地域に関する用語
分類 | 用語 | 区分 | 説明 |
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海上 | 「陸上」に相対する用語で、一般には海面から上をいう。風、視程、天気などの現象を述べるときに用いる。 | ||
備考 | 波浪は海面の現象であるが、慣例として「海上」の現象としている。 | ||
海岸(地方) | 陸と海の相接する地帯。 | ||
備考 | 「沿岸」より狭い地帯に用いる。海岸線から××km以内とは定め難く、また海陸風の及ぶ区域全部を「海岸」とすることには無理がある。
風・気温などの気象要素に、海・陸の影響がある程度及ぶ区域は「沿岸」を用いたほうがよい。 |
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沿岸(部) | 海岸線の両側のある広さを持った地域と水域。 | ||
沿岸の海域 | 海岸線からおおむね20海里(約37km)以内の水域。 | ||
備考 | 海岸線を持つ予報区には「沿岸の海域」が含まれることを、天気予報、注意報・警報では留意する。 | ||
沖 | 海などで岸から遠く離れたところ。 | ||
備考 | 海の場合「沿岸の海域」とその外側を含めた水域のうち、陸地の影響の少なくなった水域に用いる。府県予報区では、「沿岸の海域」内を「海岸」に近い海域と「沖」に分けることになる。ただし、地形(半島、岬など)や風向によって、風速、波浪などの発現域が異なることから、境界を具体的に定めることはできない。 | ||
沖合 | 沖の方。 | ||
備考 | 「沖」と同義。 | ||
内陸 | 海岸(地方)に対して、海から遠く離れた地帯。「沿岸(部)」を除く。 | ||
平野部 | 起伏の極めて少ない地帯。盆地を除く。 | ||
平地 | 「平野」と「大きな盆地」。「山地」に相対する用語。 | ||
山岳部 | 平野部に対して山地の部分。 | ||
山地 | 山の多いところ。「平地」に相対する用語。 | ||
山沿い | 山に沿った地域。平野から山に移る地帯。 | ||
山間部 | 山と山の間の地域。 | ||
備考 | a)「山沿い」、「山間部」ともに霜、なだれ、気温、雨、雪の分布に用いる用語である。季節によっては人々の活動範囲が広がるため、注意報・警報では予報の「山沿い」、「山間部」などよりも対象高度を上げなければならないことがある。
b)「平地」に対しては「山地」、「平野部」に対しては「山岳部」と「山間部」が相対する。「平地」には「平野」と「大きな盆地」が含まれるので、「平地」は「平野部」よりは適用範囲が広い。 c)「山地」は「山岳部」と「山間部」を含み、このうち人が定住し、活動の多いところが「山間部」である。また、「山沿い」は「平地」から「山地」へ、あるいは「平野部」から「山岳部」へ移る地帯をいう。 |
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全般に | 「全国的に」、「広い範囲」など、広い地域を対象とするときに用いる。 | ||
備考 | a) 支障がない場合には、「全国的に」、「広い範囲で」などを用いる。 b)「全般」は全国予報区、全般海上予報区を対象に行う予報、警報、情報などの名称に用いる。 例 全般気象情報、全般海上警報 c) 音声伝達の際は「前半(ゼンハン)」とまぎらわしいので注意する。 |
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局地的 | (府県予報区の)細分区域内のごく限られた範囲。 | ||
用例 | 局地的な大雨。 | ||
多雪地域(地帯) | 雪の多く積もっている地域(地帯)。 | ||
用例 | 多雪地域(地帯)では、なだれに注意。 | ||
△ | 豪雪地帯 | 豪雪地帯対策特別措置法によって指定されている、冬期に大量の積雪がある地域。 | |
備考 | 北海道から山陰までの24道府県が対象。 | ||
南岸 | 用例 | 日本の南岸。 | |
備考 | a) どこの南岸かを明示する。 b) 陸上ばかりでなく沿岸の海域も含むものとする。 |
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方面 | ある領域とその周辺を含む地域または海域。 | ||
用例 | 北日本方面。アリューシャン方面。 | ||
ところどころ | ある現象が散発して発生しているとき、それらの状況を総括的に表現する場合に用いる。 その発現域の合計面積が、対象予報区全体の50%未満である。 |
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用例 | ところどころで霧が発生している。 | ||
備考 | (所々)とも書く。 実況に対して用い、予報に対しては「所により」を用いる。 |
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所により | 現象が地域的に散在し、複数の地域を指定して表現することで冗長な表現になる場合に用いる。 その発現域の合計面積が、対象予報区全体の50%未満である。 |
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備考 | 予報に対して用い、実況に対しては「ところどころ」を用いる。 天気概況などで必要に応じ、「・・‥所がある」のような言い換えもする。たとえば、「所により雷を伴う」は「雷を伴う所がある」とすることもある。 |