして用いる。
雨の強さに関する用語
分類 用語 区分 説明

豪雨
著しい災害が発生した顕著な大雨現象。
用例 「○○豪雨に匹敵する大雨」等著しい災害が発生し命名された大雨災害の名称か、もしくは地域的に定着している災害の通称(例:東海豪雨)の名称を引用する形で用いる。一般に発表する予報や警報、気象情報等では、「豪雨」単独では用いない。
備考 a)著しい災害とは、激甚災害、命名された大雨災害。
b)既に命名された現象もしくはそれに匹敵する過去事象に対する使用に限定する。
c)命名の目安は「浸水家屋10000棟」等。
集中豪雨
同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨。
備考 積乱雲が同じ場所で次々と発生・発達を繰り返すことにより起き、重大な土砂災害や家屋浸水等の災害を引き起こす。

局地的大雨
急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨。「局地的な大雨」とも言う。
備考 単独の積乱雲が発達することによって起き、大雨や洪水の注意報・警報が発表される気象状態でなくても、急な強い雨のため河川や水路等が短時間に増水する等、急激な状況変化により重大な事故を引き起こすことがある。
× ゲリラ豪雨 局地的大雨、集中豪雨など。

雨の強さ 備考 予報用語でいう「雨の強さ」は、解説表に従って決めており、地上気象観測指針でいう「降雨強度」とは必ずしも対応しない。

弱い雨
1時間雨量が3mm未満の強さの雨。
備考 「弱い雨」は「小雨」を含む。

やや強い雨
1時間に10mm以上20mm未満の雨。

強い雨
1時間に20mm以上30mm未満の雨。
用例 ○○地方では5時から6時までの1時間に20mmの強い雨が降っています。

激しい雨
1時間に30mm以上50mm未満の雨。
用例 ○○市付近では1時間におよそ40mmの激しい雨となっています。

非常に激しい雨
1時間に50mm以上80mm未満の雨。

猛烈な雨
1時間に80mm以上の雨。

大雨
災害が発生するおそれのある雨。
備考 気象庁HPの過去の気象データ検索の天気概況については、該当期間に30mm以上の雨の場合に記述される。

小雨
数時間続いても雨量が1mmに達しないくらいの雨。
小雨がぱらつく
小雨が断続的に降る状態。

雨が強くなる
「強い雨」が降るようになること。

雨が激しくなる
「激しい雨」が降るようになること。

まとまった雨(雪)
季節予報で少雨(雪)の状態が続いているときに、一時的にせよその状態が緩和されると期待されるときに用いる。
備考 季節予報で用いる。

少雨傾向 備考 a) 季節予報では対象期間、対象地域のかなりの部分で降水量が「少ない」状態。
b) 明らかに少ない状態の場合は「傾向」は付加しない。
雪に関する用語
分類 用語 区分 説明

用例 雪が降る。雪が積もる。雪が解ける。(雨が)雪に変わる。雪の日。雪の天気。

みぞれ
雨と雪が混在して降る降水。
備考 「みぞれ」を予報することは難しいので、予報文では「雨か雪」、「雪か雨」と表現することが多い。
天気分布予報や地域時系列予報では、「雨か雪」と「雪か雨」を合わせたものを「雨または雪」と表現する。
× みぞれ混じりの雪(雨) みぞれ。

あられ
雲から落下する白色不透明・半透明または透明な氷の粒で、直径が5mm未満のもの。
備考 a) 直径5mm以上は「ひょう」とする。
b)「雪あられ」と「氷あられ」とがある。予報文では、「雪あられ」は雪、「氷あられ」は雨に含める。
凍雨
雨滴が凍って落下する透明の氷の粒。
備考 透明な氷粒であるが、予報文では「雪」として扱う。
細氷(ダイヤモンドダスト)
大気中の水蒸気が昇華し、ゆっくりと降下する微細な氷の結晶。
氷霧
微細な氷の結晶が大気中に浮遊して視程が1km未満となっている状態。予報では「霧」とする。
備考 「こおりぎり」と読む。

ふぶき
「やや強い風」程度以上の風が雪を伴って吹く状態。降雪がある場合と、降雪はないが積もった雪が風に舞上げられる場合(地ふぶき)とがある。
用例 ふぶく、ふぶきになる、ふぶきがおさまる。
備考 視程の障害を伴う。
(吹雪)とも書く。

地ふぶき
積もった雪が風のために空中に吹き上げられる現象。
用例 地ふぶきのため見通しが悪い。
備考 (地吹雪)とも書く。
(非常に)風が強く、地ふぶきによる視程障害や吹きだまりによる交通障害の発生する可能性がある場合には、暴風雪警報、風雪注意報を発表する。

猛ふぶき
強い風以上の風を伴うふぶき。
備考 著しい視程の障害を伴う。
(猛吹雪)とも書く。

風雪
雪を伴った風。

風雪強い
強い風に雪を伴うもの。ただし、暴風雪となる場合を除く。

ホワイトアウト
視界が白一色になる現象であり,吹雪や降雪時において、視程より近い距離に雪以外に識別できる地物が無い状況。
備考 ホワイトアウトにより方向感覚がなくなり、自分の位置がわからなくなる。

しぐれ
大陸からの寒気が日本海や東シナ海の海面で暖められて発生した対流雲が次々に通るために晴れや曇りが繰り返し、断続的に雨や雪の降る状態。「通り雨」として用いられる場合もある。
用例 北陸地方ではしぐれる。
備考 主に晩秋から初冬にかけて、北陸から山陰地方や九州の西岸などで使われる。関東地方では後者の意味で用いられる。
山雪
山地に比較的多く降る雪。
里雪
山地に加えて平野部でも多く降る雪。
備考 「山雪」、「里雪」は北陸を中心に使われており、季節風による雪の降り方を表す。

着氷(船体着氷)
水滴が地物に付いて凍結する現象。海上で低温と風により波しぶき、雨や霧が船体に付着し、凍結する現象を特に「船体着氷」という。
備考 航空機にも発現する場合がある。

着雪
湿った雪が電線や樹木などに付着する現象。

落雪
屋根等に積もった雪が落下すること。
備考 大雪や、気温が上昇し雪解けが進むようなとき、天気概況や気象情報の本文で、「屋根からの落雪にも注意してください」等の表現で使用する。

融雪
積雪が大雨や気温の上昇により解ける現象。
備考 風が強いと解けやすくなる。
湿り雪
含水率の大きい雪。大きな雪片となりやすく、着雪の被害を起こしやすい。
備考 予報用語としては、「湿った(重い)雪」などの平易な用語を用いる。ただし、北日本など「湿り雪」という用語が一般に浸透している所では用いることもある。

なだれ
山などの斜面に積もった雪が、重力により崩れ落ちる現象。表層なだれと全層なだれとがある。

暴風雪
暴風に雪を伴うもの。
用例 暴風雪となる。
備考 「暴風雪がおさまる」は、解釈上曖眛さを生じるので解説する場合は雪と風を分けて述べることが望ましい。例えば、「非常に強い風はおさまるが、雪は降り続く」。
雪の強さに関する用語
分類 用語 区分 説明

豪雪
著しい災害が発生した顕著な大雪現象。
用例 昭和38年1月豪雪、平成18年豪雪。
備考 豪雨に準じた用い方をする。

大雪
大雪注意報基準以上の雪。季節予報および天候情報においては、数日以上にわたる降雪により、社会的に大きな影響をもたらすおそれのある雪。
備考 気象庁HPの過去の気象データ検索の天気概況については、該当期間に北海道内の気象官署と青森、秋田、盛岡、山形、新潟、金沢、富山、長野、福井、鳥取および松江の各官署においては概ね20cm以上、その他の官署では概ね10cm以上の降雪の場合に記述される。

強い雪
降雪量がおよそ3cm/h以上の雪。

弱い雪
降雪量がおよそ1cm/hに達しない雪。

小雪
数時間降り続いても、降水量として1mmに達しない雪。
備考 北日本や日本海側の地方で「小雪」の表現が適切でないときは、「雪」の表現を用いることもある。
小雪がちらつく
微量の雪が降ること。
雨、雪の量的表現に関する用語
分類 用語 区分 説明

雨量 用例 総雨量。××日の雨量。
備考 雨量を観測(予報)した時間または時刻を明確にする。

降水量 備考 雨と雪の場合を一括して扱うときに用いる。

××時間雨量 用例 ××時までの××時間雨量。

××時間降水量 用例 ××時までの××時間降水量。

日雨量 用例 ××日の日雨量は××ミリ(日界は0時)。

雨日数 備考 a) 音声伝達では「雨の降った日数」を用いる。
b) 雨量の基準値を明確にして「××mm以上の雨の降った日数」のように用いる。
c) 季節予報では、日降水量10mm以上の日数を「雨日数」としている。

雪日数 備考 a) 音声伝達では「雪の降った日数」を用いる。
b) 降雪量の基準値を明確にして「××cm以上の雪の降った日数」のように用いる。

降雪 用例 降雪がある。降雪の深さ。
備考 やや専門的な用語なので「雪が降る」などの説明を付ける。

降雪の深さ
一定の期間内に積もった雪の深さ(cm単位)。
備考 期間を明記する。府県気象情報等ではアメダスの積雪深計についても積雪差の正の値の合計を「降雪の深さ」として用いる。

降雪量
降雪の深さ(cm単位)。

××時間降雪量 用例 ××時までの××時間降雪量。

積雪の深さ
積もった雪の深さ(cm単位)。

積雪
地表面などに堆積している雪やあられ。
備考 「積雪0cm」とは、露場(観測を行う場所)の地面の半ば以上を雪が覆う現象。「積雪なし」とは、露場の地面に雪が全くないか、または半ば以上を覆っていない状態。
× 新積雪 降雪の深さ。

最深積雪 用例 この冬(××年)の最深積雪は××センチ。
× 積雪量 備考 音声伝達でわかりにくいので使用しない。
「積雪の深さ(cm単位)」を用いる。
にわか雨(雪)に関する用語
分類 用語 区分 説明

所によりにわか雨 備考 しゅう雨性の雨と特定できる場合に用いる。

所により一時雨 備考 しゅう雨性以外の雨またはしゅう雨性の雨と特定できない場合に用いる。

にわか雨
降水が地域的に散発する一過性の雨。
備考 「にわか雨」のなかには「一時的に降る雨」という意味が含まれているので、冬期の日本海側において、対流雲が次々と通り、晴れとしゅう雨(雪)が繰り返すような現象に対しては「にわか雨(雪)」は用いない。
× 時々にわか雨 時々雨または、時々小雨。
備考 「にわか雨」のなかには「一時的に降る雨」という意味が含まれている。

にわか雪
降水がしゅう雪性であって、地域的に散発する一過性の雪。
備考 「にわか雪」のなかには「一時的に降る雪」という意味が含まれている。
× 時々にわか雪 時々雪、または時々小雪。
しゅう雨
対流性の雲から降る雨。
備考 a) 音声伝達では「にわか雨」、「雨」を用いる。
b) 広域の長時間にわたる「しゅう雨」は「雨」とする。
しゅう雪
対流性の雲から降る雪。
備考 a) 音声伝達では「にわか雪」、「雪」を用いる。
b) 広域の長時間にわたる「しゅう雪」は「雪」とする。

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