キーワードを入力し検索ボタンを押下ください。

平成27年10月の地震活動及び火山活動について

報道発表日

平成27年11月10日

概要

平成27年10月の地震活動及び火山活動について解説します。

本文

  • 地震活動
    • 全国の地震活動
       震度5弱以上を観測した地震及び津波を観測した地震はありませんでした。
       全国で震度3以上を観測した地震の回数は17回、日本及びその周辺におけるM4.0 以上の地震の回数は73回でした。

    • 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震活動
       「平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震」の余震は、次第に少なくなってきているものの、当分の間、本震発生前に比べ活発な地震活動が続くと考えられ、注意が必要です。最大震度4以上を観測した地震が1回、震度1以上を観測した地震は65回発生するなど、引き続き岩手県から千葉県北東部にかけての沿岸及びその沖合の広い範囲で発生しました。

  • 火山活動
     口永良部島では、火山活動が高まる傾向はみられず、5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっていることから、21日18時00分に噴火警戒レベル5(避難)を切替えました。噴火に伴う大きな噴石の飛散が予想される新岳火口から概ね2kmの範囲、及び火砕流の流下による影響が及ぶと予想される新岳火口の西側の概ね2.5kmの範囲では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。
     桜島では低調な火山活動となっていますが、今後も活発な噴火活動が継続すると考えられますので、今後の火山活動の推移に注意してください。昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
     阿蘇山の中岳第一火口では、活発な火山活動が続いており、当分の間は9月14日と同程度の噴火が発生する可能性があります。火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意してください。
     西之島では、今後も新たに形成された陸地にある火口で噴火活動が継続すると考えられます。西之島の中心から概ね4km以内では噴火に警戒してください。
     雌阿寒岳では、現地調査及び上空からの観測により、ポンマチネシリ第4火口の火口壁における地熱域のわずかな拡大や、96-1火口の噴煙の勢いの増大を確認しました。全磁力連続観測では、ポンマチネシリ96-1火口近傍の地下における熱活動の活発化の可能性を示す全磁力の変化が継続しています。ポンマチネシリ火口から約500mの範囲では、ごく小さな噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
     吾妻山では、大穴火口からの噴気活動はやや活発な状態が続いています。現地調査では、大穴火口内及びその周辺で2013年以降拡大がみられている地熱域を引き続き確認し、全磁力繰り返し観測では、大穴火口周辺の地下での熱活動が活発化している可能性が考えられるデータを引き続き観測しました。大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
     草津白根山では、現地調査及び上空からの観測で、湯釜火口内北東部や北壁及び水釜火口の北から北東側にあたる斜面で熱活動の活発な状態の継続と北側噴気地帯で噴気活動が活発化しているのが認められました。また、東京工業大学によると、北側噴気地帯のガス組成及び湯釜湖水の化学成分に火山活動の活発化を示す変化が継続しています。湯釜火口から概ね1kmの範囲では、小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
     浅間山では、6月19日の噴火以降、噴火は観測されていません。山頂直下のごく浅い所を震源とする体に感じない火山性地震は多い状態が続いています。また、二酸化硫黄の放出量も多い状態で経過しており、引き続き火山活動はやや高まった状態で経過しています。上空からの観測では、山頂火口内の火口底中央部及びその周辺に高温領域が引き続き認められました。今後も火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、山頂火口から概ね2kmの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。
     御嶽山では、現地調査で火口列からの噴煙活動を確認しました。地震活動は低下した状態で経過していますが、昨年(2014年)8月以前の状況には戻っていません。御嶽山の火山活動は低下した状態が続き、昨年10月以降噴火が発生していないことから、昨年9月27日と同程度の噴火の可能性は低下していると考えられます。一方、火口列からの噴煙活動や地震活動が続いていることから、昨年9月27日よりも規模の小さな噴火が今後も突発的に発生する可能性は否定できません。火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
     箱根山では、大涌谷で7月1日に発生した噴火以降、噴火は観測されていません。火山性地震は少ない状態で経過しています。GNSS連続観測でみられていた箱根山を挟む基線での伸びは8月下旬頃から停滞しています。地震活動には引き続き低下傾向がみられるものの、4月の活動活発化以前の程度に戻るまでは、引き続き大涌谷周辺の火口や噴気孔での小規模な噴火の可能性があると考えられます。また、噴気活動も緩やかな低下傾向がみられるものの活発な状態です。大涌谷周辺の想定火口域では、小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
     霧島山(新燃岳)では、火口直下を震源とする火山性地震が時々発生しました。GNSS観測によると、新燃岳の北西数㎞の地下深くにあると考えられるマグマだまりの膨張を示す地殻変動は、2015年1月頃から停滞しています。一方、新燃岳周辺の一部の基線では、わずかに伸びの傾向がみられます。火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
    諏訪之瀬島の御岳火口では、2日と13日及び31日に噴火が発生しました。今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。

     その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。

問い合わせ先

地震:地震火山部管理課 電話 03-3212-8341(内線 4581)
火山:地震火山部火山課 電話 03-3212-8341(内線 4538)

資料全文

参考資料




国土地理院のGNSSによる地殻変動観測については、 国土地理院ホームページの記者発表資料 を参照ください。

Adobe Reader

このサイトには、Adobe社Adobe Readerが必要なページがあります。
お持ちでない方は左のアイコンよりダウンロードをお願いいたします。

このページのトップへ