特別警報、警報、注意報、気象情報

特別警報、警報、注意報、気象情報
分類 用語 区分 説明

特別警報
予想される現象が特に異常であるため重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合に、その旨を示して行う警報。
気象、土砂崩れ、高潮、波浪の特別警報がある。気象特別警報には暴風、暴風雪、大雨、大雪の特別警報がある。
備考 土砂崩れ特別警報については、大雨特別警報に含めて発表する。
基準:特別警報の基準による。

特別警報級
特別警報基準以上。
用例 「特別警報級の勢力の台風」、「特別警報級の大雨」。

警報
重大な災害の起こるおそれのある旨を警告して行う予報。
気象、土砂崩れ、高潮、波浪、浸水、洪水の警報がある。気象警報には暴風、暴風雪、大雨、大雪の警報がある。
備考 地方気象台などが、府県予報区の二次細分区域に限定して、定められた基準をもとに発表する。
土砂崩れ警報は大雨警報に、浸水警報は大雨特別警報又は大雨警報に含めて発表する。

警報級
警報基準以上。
用例 「警報級の大雨」、「警報級の大雪」、「警報級の高波」。

注意報
災害が起るおそれがある場合にその旨を注意して行う予報。
気象、土砂崩れ、高潮、波浪、浸水、洪水の注意報がある。気象注意報には風雪、強風、大雨、大雪、雷、乾燥、濃霧、霜、なだれ、低温、着雪、着氷、融雪の注意報がある。
備考 地方気象台などが、府県予報区の二次細分区域に限定して、定められた基準をもとに発表する。
土砂崩れ注意報は、その原因となる現象によって、大雨注意報、なだれ注意報又は融雪注意報に、浸水注意報は、その原因となる現象によって大雨注意報又は融雪注意報に含めて発表する。

注意報級
注意報基準以上、警報基準未満。
用例 「注意報級の大雨」、「注意報級の大雪」、「注意報級の高波」。

土砂崩れ特別警報
大雨、大雪等による崖崩れ、土石流等の土砂崩れに関する特別警報。
備考 (土砂崩れ特別警報、警報、注意報共通)
土砂崩れ特別警報は大雨特別警報に、土砂崩れ警報は大雨警報に、土砂崩れ注意報は、その原因となる現象によって、大雨注意報、なだれ注意報又は融雪注意報に含めて発表する。

土砂崩れ警報
大雨、大雪等による崖崩れ、土石流等の土砂崩れに関する警報。
備考 「土砂崩れ特別警報」の備考欄参照。

土砂崩れ注意報
大雨、大雪等による崖崩れ、土石流等の土砂崩れに関する注意報。
備考 「土砂崩れ特別警報」の備考欄参照。

高潮特別警報
台風等による海面の異常上昇に関する特別警報。
備考 基準:特別警報の基準による。
(高潮特別警報、警報、注意報共通)
高潮災害には、海岸付近の低い土地の浸水のほか、防潮堤・港湾施設などの損壊、船舶などの流出などがある。「異常潮位」「副振動」によるものを含む。

高潮警報
台風等による海面の異常上昇に関する警報。
備考 「高潮特別警報」の備考欄参照。

高潮注意報
台風等による海面の異常上昇に関する注意報。
備考 「高潮特別警報」の備考欄参照。

波浪特別警報
風浪、うねり等に関する特別警報。
備考 基準:特別警報の基準による。

波浪警報
風浪、うねり等に関する警報。

波浪注意報
風浪、うねり等に関する注意報。

浸水警報
浸水に関する警報。
備考 (浸水警報、注意報共通)
a) 大雨、長雨、融雪等の現象により、低い土地、田畑等に浸水し、若しくは冠水し、又は下水道が溢(いっ)水し、若しくは氾(はん)濫する等によって重大な災害が起こるおそれがある場合には警報を、災害が起こるおそれがある場合には注意報を発表する。
b) 浸水警報は大雨特別警報又は大雨警報に、浸水注意報は、その原因となる現象によって大雨注意報又は融雪注意報に含めて発表する。
c) 河川の水が増し、堤防やダムが損傷を受けること(破堤、溢水を含む)により低い土地に浸水すること等によって、災害が起こるおそれのある場合は、浸水警報・注意報ではなく洪水警報等により警戒等を呼びかける。
d) 津波または高潮のため、海岸付近の低い土地に浸水することによって、災害が起こるおそれのある場合は、浸水警報・注意報ではなく津波または高潮の警報等により警戒等を呼びかける。

浸水注意報
浸水に関する注意報。
備考 「浸水警報」の備考欄参照。

洪水警報
洪水に関する警報。
備考 (洪水警報、注意報共通)
a)大雨、長雨、融雪等の現象により河川の水が増し、そのために、河川の堤防・ダムに損傷を与える等によって重大な災害が起こるおそれがある場合には警報を、災害が起こるおそれがある場合には注意報を発表する。
b) 津波又は高潮によって河口付近の河川の水が増し、災害が起こるおそれがある場合は、洪水警報・注意報ではなく津波又は高潮の警報等により警戒等を呼びかける。

洪水注意報
洪水に関する注意報。
備考 「洪水警報」の備考欄参照。

指定河川洪水予報
洪水予報指定河川について、国土交通大臣又は都道府県知事と気象庁長官が共同して、洪水のおそれがあると認められるときに水位又は流量(国土交通大臣と気象庁長官が共同して行うものについて、氾濫した後においては、水位若しくは流量又は氾濫により浸水する区域及びその水深)を示して行う洪水に関する予報。

洪水警報(指定河川洪水予報)
洪水予報指定河川に対して行う洪水警報。○○川氾濫警戒情報、○○川氾濫危険情報または○○川氾濫発生情報との標題で発表する。

洪水注意報(指定河川洪水予報)
洪水予報指定河川に対して行う洪水注意報。○○川氾濫注意情報との標題で発表する。

○○川氾濫注意情報
住民の避難行動に関連し、河川の氾濫に対して注意を求める段階に発表される洪水予報。

○○川氾濫警戒情報
住民の避難行動に関連し、避難準備などの氾濫発生に対する警戒を求める段階に発表される洪水予報。市町村長の高齢者等避難の発令判断の目安となる情報。

○○川氾濫危険情報
住民の避難行動に関連し、いつ氾濫してもおかしくない状態、避難等の氾濫発生に対する警戒を求める段階に発表される洪水予報。市町村長の避難指示の発令判断の目安となる情報。

○○川氾濫発生情報
住民の避難行動に関連し、氾濫水への警戒を求める段階に発表される洪水予報。氾濫している地域では新たな避難行動はとらない。

暴風雪特別警報
暴風雪に関する特別警報。
備考 a)運用基準:特別警報の基準による。
b)暴風特別警報の警報事項も含む。

暴風雪警報
暴風雪に関する警報。
備考 a)運用基準:平均風速がおおむね20m/sを超え、雪を伴う場合(地方により基準値が異なる)。
b)暴風警報の警報事項も含む。

風雪注意報
風雪に関する注意報。
備考 a)運用基準:平均風速がおおむね10m/sを超え、雪を伴う場合(地方により基準値が異なる)。
b)強風注意報の注意報事項も含む。

暴風特別警報
暴風に関する特別警報。
備考 運用基準:特別警報の基準による。

暴風警報
暴風に関する警報。
備考 運用基準:平均風速がおおむね20m/sを超える場合(地方により基準値が異なる)。

強風注意報
強風に関する注意報。
備考 運用基準:平均風速がおおむね10m/sを超える場合(地方により基準値が異なる)。

大雨特別警報
大雨に関する特別警報。
備考 基準:特別警報の基準による。
(大雨特別警報、警報、注意報共通)
a)大雨が原因となる土砂崩れ又は浸水によって、災害が起こるおそれのある場合は、それぞれ、土砂崩れ警報又は浸水警報等の警報事項等を含める。
b)表面雨量指数が警報基準に到達することが予想される場合は「大雨警報(浸水害)」、土壌雨量指数が警報基準に到達すると予想される場合は「大雨警報(土砂災害)」、両指数が警報基準に到達すると予想される場合は「大雨警報(土砂災害、浸水害)」として発表する。
c)更に、特別警報の基準に到達することが予想される場合には、それぞれ、「大雨特別警報(浸水害)」、「大雨特別警報(土砂災害)」、「大雨特別警報(土砂災害、浸水害)」として発表する。
なお、大雨特別警報は、危険度分布の技術を活用し、危険度が著しく高まっている市町村等に対して発表している。

大雨警報
大雨に関する警報。
備考 「大雨特別警報」の備考欄参照。

大雨注意報
大雨に関する注意報。
備考 「大雨特別警報」の備考欄参照。

大雪特別警報
大雪に関する特別警報。
備考 運用基準:特別警報の基準による。

大雪警報
大雪に関する警報。

大雪注意報
大雪に関する注意報。

雷注意報
雷に関する注意報。
備考 運用基準:落雷または雷に伴うひょう、突風などによる災害が予想される場合。

乾燥注意報
空気の乾燥に関する注意報。
備考 運用基準:空気が乾燥し、火災の危険が大きいと予想される場合。

濃霧注意報
濃霧に関する注意報。
備考 運用基準:濃霧のため、交通機関に著しい障害が起こると予想される場合。

霜注意報
霜に関する注意報。
備考 運用基準:早霜、晩霜などによって、農作物に著しい被害が予想される場合。

なだれ注意報
なだれに関する注意報。

低温注意報
低温に関する注意報。
備考 運用基準:低温のため農作物などに著しい被害が予想される場合。冬季の水道管の凍結・破裂による著しい被害が予想される場合。

着雪注意報
着雪に関する注意報。
備考 運用基準:着雪が著しく、通信線や送電線などに被害が起こるおそれがある場合。

着氷注意報
着氷に関する注意報。
備考 運用基準:着氷が著しく、通信線や送電線などに被害が起こるおそれがある場合。北海道では、着氷注意報を「船体着氷」を指して行うことが多い。

融雪注意報
融雪に関する注意報。
備考 運用基準:浸水、土砂災害などの災害が予想される場合。

水防活動用警報
水防活動の利用に適合する警報で、重大な災害の起こるおそれがある旨を警告して行う予報。
気象、津波、高潮、洪水の警報がある。
備考 a)水防活動用警報は、水防活動用気象警報については大雨特別警報又は大雨警報、水防活動用津波警報は津波特別警報又は津波警報、水防活動用高潮警報は高潮特別警報又は高潮警報、水防活動用洪水警報は洪水警報をもって代える。
b)洪水予報指定河川に対して行う洪水警報も、水防活動の利用に適合する警報である。

水防活動用注意報
水防活動の利用に適合する注意報で、災害の起こるおそれがある場合に、その旨を注意して行う予報。
気象、津波、高潮、洪水の注意報がある。
備考 a)水防活動用注意報は、水防活動用気象注意報については大雨注意報、水防活動用津波注意報については津波注意報、水防活動用高潮注意報については高潮注意報、水防活動用洪水注意報については洪水注意報をもって代える。
b)洪水予報指定河川に対して行う洪水注意報も、水防活動の利用に適合する注意報である。

海上警報
全般海上予報区、地方海上予報区を対象とする船舶の運航に必要な海上の気象(風、霧、着氷)などに関する警報。
備考 a)海上警報には全般海上警報と地方海上警報がある。警報の種別には一般(風、濃霧、着氷)警報、強風警報、暴風警報、台風警報、警報なしがある。
b)全般海上警報は、通信衛星(インマルサット)、無線ファクシミリ(JMH)、漁業無線気象通報および漁業気象通報によって通報される。
c)地方海上警報は、海上保安庁の海岸局から無線電話、狭帯域直接印刷電信(ナブテックス)および漁業無線気象通報によって通報される。

海上風警報
海上で風速が28ノット以上34ノット未満(13.9m/s以上17.2m/s未満。風力階級は7)の状態に既になっているか、または24時間以内にその状態になると予想される場合に発表する警報。

海上強風警報
海上で風速が34ノット以上48ノット未満(17.2m/s以上24.5m/s未満。風力階級は8~9)の状態に既になっているか、または24時間以内にその状態になると予想される場合に発表する警報。

海上暴風警報
台風の場合は、海上で風速が48ノット以上64ノット未満(24.5m/s以上32.7m/s未満。風力階級は10~11)の状態に既になっているか、または24時間以内にその状態になると予想される場合に発表する警報。
温帯低気圧の場合は、海上で風速が48ノット以上(24.5m/s以上。風力階級が10以上)の状態に既になっているか、または24時間以内にその状態になると予想される場合に発表する警報。

海上台風警報
台風により、海上で風速が64ノット以上(32.7m/s以上。風力階級が12以上)の状態に既になっているか、または24時間以内にその状態になると予想される場合に発表する警報。

海上濃霧警報
海上の視程がおおむね500m(瀬戸内海では1km)以下の状態に既になっているか、または24時間以内にその状態になると予想される場合に発表する警報。

海上着氷警報
海上で低温と風により波しぶき、雨や霧が船体に付着し、凍結する状態に既になっているかまたは、24時間以内にその状態になると予想される場合に発表する警報。

気象情報
円滑な防災活動を支援するため、一般および関係機関に対して現象の経過や予想、注意すべき事項等を解説したもので、対象とする予報区により全般気象情報、地方気象情報、府県気象情報に分類する場合がある。
情報の主な種類として、台風に関する情報、大雨や暴風などに関する情報、記録的短時間大雨情報、低気圧に関する情報、少雨に関する情報、海氷情報、潮位に関する情報、黄砂に関する情報などがある。
備考 観測の成果、気象庁がその業務の実施の過程において作成した予報等に関する情報、その他、気象庁が保有する情報を総称して「気象情報」という場合がある。

天候情報
気象情報のうち、社会的に影響の大きい天候に関する情報。 少雨、長雨、低温、梅雨など比較的長期にわたる現象について注意を喚起したり、解説するために発表する。

記録的短時間大雨情報
数年に一度しか起こらないような記録的な短時間の大雨を観測し、より一層の警戒を呼びかけるときに発表する情報。
現在の降雨がその地域にとって土砂災害や浸水害、中小河川の洪水災害の発生につながるような、稀にしか観測しない雨量であることを周知するために発表するもので、大雨を観測した観測点名や市町村等を明記して発表する。

早期注意情報(警報級の可能性)
警報級の現象が5日先までに予想されるときに、その可能性を高さに応じて[高]、[中]の2段階で伝える情報。
備考 詳細はこちらを参照。

危険度を色分けした時系列
気象特別警報・警報・注意報の内容について、特別警報級、警報級、注意報級の現象が予想される時間帯を、最大24時間先まで時系列の形式で色分け表示したもの。
備考 詳細はこちらを参照。

注意警戒文
特別警報、警報・注意報のより有効な利用をはかるため、警戒すべき場所・期間・現象の程度や災害発生の危険度等を具体的に示し100文字以内でまとめたもの。

発表する 備考 特別警報、警報、注意報および気象情報の公表には「発表」を用いる。「発令」、「宣言」ではない。

切り替える 備考 特別警報、警報、注意報などの継続などには「切り替え」を用いる。「更新」は用いない。

二次細分区域
特別警報・警報・注意報の発表に用いる区域。市町村(東京特別区は区)を原則とするが、一部市町村を分割して設定している場合がある。
備考 一次細分区域は府県天気予報を細分して行う区域。

参考資料:特別警報・警報・注意報や天気予報の発表区域(細分区域等一覧表)市町村を分割して設定している二次細分区域


市町村等をまとめた地域
二次細分区域ごとに発表する特別警報・警報・注意報の発表状況を地域的に概観するために、災害特性や都道府県の防災関係機関等の管轄範囲などを考慮してまとめた区域。
備考 参考資料:特別警報・警報・注意報や天気予報の発表区域(細分区域等一覧表)発表地域図