鳥島近海で採取した軽石の分析結果について
報道発表日
令和5年11月9日
概要
海洋気象観測船「啓風丸」が鳥島近海で採取した軽石について、 国立大学法人東京大学地震研究所及び国立研究開発法人産業技術総合研究所の化学組成の分析によると、 伊豆弧火山フロントの西方に連なる背弧リフト帯に分布する流紋岩の特徴と類似していることが分かりました。
本文
気象庁の海洋気象観測船「啓風丸」は、10月27日、28日及び31日に、鳥島の南西約100kmの海域において軽石を採取しました(令和5年11月1日報道発表の通り)。
採取した軽石に関して、分析を依頼しました国立大学法人東京大学地震研究所及び国立研究開発法人産業技術総合研究所による分析結果がでましたのでお知らせします。
○10月27日12時頃に採取した白色の軽石
・最近の火山活動で生産された軽石と考えられる。
・化学組成は、鳥島を含む伊豆弧火山フロントの西方に連なる背弧リフト帯(鳥島凹地等)に分布する流紋岩の特徴と類似しており、
最近火山活動が確認されている福徳岡ノ場、硫黄島、海徳海山の噴出物とは異なる。
○10月27日23時頃、28日7時頃、31日9時頃に採取された灰色の軽石
・形状等からみて長期間漂流していたものと推定され、最近の火山活動で生産された軽石ではないと考えられる。
今回見つかった軽石と周辺の火山活動や地震活動との関連については現時点では不明ですが、
気象庁では引き続き火山活動及び地震活動について監視し、変化が認められた場合には噴火警報等を発表してまいります。
分析結果の詳細については両機関のホームページをご覧ください。
・東京大学地震研究所
https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/eq/20272/
・産業技術総合研究所
https://www.gsj.jp/hazards/volcano/index.html
【関連報道発表】
令和5年11月1日 海洋気象観測船「啓風丸」による鳥島近海での軽石の採取について
https://www.jma.go.jp/jma/press/2311/01b/20231101_keihu-karuishi.html
問合せ先
地震火山部火山監視課 担当 長谷川、山里
電話 03-6758-3900(内線 5186、5187)