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平成25年2月の地震活動及び火山活動について

報道発表日

平成25年3月8日

概要

平成25年2月の地震活動及び火山活動について解説します。

本文

  • 地震活動
    • 全国の地震活動
       2月2日23時17分に十勝地方南部でM6.5の地震が発生し、北海道釧路市(くしろし)、根室市(ねむろし)、 浦幌町(うらほろちょう)で最大震度5強を観測しました。
       2月6日10時12分(日本時間)にサンタクルーズ諸島でMw7.9(Mw は気象庁CMT解によるモーメントマグニチュード)の地震が発生しました。 この地震により北海道から沖縄県の太平洋沿岸の広い範囲で津波を観測しました。
       2月25日16時23分に栃木県北部でM6.3の地震が発生し、栃木県日光市(にっこうし)で最大震度5強を観測しました。

       全国で震度3以上を観測した地震の回数は32回、日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は115回でした。
       震度3以上を観測するなどの主な地震活動の概況は別紙1のとおりです。また、世界の主な地震は別紙2のとおりです。

    • 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震活動
      (2年間の活動)
       「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震は、マグニチュード(M)7.0以上の地震が7回発生するなど、 岩手県から千葉県東部の沿岸、及びその東方沖の広い範囲で発生しています。
       余震は、本震と同様のプレート境界型の地震だけでなく、太平洋プレート内の地震や これまで発生していなかった陸のプレートの地殻内の正断層型の地震も数多く発生しています。 プレート境界型の地震については、本震時にすべりの大きかった領域を避けるように、 その北側、南側や、沿岸に近い比較的深い領域で発生しています。
       余震活動は、時間の経過とともに次第に低下してきていますが、 余震域に相当する地域で発生したM5.0 以上の地震についてみると、 2001年から2010年の地震の数の年平均に比べてこの一年間は約4倍と、依然活発な状態です。
       また、余震域以外でも地震活動が活発になった地域がありました。 これらの地域の多くではすでに地震活動が低下していますが、 南関東の一部などではいまだに活発な状態が続いている地域もあります。
       国土地理院のGNSS連続観測結果によると、 引き続き東北地方から関東・中部地方の広い範囲で、徐々に小さくなってきてはいますが、 余効変動と考えられる東向きの地殻変動が観測されています。

      (余震の見通しについて)
       余震は、全体的には次第に少なくなってきましたが、 本震発生以前に比べて依然として活発な地震活動が続いており、今後も継続すると考えられます。 M7.0 以上の大きな余震が発生する可能性は低くなってきましたが、 まれに大きな余震が発生することがあり、最大震度5弱以上の強い揺れや、 海域で発生した場合には津波が発生する可能性があります。 また、比較的小さな余震でも、沿岸域や陸域で発生すると震源付近では強い揺れになることがあります。 なお、余震は広い地域で発生しているため、同じ規模の余震でも発生する場所により各地の震度は異なります。

      (防災上の留意事項)  引き続き余震による強い揺れに警戒してください。 また、これまでの強い揺れのために地盤がゆるんでいる地域では、 降雨や余震による土砂災害の発生する危険性が高まっていますので、併せて警戒してください。
       また、海域で大きな余震が発生すると津波が発生する可能性があります。 海岸で強い揺れを感じた場合、また、揺れを感じなくても津波警報が発表された場合には、 直ちに海岸から離れ高台等の安全な場所に避難してください。
       余震域の外側も含めて、常日頃から地震への備えをお願いします。

  • 火山活動
     霧島山(新燃岳)では、今期間、噴火の発生はありませんでした。 火山性地震は少ない状態で経過していましたが、3月5日(期間外)以降やや増加しており、 5日は67回、6日52回、7日10回、8日12時までで57回(速報値)とやや多い状態が続いています。 新燃岳の北西数kmの地下深くにあると考えられるマグマだまりへの深部からのマグマの供給は停止した状態が続いています。 しかし、火口には多量の溶岩が溜まっており、火口直下の火山性地震がわずかながらも続いていることから、 現在でも小規模な噴火が発生する可能性は否定できません。 新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。 火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続しています。
     桜島では、爆発的噴火を含む活発な噴火活動が継続しました。 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続しています。
     三宅島では、火山ガス放出量は、長期的に減少傾向にあり、2月にはやや少量となっています。 火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続しています。
     硫黄島では、島西部の旧噴火口(通称:ミリオンダラーホール)で、17日から18日にかけ、 小規模な水蒸気爆発が発生したと推測されます。 旧噴火口では、2012年2月上旬から水蒸気爆発が度々発生していますが、 噴出物の状況から、今回の事象はこの中では最大のものと推測されます。 国土地理院の観測によると、地殻変動はほぼ停滞していましたが、 2013年1月頃から、わずかに隆起の傾向がみられています。 火口周辺警報(火口周辺危険)が継続しています。
     箱根山では、駒ヶ岳から仙石原付近の浅部を震源とする地震活動は、消長を繰り返しながら継続し、 10日や16日には一時的に地震が増加しましたが、 18日以降、3月6日(期間外)まで、地震は少ない状態で経過しています。 気象庁の体積ひずみ計や神奈川県温泉地学研究所の傾斜計による地殻変動観測では、 山体の膨張を示すわずかな変化がみられていますが、一部の観測点では2月中旬頃から鈍化する傾向がみられます。 国土地理院の地殻変動観測結果では、2012年末頃から、箱根山周辺の一部の基線にわずかな伸びの傾向がみられています。 箱根山では、2001年6月から10月にかけて地震が多発し、 国土地理院等の地殻変動観測結果でも山体の膨張を示す変化がみられ、噴気活動が活発化しました。 現時点では、観測されている地殻変動は小さく、噴煙等の状況に特段の変化はみられず、 火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められません。噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)が継続しています。

     その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。

     日本の主な火山活動の概況は別紙3のとおりです。また、世界の主な火山活動は別紙4のとおりです。

    ※ GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称です。

問い合わせ先

地震:地震火山部管理課 電話 03-3212-8341(内線 4581)
火山:地震火山部火山課 電話 03-3212-8341(内線 4530)

資料全文

参考資料


国土地理院のGNSSによる地殻変動観測については、 国土地理院ホームページの記者発表資料 を参照ください。

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