気象業務はいま 2026

はじめに

 令和7年(2025年)は気象庁にとって大きな節目の年となりました。明治8年(1875年)に気象業務を開始してから150年を迎えたのです。令和7年6月2日には天皇陛下のご臨席を仰ぎ、記念式典が行われました。我々はこれまでの気象業務を振り返り、先輩たちの偉業をたたえるとともに、歴史的ないきさつからこれまでそのままになっていたものを、新たな時代のために改善しなければ、と決心いたしました。

 このようななか、昨年度は重要な業務に関して検討会が開かれ、また、法改正も行われ、いくつかの重要業務の変更の準備が整いました。これを受け、令和8年度(2026年度)は新たなスタート、改善実施の年となります

 そのうちの一つが防災気象情報の改善です。令和6年度(2024年度)に示された検討会の提言をもとに、それを行うための気象業務法及び水防法の一部改正が、令和7年秋の第219回国会(臨時会)にて行われ、令和8年5月29日に新たな防災気象情報の運用開始となりました。この変更は、避難に資するため、警戒レベルとの関係がより明確にわかるように名称を変えるとともに、基準も災害との関係がより強い指標に変わるなど、防災対応を意識した改善となりました。

 また、地域防災支援業務についても令和7年度に検討会が開催され、気象台がどの組織をどのように支援すればよいかについて議論が行われ、令和8年1月に提言が出されました。これまでの大災害の経験等から、都道府県の災害対策本部会議へ継続的に支援を行うことの重要性が改めて指摘され、また、公共性の高い民間主体への支援の必要性も指摘されました。このような提言に沿った運用を実現するために、気象台のあり方も含めて変更を一つ一つ実現していくことになります。

 他にも、台風情報の高度化に関する検討会は令和7年度に提言が出され、1週間から数か月先の情報の高度化に関する検討会は令和7年度末から開始されました。そして、AIについても導入のための開発が急ピッチで進められています。「気象業務はいま2026」に目を通していただき、気象業務が大きく発展していることを実感していただければ幸いです。



令和8年6月1日

気象庁長官 野村 竜一

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