2024年の大気中二酸化炭素濃度の増加量が南鳥島で観測史上最大に

報道発表日

令和7年3月25日

概要

 日本付近の大気中の二酸化炭素濃度は年々増加を続けており、2024年も陸上及び洋上の観測において観測史上最高を更新しました。特に南鳥島では、前年からの増加量が観測史上最大となりました。

本文

 2024年の大気中の二酸化炭素濃度(年平均値)は、陸上の2地点(綾里(岩手県大船渡市)、南鳥島(東京都小笠原村))と北西太平洋域の洋上において、観測史上最高を更新しました。陸上では、観測開始(綾里は1987年、南鳥島は1993年)以来連続で記録更新を続けています。

 また、前年からの増加量は、いずれも最近10年間の平均を上回りました。特に、人為的な影響を受けにくく、全球規模の大気を代表する観測地点の一つである南鳥島では前年からの増加量が観測史上最大となり、洋上の観測でも2位を記録しました。増加量が大きくなる時期はエルニーニョ現象の発生時期におおむね対応しており、2023年春から2024年春に発生したエルニーニョ現象の影響が2024年の大きな増加量に寄与した可能性が考えられます。

 気象庁は、引き続き、地球温暖化の主要因である二酸化炭素について監視を続けてまいります。

表1 陸上の大気中二酸化炭素濃度の年平均値と増加量(速報値)

観測地点 綾里
(岩手県大船渡市)
南鳥島
(東京都小笠原村)
2024年の年平均値
前年からの増加量(カッコ内は観測開始からの順位)
427.9 ppm
+2.9 ppm/年(6位)
425.7 ppm
+3.9 ppm/年(1位)
最近10年間の平均年増加量 +2.6 ppm/年 +2.6 ppm/年

表2 洋上の大気中二酸化炭素濃度の平均値と増加量(速報値)

観測線 東経137度線 冬季(1~3月)
2024年の平均値
前年からの増加量(カッコ内は観測開始からの順位)
427.2 ppm
+4.3 ppm/年(2位)
最近10年間の平均年増加量 +2.7 ppm/年

東経137度線は北緯7度~33度で平均した値です。2024年の値は2月の観測値を使用しています。

問合せ先

大気海洋部環境・海洋気象課 電話:03-6758-3900

(陸上の二酸化炭素濃度に関すること)担当 永井(ながい)(内線4698)

(洋上の二酸化炭素濃度に関すること)担当 延与(えんよ)(内線4619)

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