長官会見要旨(令和8年10月21日)

会見日時等

令和8年10月21日 14時00分~14時35分

於:気象庁記者会見室

発言要旨

 冒頭、私からいくつか述べさせていただきます。

 最初に、10月16日に発表した緊急地震速報についてです。10月16日12時35分にカムチャツカ半島付近でマグニチュード6.9の地震が発生しました。その際、地震の規模をマグニチュード9.9と過大に見積もったことにより、12時40分に、北海道から中部地方にかけての広い範囲に緊急地震速報(警報)を発表しましたが、実際には、強い揺れは観測されず、8分後の12時48分に取り消し報を発表いたしました。
 多くの皆様に多大なご迷惑とご負担をおかけしてしまいました。私としても非常に重く受け止めております。
 今回、誤った内容の緊急地震速報が発表された原因として、地震の規模の計算や震度を予測する手法の一部に不備があったこと、また、震源から遠くの観測点のデータを、地震の規模の計算に用いないよう、過去に、過大な緊急地震速報を発表した事例を受けて講じた対策が、正常に機能しなかったことが挙げられます。
 気象庁では、同日中に、過去に講じた対策が機能するよう緊急的な対策を行い、同じような過大予測が生じないようにいたしました。
 緊急地震速報は、地震による強い揺れが到達する可能性を、極めて短時間にお伝えする情報であり、その性質上、人の判断を介することなく自動で情報を発信するため、誤報を完全に無くすことは実質上困難ですが、引き続き詳細な原因の究明を進め、誤報を防ぐとともに予測精度を高めてまいります。
 国民の皆様におかれましても、このような緊急地震速報の特性をご理解いただきつつも、実際にここ数年では、情報が出てから9割以上は強い揺れが発生しておりますので、この情報を見聞きされた場合は、身の安全を守るなどの行動をとっていただきますようお願いいたします。

 次に、8月以降、多くの被害をもたらした大雨等についてです。
 「令和8年8月千葉豪雨」では、千葉県で記録的な大雨となり、甚大な浸水被害が発生いたしました。また、9月には台風第25号が関東甲信地方に接近し、伊豆諸島や千葉県、神奈川県などで記録的な大雨となりました。特に千葉県では、8月の「千葉豪雨」から間もない中で、再び大きな被害が発生しました。土砂災害や浸水被害に加え、道路や鉄道、水道、電力などにも大きな影響が生じ、今も生活への影響が長く続いております。千葉県だけではなく、神奈川県でも土砂災害が発生し、尊い命が失われました。これら一連の災害によりお亡くなりになられた方々とそのご家族に対しまして、心よりお悔やみ申し上げます。また、被災されたすべての皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
 先月も申し上げましたが、気象庁としましては、「令和8年8月千葉豪雨」を受けて総理からいただいた指示を踏まえ、今後は災害発生前においてもJETT(気象庁防災対応支援チーム)を県庁へ積極的に派遣し、気象台が持つ危機感を前広に伝えるなど、自治体等における防災対応の支援に引き続きしっかりと取り組むことができるようにしたいと考えております。一連の大雨時の対応については、自治体とも振り返りを行ったうえで、これらの事柄を円滑に行うために必要となる改善策を検討していく所存です。

 3点目は、秋の行楽シーズンについての注意事項です。
 これから紅葉などを楽しみに、旅行や登山などでお出かけになる機会も増えると思います。一方で、秋は台風や前線の影響を受けることもあり、天気が大きく崩れる場合があります。また、季節の変わり目で気温の変化も大きくなります。特に秋の山は麓では暖かくても山頂付近では氷点下近くまで気温が大きく下がり、天候の急変や雨、強い風などによって低体温症など思わぬ事態につながることがあります。また、秋の山は日の入りも早くなっております。登山をされる方は、雨具や防寒具など十分な装備を準備するとともに、出発前だけではなく登山中も最新の気象情報や空の様子を確認し、天候が悪化する場合には、無理をせず予定を変更したり、早めに引き返したりすることも大切です。秋は行楽に適した季節でございますが、安全に楽しんでいただくためにも、出かける前と出かけた先の両方で最新の気象情報を確認していただき、余裕を持った行動を心がけていただきたいと思います。

 4点目は、国際ワークショップについてです。
 方位を知るため、そして、気象庁では火山活動の監視等にも活用している「地磁気」ですが、太陽の活動等の影響を受けて常に変化しており、時には通信・GNSS測位等に影響を及ぼす「磁気嵐」(地磁気の乱れ)を引き起こすことがあります。磁気嵐は気象と同様に地球規模の現象であり、国際協力の下で地磁気を観測することが重要となっております。
 茨城県石岡市(当時の柿岡町)の気象庁地磁気観測所では、100年以上にわたり同じ場所で地磁気観測を継続しており、重要な役割を担っています。物理学者の寺田寅彦らが関わり、地磁気観測に適した土地としてこの柿岡が選ばれました。
 この良好な観測環境における、世界有数の長期にわたる地磁気観測の結果、地磁気観測所は磁気嵐の大きさの算出に用いられる世界の4つの観測所のうちの1か所となるなど、国際的に貢献している重要な施設でございます。今般、同観測所を開催地の一つとして、地磁気観測国際ワークショップが10月25日から30日まで開催されます。日本での開催は22年ぶりであり、国内外の地磁気観測関係者が一堂に会する貴重な機会となります。
 気象庁では、本ワークショップを契機として国内外の関係機関との連携をさらに深め、地磁気観測分野における我が国の役割を一層高めてまいります。
 詳しくはこの後、担当からご説明いたします。

 5点目は、気象防災アドバイザーのマッチングイベントについてです。
 10月9日に報道発表しておりますが、気象庁では、気象防災アドバイザーの更なる活用促進を図るため、自治体職員と気象防災アドバイザーが直接交流する対面型マッチングイベントを、11月から全国10都市で順次開催いたします。初回は11月12日に気象庁本庁で開催する予定で、その後の開催については地元の気象台より順次お知らせいたします。
 多くの自治体の皆様にご参加いただき、気象防災アドバイザーについてご理解を深めていただければと思います。

 6点目は、先日の御嶽山火山噴火災害犠牲者追悼式についてです。
 先月9月27日に長野県王滝村で実施された御嶽山噴火災害犠牲者追悼式に参列させていただきました。参列された方々とともに、亡くなられた皆様のご冥福を祈らせていただきました。
 当日は、追悼の辞でも述べさせていただきましたが、犠牲となられた皆様の無念を忘れることなく、これからも気象庁一丸となって火山防災に真摯に取り組むことをお誓い申し上げてきました。
 今回参列させていただき、噴火で多くの方が亡くなったという重さを、改めて実感いたしました。そして、適時適切な情報の発表に努めていくことを改めてお誓い申し上げさせていただきました。

 最後に、気象科学館の展示等についてです。
 気象科学館で行われている「広島市豪雨災害伝承館」と連携した企画展ですが、今週末、10月25日(日)までとなっております。土砂災害による甚大な被害から得られた教訓や知識を次世代に伝える貴重な内容をお借りし展示させていただいております。残りわずかな期間ですが、多くの方にご覧になっていただきたいと思います。また、その後の企画展については、東京管区気象台創立80周年を記念した展示を行うほか、昭和南海地震から80年に関する企画展の開催を計画しております。

 私からは以上です。

質疑応答

Q:冒頭でお話しされた先週金曜日の緊急地震速報の件ですけれども、改めて、長官から再発防止に向けてどういった指示をされたのか、また、高市総理もしくは木原官房長官からはどういった直接の指示があったのか、この2点をお話しください。

A:まず、冒頭でも述べましたけれども、今回、誤った内容の緊急地震速報が発表された原因として2つございました。地震の規模の計算や震度を予測する手法の一部に不備があったこと、また、震源から遠くの観測点のデータを、地震の規模の計算に用いないよう、過去に過大な緊急地震速報を発表した事例を受けて講じた対策が正常に機能しなかったということでございます。
 私の方からは、急ぎ原因を究明するように指示を行ったうえで、同日中にこの2つが原因であることが分かったということです。そして、週末も挟むような感じでしたので、急ぎ対応できる措置をその日の夜に行いました。3回目の会見が非常に遅い時間になってしまって恐縮でしたけれども、できる限り早めに皆さんに状況をお伝えし、そして対策を早く取るようにという指示を致しましたので、そのような結果となりました。
 同日の21時30分には、2つ目の原因、つまり震源から遠くの観測点は使わないというところは、すでに措置ができたということでございます。総理、官房長官等からは、原因究明と再発防止をしっかり行うようにということで、そのように対応させていただいたということでございます。

Q:緊急地震速報の関係でお伺いいたします。冒頭、長官もお話しされたように、緊急地震速報は命を守るために迅速に危険を伝えてくれるもので、精度と速さの天秤の中で、仕組み上、どうしても特性として起きてしまう可能性があること、例えば、2つの地震が同時に起きることでマグニチュードが過大に評価されてしまうとか、そういうことはあり得ることなのだと思います。ただ、今回の事例についてはそうではなく、対策がされているはずのことが起きてしまった、というような性質のものではないかというふうに考えておりますが、そのあたりの長官の認識を教えていただけますでしょうか。

A:地震の規模の計算に、震源から遠くの観測点のデータを用いないということを、令和2年の鳥島付近での地震の際に対策を行っていたにもかかわらず、今回その対策が正常に機能しなかった、ということについてご指摘いただいているかと思います。
 緊急地震速報というのは、普通に震源を求める時よりはずっとずっと少ない観測点で、震源、マグニチュードを計算しますので、誤差も大きいですけど、遠くの観測点を使うことで距離が長くなればなるほど当然誤差が大きくなります。とんでもないマグニチュードが出てしまうということは分かっていたので、遠くの観測点のデータは使わないようになったのですが、今回はその設定がなぜか抜けてしまい、遠くの観測点のデータを使ってしまったということで、大きな誤差が生じてしまいました。遠くの観測点のデータを計算に用いない機能を設定したのに、どうしてそれが使われることになってしまったのか、どの時点で変わってしまったのかということを、プログラムの中を見て、現在調査しているところでございます。
 どこの時点でその機能が正常に動作しなくなってしまったのかは、まだ分かりません。推測では、一番可能性が高いのは更新時ではないかということも考えられますけれども、プログラムの中身というのは、途中、途中で色々な不備があったら修正を加えますので、どの時点だったのかというのは、引き続き調査を進めていきたいと思います。いずれにしろ、過去にしっかり対策が講じられたものが、もう一度抜けてしまったということは非常に遺憾だと思いますし、こういうことが起こらないように、どのようにプログラム抜けや運用の抜けというのができてしまうのか、それを防ぐためにはどういう方法が良いのかということも、今後検討していきたいと思います。

Q:起きないようにしていたことが再び起きてしまったということで、今後、再発防止の対策を進めていくということだと思うのですけれども、今の段階で、具体的にどういう方向で対策を進めるなど、考えていることがあれば教えてください。

A:プログラムの場合は、その設定のオンオフが間違ってしまったということですけれども、もう一点の場合は、プログラムの中身の問題でもあります。私も以前プログラムを作っていましたが、バグを人間が見つけるということはすごく難しくて、100%バグをなくすというのは、不可能だと思っています。できる限り色々なテストをしますが、すべての場合をテストできるわけではなく、テストしたものと違うパターンで起こってしまうというのが、常でございます。けれども、どういうチェックの方法が一番効果的なのかということは検討する価値があると思います。また、私の個人的な今の段階の考えですけれども、もしかしたらAIを活用することも認識の力になるかもしれない。今、AIは自動でプログラムを作るような機能までも持っていると聞いておりますので、そのような能力があるのであれば、間違いを探すということでも、もしかしたら威力を発揮するかもしれない。そのような、様々な今の技術、最新の技術も含めて、色々な可能性を対象にして、チェックの方法を考えていきたい。それは地震火山のシステムだけではなく、気象も含めて、通信も含めて、すべてに関わることだと思います。気象庁で言うと情報基盤部が一番関係すると思いますけれども、彼らもそういうのを検討していくつもりになっておりますので、そこのところを詰めていきたいというふうに思います。

Q:大型で猛烈な台風30号について、現時点でどのように注意警戒すべきかコメントお願いできますでしょうか。

A:テレビでもキャスターの方が説明していただいておりますけれども、まだまだその予報の進路について、我々の数値予報モデルもそうですし、各国の予測モデルを見ても非常に分かれております。一つは、今フィリピンの東にいますけれども、先島付近に来てから北上する場合、それからそのまま西進して大陸に沿って北上する場合、今、我々が出している予報円を結ぶ線、皆さん、真ん中が一番確率が高いというふうにお考えかもしれませんけれども、今回の場合は北に来るか、少し遠回りするか端っこの方かどちらかなんですね。ですから、真ん中が高いとは思わないでいただきたいです。時間が経てばだんだん予測も収束してくる、まとまってくると思いますので、明日も午前中に、各国の予報も見ながら、どちらに来るか見極めたいと思っております。いずれにしろ、今、猛烈な強さでございます。猛烈なまま北上してこないと思いますけれど、いずれにしろ強い勢力で沖縄県には入って参りますので、厳重な警戒をしていただきたいと思いますし、コースによっては九州、それから西日本に近づく可能性もありますので、新しい予報をぜひご覧いただきたいと思います。予測がばらついておりますので、1日1日、必ず予測の結果は見ていただきたい、確認していただきたいと思います。それによって、対策を立てていただきたいと思います。いずれにせよ、近づいてくるのが週末ということになります。遠回りした場合、もう少し遅れて来週になりますけれども、場合によっては、最短コースで来れば、週末、近づいてくる場合もございますので、そういう意味でも、最新の予測を見て頂ければというふうに思います。

Q:台風25号による千葉の関連でお尋ねします。当時、印旛沼はじめ決壊、あるいは氾濫が起きた頃にキキクルを見返すと、色が付いていないなど、当時の危険度の高まりというのがほぼ反映されてないように思われます。そのことについてどのように受け止められているのでしょうか。多分、技術上の問題もあるとは思うのですけれども、今後に向けて改善の余地があるのかなど、今のお考えを聞かせてください。

A:今回の場合は、水が堤防を超えるのではなく、堤防自体が破壊されて、水が漏れてきているということで、我々は洪水に関しては河川管理者と共同で情報発信を行いますけれども、気象庁側では、大雨が降り、河川の水位が上がり、堤防のてっぺんまで、あとどれぐらいかというところが、その危険度を示す指標になっているのですけれども、堤防を浸食したり、前日の雨で水位が上がって、水が堤防のてっぺんまで到達し、圧力がかかって、堤防自体が破壊されるということ自体は、正直申し上げて気象庁側ではなかなか分かりません。それから、洪水キキクルは、一本の河川を想定して作っているものでございますので、途中に広がりを持つ湖とか沼のようなものがあった場合というのは、危険度を判断するうえで、非常に複雑になってしまいます。そういう意味で、印旛沼が決壊した時点で、接続している河川の危険度が適切に表現できなかった可能性があると思います。印旛沼自体の水位と、雨が終わった後の印旛沼に流れ込む河川の水位がどう連動しているか、非常に複雑だと思います。そういう意味で、気象庁ホームページでは、湖沼における洪水の危険度というのは、基本的には表示しないようにしております。マスキングのような形ですね。ただ、非常に難しいから何も示さないのかということでございますけれども、キキクルを用いるということよりは、例えば指定河川の場合は、今回の気象業務法の改正でも新設いたしましたけれども、何かあれば河川を監視している河川管理者から我々が通知を受けて、それに基づいて特別警報を出すことや、水位周知河川においても、水防法では通知を行う仕組みがあると聞いております。
 そして、それに基づいて、今の段階では水位周知河川の場合は大雨特別警報ですけれども、そういうものを出すという形で、危険をお知らせしていくということが、今できる範囲のことだと思っています。たまたま印旛沼は水位周知河川ではなかったと聞いておりますので、そのような段階では特別警報によって危険をお知らせすることもできませんけれども、そういうことができるようにするということも一つの方法かも知れません。キキクル自体の仕様変更はすぐには難しいかもしれませんが、他の方法で対応できるように、様々な河川の関係者と色々な協議をしていくことや、国土交通省と連携しながら、考えていくことになります。ただし、キキクルはそのままで良いと考えているわけではございません。ただ、そこも我々の知見だけでは限界がありますので、河川管理を行っている国土交通省と色々と情報交換を行いながら、情報を改善していきたいと思っております。

Q:今のお話踏まえて、今回の件でやはり懸念を感じるのは、氾濫通報や河川管理者や自治体が出す情報、避難情報を含めて、なかなかやっぱりスムーズに出ていない、もしくは住民に届いていない中で、気象庁がこれだけ周知を行っている洪水キキクルなどに危険度の高まりが反映されてないとすると、むしろ色が付いてないことが安心情報として受け止められる。そこの部分をどう補足するのかというところは、やっぱり結構急務じゃないでしょうか。似たようなことが起き得るという点で、キキクルに補完されない情報を、どこから出してもらうのかという部分が、すごく危うい気がするのですけれど、いかがでしょうか。

A:今のところキキクルで、湖沼の洪水の危険性を測るのは技術的に、すぐには無理でございますので、逆に混乱をもたらす部分については見えないようにするというのがキキクルの側ではすぐできることです。ただ、それ以外に先ほど私が申し上げた通り警報、特別警報という手段で、通報制度を活用しながら迅速に情報を出してくことが、今すぐにできる方法だと思いますし、多分それしかできないと思いますので、その方法については急ぎ検討していきたいとは思います。

Q:また似たような事態が起きたときに、警報、特別警報も含めて、もう少しうまくやれるという事になるのでしょうか。

A:うまくやれるようにしなければいけないと思いますが、そのためには色々な手順をきちんと確認をし、どういう方法が良いのかなど、河川の専門家である国土交通省と話し合いながら、検討していきたいと思います。

Q:千葉豪雨の今後の対策で、大雨の際の対応を自治体と振り返って改善策を検討するとおっしゃっていまして、JETTを県庁に派遣して、危機感を前広に伝えるということなのですけれども、具体的にはどういう感じになるのか。例えば自治体からのその避難情報とかがもっと早く出るようになるのか、具体的なイメージはあるのでしょうか。

A:特に千葉豪雨の場合は、いきなり感があるというのは、総理も熊谷知事もおっしゃっていました。そういう状況を受けて、総理からは前広に情報を伝えることと。それがどういう意味かというと、我々の場合は、その災害が起こってからというより、事前に、例えばいつ頃特別警報が出るのか、特別警報に至るのか、至らないのか。そこが多分、自治体さんが一番欲しい情報だと思います。そういう意味では、災害の前からJETTは県庁に駆け込んで、メールや電話では伝えきれない話もやりとりできますし、細かいニュアンスも伝わりやすいと思います。特別警報にも対応できます。
 例えば8月13日も、最初の段階では、東から湿った空気が来て、積乱雲が生じて線状降水帯ができましたけれど、その後は西に抜けていくものだと思ったら、夜になってから止まってしまってしまい、ずっと移動しなくなった。後から研究者が確認したところ、西側に冷気がありそれが線状降水帯の西進を妨げたということですけれど、当時、その時点では分かりませんでした。ただ、線状降水帯が動かなくなってきて、記録雨が何度も何度も出るようになってきた。これは危険だと。我々も、いつ特別警報が出るのか見極めながら検討しているので、警報や特別警報を待っていても、その間は情報が出ていかないので、自治体もなかなか状況が分からない。けれども、実際、担当者がその県の危機管理者のそばにいて、色々話していれば、また、気象台と連絡を取り合っていれば、今、特別警報を出すかどうか非常に迷っているぐらいの危ない線まで来ていることが伝わる。そういう意味では、警報や特別警報が出る前に、色々と相談できるような場が必要だというふうに思っています。今までも災害が起こる前に県庁に駆けつけるというのは、全国を見ても多く事例があるわけではないので、千葉県に限らず進めていければというふうに思っています。ただ、千葉県の場合は気象台が県庁から離れた場所にあって厳しい部分もあります。そういう場合はどうするのかなど、千葉県の場合はまた別途考えなければならないこともあります。そういう意味で、冒頭で申し上げた、危険性を前広にお伝えできるような施策を実施するにあたって、障害となっていることをどうするのかということも含めて、問題の解決を検討していきたいということでございます。

Q:今は、発表されている警戒レベルを都道府県で確認し、都道府県が避難情報出すというのが、通常の形ということでしょうか。

A:その通りですけれども、いつも問題だと言われているレベル3、4、5が一気に上がってしまう、場合によってはレベル4を通り越して5が発表されたり、急激に想定以外のことが起こった場合というのは、情報が早く出ますので、そのような状況ではやはり現場で、面と向かって色々相談する方が、有効ではないかなというふうに思われます。予測が難しい場合、もちろん予測が当たるようにすることも大事なんですけれども、想定外に積乱雲が止まってしまったなどという時には、危ない状況なので何か準備しておいた方がいいですよ、といった相談ができるということが必要かなと思いますし、総理の指示というのは、多分そういうことだろうと理解していますので、そこでできることは何かというのをしっかりと考えていきます。自治体のニーズも聞きながら、判断していきたいというふうに思っています。

Q:冒頭ご説明された、御嶽山追悼式の参列に関してお伺いいたします。弊社が御嶽山の被害者遺族を対象に行ったアンケート調査では、回答した38人のうち、およそ半数以上が、気象庁が今年7月に開いた遺族との意見交換などの気象庁側の姿勢を評価しております。遺族から、引き続き遺族との気象庁との対話や意見交換を通じて、今後の火山防災に役立ててほしいとの声があります。前回の会見で、長官は裁判が終結したことで、今年は特別な年という受け止めを話されていたかと思いますが、今年のその一連の対応というのは、一過性のものになるのか、それとも、今後の遺族との意見交換や慰霊登山、追悼式の対応などについて、これからも継続していくお考えがあるのか。そのあたり、長官のお考えを伺いできればと思います。

A:結論から申し上げて、まだ何も決まっておりません。まだ9月27日からそんな経っておりませんので、今後、色々と担当の方で話し合いの場や打ち合わせもあろうかと思いますので、そこで色々と決まっていくと思います。私自身、9月27日現場に行って、ご遺族の方ともご挨拶させていただきました。現場に行くと、色々複雑なのだなということは感じました。例えば、やまびこの会は私に来てくださいと言ってくれました。ですけれども、ご遺族によっては、おそらく長官の姿を見るのが心苦しい人もいらっしゃるかもしれない。ご遺族によっては、私に対してよく来てくれました。ありがとう。と言ってくださる方もいらっしゃるけれども、そうじゃない方もいらっしゃるかもしれない。そのような中で、行くこと自体が良いことなのかということも、じっくり考えないといけませんし、また、私が、終わった後に記者さんのインタビューに答えて申し上げた内容についても、私は誠心誠意、様々なことを述べましたけれども、それでさえ、耳障りだったという方もいらっしゃるということを、耳にしたこともございます。ですので、現場に行った我々の言動自体が、歓迎なのか、やはりなかなか複雑なのかというのは、ご遺族にもよると思います。そういう意味で、我々自身も振り返って、今後どうしていくのか考えなければいけませんし、また、意見交換の場、それ等々については、また担当間でどういう形がいいのか、話し合って決めていくと思います。今、これからどうするのかというのは、まだ具体的には決まっておりませんけれど、色々考えていくのだろうなというふうに思います。

(以上)