2025年11月の東南アジアを中心とした地域での大雨について
報道発表日
令和7年12月12日
概要
2025年11月、東南アジアを中心に広い範囲で大雨となり、多い地点では総降水量が1500mmに達する大雨となり、大きな被害が発生しました。
要因としては、周辺の海面水温が高く、多量の水蒸気を含んだ気流が集まる状況にあったことが考えられます。
本文
気象庁では、世界各地の異常気象や気象災害に関する情報を収集するとともに、要因の分析も行っています。
東南アジアを中心とした地域では、11月後半は冬の雨季が始まる頃であり、今年は広範囲で大雨となりました。ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、スリランカの広範囲で総降水量が300mmを超え、多い地点では日降水量600mm、総降水量1500mmに達する大雨となり(図1、別紙A、B参照)、各地で洪水や土砂崩れ等による大きな被害が発生しました。
この大雨の要因としては、冬の雨季の始まりに加え、今年は、東南アジア周辺の海面水温が高く、多量の水蒸気を含んだ気流が東南アジア周辺に集まる状況にあったことが考えられます(図2、別紙C参照)。
また、マラッカ海峡やスリランカの南東でサイクロンが発生したことにより、その地域ではさらなる水蒸気の集中が起こり、顕著な大雨につながりました。なお、マラッカ海峡におけるサイクロンの発生は非常に稀です(別紙D、E参照)。

図1 総降水量の分布(11/15~11/29)

図2 大気・海洋の状況の概念図 ※異常気象分析検討会の協力を得て作成
問合せ先
大気海洋部 気候情報課 異常気象情報センター 藤川、竹村
電話03-6758-3900(内線4541, 4552)




