分類
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用語
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区分
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説明
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前線
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寒気団と暖気団との境界線で、風向、風速の変化や降水を伴っていることが多い。前線はその動きと構造によって温暖、寒冷、閉塞、停滞の4種類に分けられる。
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用例
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a) 前線がのびる。
b) 前線の活動が活発(前線付近で活発な降水現象が生じている、または予想される状態)。
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備考
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「のびる」に漢字は使用しない。
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温暖前線
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寒気団側へ移動する前線。通常、前線の通過後に気温が上がる。
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寒冷前線
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暖気団側へ移動する前線。通常、前線の通過後に気温が下がる。
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停滞前線
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ほぼ同じ位置にとどまっている前線。
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閉塞前線
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寒冷前線の移動が速くなり温暖前線に追いついた前線。
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×
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不連続線
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広義には、温度、湿度、風向、風速などが急に変化するところを結んだ線で、前線と同義として用いられる場合もある。特に前線と区別する場合は、温度の変化が小さいが湿度や風の変化が大きいところに対して用いる。
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△
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シアーライン
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風向、風速(どちらか一方でも良い)が急に変化しているところを結んだ線。総観規模の前線には大きな風のシアーがあるが、通常はメソスケールの現象に対して用いる。
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△
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収束線
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風が収束しているところを結んだ線。通常はメソスケールの現象に対して用いる。
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△
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強い前線
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水平温度傾度が特に大きい前線。強い雨や雷、突風を伴うことが多い。
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×
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前線が活発
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→
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前線の活動が活発。
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×
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前線を刺激する
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→
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前線の活動が活発。
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△
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前線帯
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2つの気団の境界の領域。一般に、100km以上の幅を持っている。
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×
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前線帯となる
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→
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前線が停滞する。前線が形成されやすい。
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△
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前線上の波動
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前線上に発生し、前線上を移動する小さな低圧部で、天気図上では前線が北へふくらんだように描かれる。
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梅雨前線
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春から盛夏への季節の移行期に、日本から中国大陸付近に出現する停滞前線で、一般的には、南北振動を繰り返しながら沖縄地方から東北地方へゆっくり北上する。
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秋雨前線
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夏から秋への季節の移行期に、日本付近に出現して、長雨をもたらす停滞前線。
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△
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寒帯前線
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高緯度の寒気団と中緯度の暖気団との間の前線の総称。
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△
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熱帯収束帯
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南北両半球からの貿易風が合流する帯状の境界。
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備考
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「赤道前線」は同じ意味。
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△
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日本海寒帯気団収束帯 (JPCZ)
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冬に日本海で、寒気の吹き出しに伴って形成される。水平スケールが1000km程度の収束帯。この収束帯に伴う帯状の雲域を、「帯状雲」と呼ぶ。強い冬型の気圧配置や上空の寒気が流れ込む時に、この収束帯付近で対流雲が組織的に発達し、本州日本海側の地域では局地的に大雪となることがある。Japan sea Polar air mass Convergence Zone
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分類
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用語
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区分
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説明
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気圧配置
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高気圧、低気圧、前線などの位置関係。
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西高東低の気圧配置
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日本付近から見て西が高く東が低い気圧配置。冬期に典型的に現れる気圧配置。
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南高北低の気圧配置
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日本付近から見て南が高く北が低い気圧配置。夏期に典型的に現れる気圧配置。
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冬型の気圧配置
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大陸に高気圧、日本の東の海上から千島列島・オホーツク海方面に発達した低気圧がある気圧配置。
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用例
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冬型の気圧配置が強まる(緩む、弱まる)。
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備考
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大雪警報や暴風雪警報が対象とする程度の現象を伴う場合は、「強い冬型の気圧配置」といった表現を用いても良い。時間的、空間的に小さな西高東低の気圧配置は「冬型の気圧配置」とはいわない。
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×
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冬型
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→
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冬型の気圧配置。
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備考
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梅雨型、夏型などについても同様に「気圧配置」を付けて用いる。
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△
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梅雨型の気圧配置
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オホーツク海方面にオホーツク海高気圧、日本の南に太平洋高気圧があって、日本付近に前線が停滞する気圧配置。
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△
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夏型の気圧配置
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日本の南または南東海上に太平洋高気圧があって日本付近を覆い、大陸が低気圧となっている気圧配置。
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△
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北高型の気圧配置
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それぞれの地方から見て高気圧が北の方にあり、その地方の南に低気圧や前線がある気圧配置。
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備考
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「高気圧が××地方より北にある、いわゆる北高型の気圧配置」などと説明を付ける。
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△
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暖気移流
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相対的に暖気団側から寒気団側へ向かって風が吹き、温暖な気塊が、寒気に覆われていた空(地)域に流入すること。
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△
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寒気移流
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相対的に寒気団側から暖気団側へ向かって風が吹き、寒冷な気塊が、暖気に覆われていた空(地)域に流入すること。
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△
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じょう乱
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一般には定常状態からの乱れをいう。気象学ではかなり広義に用いられている。例えば、 a)低気圧。 b)まとまった雲や降水などを伴う大気の乱れ。c)定常状態からの大気の偏り。
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△
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熱帯じょう乱
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熱帯または亜熱帯に発生するじょう乱の総称で、広義の熱帯低気圧(台風やハリケーンなど風が強いものを含む)と、一般に低圧部として解析される低気圧性循環が明瞭でないじょう乱を含めていう。
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△
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高層天気図
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特定の高度や気圧面における気象要素の分布図。気象庁では300、500、700、850hPaなどの等圧面天気図を作成している。
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→
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「上空約5500mの天気図」などという。
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数値予報天気図
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物理学の方程式に基づき作成した予想天気図。
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北緯(東経)××度××分
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備考
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北緯(東経)の10分位をいう場合は原則として「分」を用い、分は5分単位とする。
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分類
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用語
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区分
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説明
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発達した低気圧
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中心気圧または最大風速からみて、最盛期または衰弱期にある低気圧のこと。海上警報においては、最大風速34ノット以上の風を伴う低気圧を指す。
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発達中の低気圧
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中心気圧または最大風速からみて、今後、中心気圧が下がるか、または最大風速が増すことが予想される低気圧のこと。海上警報においては、最大風速が34ノットになると予想される、または34ノット以上の風を伴う低気圧を指す。
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急速に発達する
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低気圧や台風の中心気圧が12(24)時間以内におよそ10(20)hPa以上下がること。
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×
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発達した高気圧
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→
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優勢な高気圧。
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×
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高気圧が発達する
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→
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高気圧が勢力を強める。
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高気圧が張り出す
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高気圧が勢力を拡げる。
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加速(減速)する
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備考
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発表文には、現在の速度の2割の加(減)速を目安として用いる。
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ゆっくり(移動)
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速度が5ノット(9km/h)以下で移動していること。
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用例
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ゆっくり東へ移動。
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備考
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方向を示して用いる。
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(ほとんど)停滞
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速度が5ノット(9km/h)以下で移動方向が明らかでないこと。
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備考
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「停滞」または「ほとんど停滞」として用いる。ただし、暴風域を伴っている低気圧や台風については「停滞」は用いず、「ほとんど停滞」とする。
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×
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(低気圧が)分裂する
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→
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(低気圧が)2つ(またはそれ以上)に分かれる。
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×
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(低気圧が)合併する
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→
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(2つ以上の低気圧が)1つにまとまる。
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×
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北偏する
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→
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北に偏る。
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東(西)進する
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東(西)へ進むこと。
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北上(南下)する
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北(南)へ進むこと。
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用例
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台風が北上している。前線が本州を南下する。
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△
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ループを描く
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進路を180度以上変えて、もと来た経路と交差するようになること。
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転向する
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台風の進路の方向が、偏西風の影響下に入り、西向きから北又は東向きに変わること。
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△
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補外する
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これまでの動きから今後の動きを推定すること。
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横断、縦断
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一般には、横または東西の方向に横切ることを横断、縦または南北の方向に通り抜けることを縦断と言う。
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備考
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日本列島は弓なりになっており、地域によっては違和感を生ずる場合がある。横断、縦断を用いる場合は、利用者が混乱しないように留意し、必要に応じて台風の上陸地点、通過地域、方向などを具体的に示す。
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