2010年(平成22年)の台風について
報道発表日
平成22年12月21日
概要
今年は、台風の発生数が14個で、台風統計開始の1951年以降で最少となっています。
本文
1.今年の台風の特徴
(1)発生数
台風の発生数は14個(平年値26.7個)で、台風統計開始の1951年以降で最少だった1998年の16個を下回っています。また、月別でみても概ね年を通して少なくなっています。
発生場所については特にフィリピンの東方海上で少なくなっています。北緯20度以南、東経120度以東での発生数は5個(平年値16.1個)と1951年以降では1998年の4個に次いで少なくなっています。
これは、同海上では太平洋高気圧が強く、積乱雲の活動が抑制されたことが一因です。
(2)日本への接近数・上陸数
台風の発生数が少ないこともあり、日本への接近数は7個(平年値10.8個)、上陸数は、台風第4号と第9号の2個(平年値2.6個)といずれも平年値を下回っています。
地域別にみると伊豆諸島・小笠原諸島への接近が2個(平年値5.0個)と少なく、上陸した台風はいずれも日本海側からの上陸となりました。
これは、台風の大半が発生した7月下旬から9月中旬にかけて日本付近から日本の南で太平洋高気圧が強かったことが影響しています。
2.台風進路予報の精度
上記1(1)の結果、緯度の高い海域で発生し、勢力が比較的弱い状態で、すぐに転向・加速する台風が相対的に多くなっています。
この特徴は一般的には台風進路予報の誤差を増大させるものですが、3日先までの進路予報の精度は、ここ数年間と同程度となっています。
4日先・5日先の進路予報は、事例数が少なく精度評価は難しいですが、予報誤差は前年より小さくなっています。
問い合わせ先
気象庁予報部予報課太平洋台風センター
電話:03-3212-8341(内線3137)