2019年の天候と台風のまとめ(速報)
報道発表日
令和元年12月23日
概要
- 日本では、年平均気温が1898年の統計開始以降で最も高くなる見込みです。また、台風第15号、台風第19号の接近・通過に伴い、北・東日本で記録的な暴風、大雨となりました。
- 今年の台風の発生数は平年より多い29個でした。日本への接近数は平年より多い15個で、そのうち5個が上陸しました。
- 世界では、年平均気温が1891年の統計開始以降で2番目に高くなる見込みです。また、世界各地で異常高温や大雨などによる災害が発生しました。
本文
- 年を通して気温の高い状態が続き、年平均気温は全国的にかなり高くなりました。日本の年平均気温(基準値との差:+0.92℃)は、1898年の統計開始以降で、最も高い値となる見込みです。その要因としては、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響と自然変動の影響が考えられます。
- 台風第15号、台風第19号の接近・通過に伴い、千葉(千葉県)で57.5m/sの最大瞬間風速を観測したほか、箱根(神奈川県)で日降水量が歴代の全国1位となる922.5mmを観測するなど、北・東日本で記録的な暴風、大雨となりました。このほか、8月下旬の九州北部地方や10月下旬の関東甲信地方と東北地方など、夏から秋にかけて、各地で記録的な大雨となりました。
- 2019年春まで続いたエルニーニョ現象の影響で3~6月中旬は台風の発生がなかった一方、11月の発生数は過去最多と並び、年間の発生数は平年より多くなりました。
- 日本への年間の接近数は平年よりも多く、日本への年間の上陸数は昨年と同じ5個となりました。
- 台風進路予報の平均誤差は1日先で81km、3日先で199km、5日先で377kmとなり、台風強度予報(最大風速)の平均誤差は1日先で4.8m/s、3日先で8.0m/s、5日先で9.0m/sとなりました。
- 世界の年平均気温(基準値との差:+0.42℃)は、1891年の統計開始以降で、2番目に高い値となる見込みです。その要因としては、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響と2018年秋から2019年春まで続いたエルニーニョ現象等の自然変動の影響が考えられます。
- 世界各地で異常高温が発生しました。ヨーロッパ北部から中部では、熱波(6~7月)により、各国の最高気温の記録を更新した所もありました。
- 南アジア及びその周辺の大雨(7~10月)や、東アフリカ南部のサイクロン(3~4月)により、多数の死者を伴う災害が発生しました。
日本の天候について(別紙1-1、1-2参照)
図 日本の年平均気温偏差の経年変化(1898~2019年※)
※2019年は1~11月の期間から算出した値(速報値)を用いている。 基準値は1981~2010年の30年平均値。
台風について(別紙2参照)
世界の天候について(別紙3-1、3-2参照)
本資料は2019年12月22日までの状況を速報としてまとめたものです。確定値に基づくそれぞれの情報は気象庁HPに順次公開します。
問い合わせ先
電話:03-3212-8341
- 日本・世界の年平均気温について 気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 後藤(内線2264)
- 日本の天候について 気象庁 観測部 計画課 情報管理室 村井(内線4154)(観測値や記録について) 気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 竹川(内線3154)(天候の解説について)
- 台風について 気象庁 予報部予報課 アジア太平洋気象防災センター 笠原(内線3137)
- 世界の異常気象について 気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 異常気象情報センター 新保(内線3158)
資料全文
- 本紙[PDF形式:201KB]
- 別紙1-1 2019年の日本の年平均気温[PDF形式:169KB]
- 別紙1-2 2019年の日本の天候[PDF形式:2700KB]
- 別紙2 2019年の台風について[PDF形式:634KB]
- 別紙3-1 2019年の世界の年平均気温[PDF形式:219KB]
- 別紙3-2 2019年の世界の主な異常気象・気象災害[PDF形式:396KB]