長官会見要旨(令和8年2月18日)

会見日時等

令和8年2月18日 14時00分~14時35分

於:気象庁記者会見室

発言要旨

 冒頭、私から、4点ほど述べさせていただきます。
 1つ目は大雪の対応でございます。1月21日から25日にかけてと、2月7日から9日にかけては強い冬型の気圧配置が続き、北日本から西日本にかけての日本海側を中心に大雪となりました。日本を含む中緯度帯に寒気が流れ込みやすい負の北極振動が発生していたこともあり、約半月の間、日本海側を中心とした大雪となりやすい天候が続き、逆に太平洋側では少雨の状態となりました。後ほど申し上げますが、こうした少し長い期間の予測の高度化について、検討会で議論いただき、より活用いただける情報の発信を目指していきたいと考えております。 戻りまして、今般の大雪に対しては、気象庁では防災気象情報を早い段階から適切に発表するとともに、1月19日に国土交通省と合同で「緊急発表」を実施いたしまして、国民の皆様へ大雪への備えを呼びかけました。JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)などによる局地的な大雪に対しては、顕著な大雪に関する気象情報を適時発表するなど、大雪災害に関する危機感を適切に伝達できたと考えています。これに関しましては、報道機関の皆様のご協力にも改めて感謝申し上げたいと思います。 また、大きな影響の一つとしては、北海道地方で、新千歳空港で大規模な旅客の滞留が発生したところです。こうした事象は、鉄道、航空、バス、道路関係の事業者など多くの関係者が関連して対応を行っているものですが、今後、北海道雪害対策連絡部などを中心に振り返りが行われると考えておりますので、気象庁及び札幌管区気象台にてしっかりと協力してまいりたいと思います。
 なお、この先ですけれども、この週末を中心に全国的に気温が大変高くなります。雪解けなどによる落雪、なだれなどに十分ご注意いただきたいと思います。

 次に、林野火災の対応でございます。少雨となっておりますけれども、北日本から西日本の太平洋側では昨年の秋から降水量が少ない状態が続いておりまして、全国および関連する地域に向けて順次少雨に関する気象情報を発表するとともに、1月22日には、消防庁や林野庁と共同で記者会見を行い、林野火災への注意を呼びかけました。また昨日も担当者から説明をさせていただいたところです。報道でも大きく取り上げていただき、効果的な情報発信ができたものと受け止めているところでございます。

 次に、2月、今後の気象等の注意喚起でございますけれども、これから季節が春に移り変わる時期となります。今後3月にかけては周期的に天気が変化する見通しですが、まだシベリアには冬の冷たい空気が残っておりまして、また、南からは少しずつ暖かく湿った空気が入り始めます。寒暖の差の大きい気団がそばにありますと大気が非常に不安定になります。一時的に冬型の気圧配置となったり、南岸低気圧の影響などにより、降雪量が多くなることもあります。また、2月~3月は春一番の時期にもなります。過去、春の嵐で大きな被害も出ておりますので、注意が必要です。気温が上がってきますと、先ほど申し上げた通り、なだれや急速な雪解けによる河川の増水などにもご注意いただきたいと思います。一方、太平洋側では乾燥しやすい時期が続きますし、昨年末以来の少雨の状況が解消されず、今後もしばらく少雨の傾向が続く見通しのところもありますので、火の取扱いや水資源の管理に注意をお願いします。引き続き、こまめに気象情報を確認いただくようお願いします。

 次に、最近の取組について、いくつかご紹介させていただきます。
 まず、「1週間から数か月先の情報の高度化に関する検討会」についてです。気象庁では、早めの防災対策や社会経済活動へ活用いただけるよう、週間天気予報、2週間気温予報、1か月予報、3か月予報等の情報を提供しております。近年、スーパーコンピュータによる予測技術などの向上に伴い、2週間先の大雨や大雪、1か月先までの熱波や寒波のタイミング、数か月先の極端な高温、低温等を予測できるようになりつつあります。一方、社会においては、より早い段階からの防災対策、特に物流や農業をはじめとした多くの産業において、天候の変化による社会経済の損失の軽減や生産性向上等のために、より使いやすい情報へ改善するよう期待が高まっているところです。このような技術の進展の中での、社会の期待の高まりにこたえるため、有識者による「1週間から数か月先の情報の高度化に関する検討会」を立ち上げました。先日13日に開催した第1回会合では、気象庁から予測技術の進展や現在提供している情報の概要について説明した後、様々な分野の委員の皆様から具体的なニーズやご要望をいただきました。今後は、これらの議論を踏まえ、情報の具体的な改善策や情報の利便性を高める方策についても検討を進め、令和8年8月頃に最終とりまとめを公表する予定でございます。気象庁の情報改善についてはこれまで技術の向上に伴って、時間的にも空間的にもより細かく出すというところを集中してやってまいりましたけれども、一方では、今回の寒気のように長い期間2~3週間続いた後、また暖かい状態がやってくる、変化が激しい時期がやってくるというような、長い傾向に対するニーズも非常に高まっております。そういう意味で、単に短いほうだけではなくて、長い方の変化についてもしっかりと情報を出していきたいと思います。いずれにしましても、今後引き続き行われる検討会にて、専門家の先生のお声を聴きながら改善の方向性を探っていきたいと思います。

 次に3つほどイベントのご案内でございます。
 1つ目は、気象庁と気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC)の共催で明日2月19日に開催する、「第10回気象ビジネスフォーラム」についてです。近年、AIは急速に進化し、デジタル社会の基盤となりつつあります。本イベントでは、生産性向上に欠かせないAIと気象データをテーマに、会議場とオンラインのハイブリッド形式で開催いたします。講演、パネルディスカッションのほか、気象データの活用事例やサービスの展示も行います。本イベントが、皆さまの新たな気づきとビジネス創出の一助となれば幸いでございます。
 次に、シンポジウムでございますけれども、「新たな防災気象情報を活かせる社会へ」と題して、令和8年5月から始まる新たな防災気象情報を話題として、地域の防災関係者の連携を強化し、地域防災力向上を目指すことを目的に、3月12日に開催いたします。皆様ご承知のとおり、令和8年5月から運用を開始する新たな防災気象情報を、防災対応に適切に活用いただくためには、「地域における気象防災業務に関する検討会」で先月出された報告書でも提言が示されたとおり、気象台が地域のいろいろな主体と「パートナーシップ」を築き、連携を強化して取り組んでいくことが重要と認識しております。多くの方にご参加いただき、地域の防災力向上に向けた取組について理解を深めていただければと考えております。報道機関の皆様にも周知へのご協力をお願いできればと思います。また、このシンポジウムにお越しいただく矢守先生は、「防災気象情報に関する検討会」や、先月提言が出された「地域における気象防災業務に関する検討会」でも座長を務められたということで、両方の観点からいろいろなお話が伺えると思っているところでございます。
 次にアドバイザーマッチングイベントでございます。今の話にも関連していますけれども、気象防災アドバイザーの活動内容や効果などを自治体の皆様に知っていただくための「マッチングイベント」を、2月24日と3月10日に開催します。気象庁では、地域防災支援策の一つとして、防災の知見を兼ね備えた気象の専門家である「気象防災アドバイザー」の活用を促進しており、その一環として今回も開催するものです。多くの自治体の皆様にご参加いただき、気象防災アドバイザーについて理解を深めていただければ幸いでございます。
 私からは以上です。

質疑応答

Q:先月に続いての質問になりますけれども、まもなく東日本大震災から15年となります。これまでの地震や津波への対応の改善ですとか、あるいは取り組みなどについて、3月11日も近くなってきましたので、改めてご所感をお願いいたします。

A:ご案内の通り、来月11日で東日本大震災から15年を迎えます。改めてこの震災で犠牲になられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
 気象庁では、東日本大震災の教訓を踏まえ、この15年間、地震津波の監視体制を強化するとともに、津波警報や緊急地震速報などの情報の改善に取り組んでまいりました。また、これらの情報を防災対応に生かしていただけるよう、普及啓発の活動にも力を入れてまいりました。具体的にはまず、津波警報の改善につきましては、マグニチュード8を超える巨大地震が発生した直後、地震の正確な規模の推定ができていない段階でも、津波への厳重な警戒が呼びかけられるよう、予想の高さを「巨大」として発表するなどの見直しを行い、平成25年3月から運用を開始いたしました。関係機関による沖合の津波観測データも活用することで、早期に津波を検知するとともに、平成31年3月には、これらのデータを用いて津波をより精度よく予測する技術、名前を「t-Fish」と呼んでおりますけども、それを導入いたしました。
 次に、緊急地震速報の改善につきましては、平成28年12月に同時発生する複数の地震を識別する手法、これはIPF法と呼んでおりますけれども、これを導入し、時々発生していた震度の過大評価を少なくすることができました。平成30年3月には、地震発生時に震源から離れた地域でも強い揺れを予測できる手法、PLUM法を導入し、東北地方太平洋沖地震のときの関東地方のように、マグニチュードの推定が過少で強い揺れが予測できなかったような場合でも、大きな揺れが実際に観測されれば緊急地震速報を発表することができるようになりました。また、令和元年6月からは、防災科学技術研究所が、東日本の太平洋沖に整備した海底地震津波観測網である、S-net(日本海溝海底地震津波観測網)のデータを活用することにより、日本海溝付近で発生する地震について、最大で25秒ほど速く、緊急地震速報を発表できるようになりました。また、東日本大震災では、首都圏や近畿圏などで高層ビルが長時間にわたってゆっくりと大きく揺れる長周期地震動が発生しました。この長周期地震動に関する情報提供として、平成25年3月より気象庁ホームページにおいて、長周期地震動の観測情報の提供を開始しました。また令和5年2月より、長周期地震動階級の予測を新たに開始し、緊急地震速報の発表基準に追加しております。観測点の充実も図っており、令和7年11月からは、防災科学技術研究所の31点を新たに長周期地震動観測点として追加をしました。
 なお、東日本大震災において、聴覚障害者の死亡率が聴覚障害のない人の2倍にのぼったとのデータがございます。聴覚障害者への情報伝達が課題となりました。このことを受けまして、有識者の方や聴覚障害者団体の方のご協力を得て、令和2年6月に視覚による津波警報等の伝達方法、すなわち「津波フラッグ」の運用を開始いたしました。その後、全国の自治体や海水浴場の管理者、日本ライフセービング協会を始めとする関係機関の皆様に多大なご協力をいただき、導入・活用が進められているところです。この他、観測施設のバッテリー運用時間の長時間化や通信の冗長化など、施設の強化も図ってまいりました。引き続き、当庁が発表する情報が防災対応に結びつくよう、情報の改善や普及啓発にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

Q:先ほどお話にありました、先月末から今月前半にかけての大雪ですけれども、長官は先ほど危機感を適切に伝達できたと発言されましたけれど、情報発信にあたって今後の糧になったこと、それから振り返りへの協力というお話もありましたけれども、今後検証するにあたって何か重要なポイントがありましたらお聞かせください。

A:繰り返しになりますが、日本列島付近は強い寒気の影響を長い期間受け続けたことから、西日本から北日本の広い範囲にかけて大雪となったところでございます。この大雪に対しまして、気象庁では警報等を適時に発表するとともに、1月19日には国土交通省の関係部局と共同で、「大雪に対する国土交通省緊急発表」を行い雪などへの警戒を呼びかけました。また各地の気象台では、地方整備局等との合同での記者発表や自治体へのJETT(気象庁防災対応支援チーム)の派遣などを通じ、大雪の見通し等について、きめ細かな説明を行ってきたところでございます。現時点で一連の対応を振り返りますと、気象台からの情報提供は適切に実施できたものと考えておりますが、例えば、新千歳空港での事案がございました。今後北海道雪害対策連絡部などを中心に振り返りが行われると考えております。そこで気象庁および札幌管区気象台にて、しっかり協力してまいりたいと思います。ここにもあります通り、大雪の被害というのは、我々が出す情報もそうですが、それを受けて色々な対応をする機関がございます。まさに、住民の皆様や乗客の皆様を守るという意味では、連携して行わなければならないという防災対応でございますので、しっかりと関係者と連携して、我々の情報が良かったかどうか、タイミングも良かったかどうか、まさに使う側のご意見なども伺いながら、また、彼らのニーズなどもそこで引き出せると思いますので、今年の反省点を来年の冬もしっかりと生かしていきたいというふうに考えております。

Q:御嶽山の噴火災害の関係でお伺いいたします。最高裁が今年の1月に、御嶽山の噴火災害の遺族が国と長野県の損害賠償を求めた訴訟で、遺族側の上告を退け、遺族側の控訴を棄却した東京高裁の判決が確定しました。2022年の一審では噴火警戒レベルを1に据え置いた当時の気象庁の判断の過失を認めた一方で、24年の高裁の判決では、御嶽山の知見の集積がまだ十分には進んでいないということで注意義務違反は認められないという形になりました。今回のその判決について気象庁の受け止めと、噴火災害から得られた教訓やその後の対応についてまずお伺いできればと思います。

A:まず、平成26年の御嶽山噴火により亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
 御嶽山噴火に係る国家賠償請求訴訟については、1月21日に上告棄却決定および上告不受理決定が出されました。今後も、関係機関と連携しながら火山活動の監視や評価の技術を向上させるとともに、噴火警報等の火山防災情報を適時的確に発表するよう努めてまいります。
 まさに災害の教訓とその後の対応でございますけれども、御嶽山の噴火災害を受けまして、専門家等による検討がなされ、中央防災会議や火山噴火予知連絡会の報告が平成27年3月に取りまとめられました。これらの報告では、監視評価体制の改善と強化、わかりやすい情報提供、火山防災教育や知識の普及など、多くの提言がなされています。当庁としては、いずれも大切な提言ということでございますので、火口周辺に観測機器を設置するなどの観測体制の強化、それから火山監視警報センターの設置などの監視評価体制の強化、それから火山監視評価を実施する人材の育成、それから噴火速報、それから臨時を付した火山の状況に関する解説情報の発表などのわかりやすい情報の提供、情報伝達手段の強化、それから火山への登山のしおりの作成配布などの関係機関との連携や登山者への普及啓発強化といった変更や改善を行ってまいりました。
 この噴火の後の平成27年の報告を受けて、我々としても、この火山業務、監視業務について、以前よりは、非常に大きな改善強化を行いました。体制としても非常に強くなりました。このように火山業務が発展したことは間違いないと思います。人材の育成も、気象庁が所管する業務の他の分野に比べて、非常にシステマティックに行われております。人材についても当時は厳しいご指摘も受けました。それを踏まえて、文部科学省などのご協力により、多くの若者が育ち、気象庁にも入ってきてくれています。専門家も増えてきています。そういう意味では、これからまさに時間をかけてじっくり火山業務、少しずつ少しずつ発展していくものと考えております。この御嶽山の噴火災害については、非常に重く受け止めて、それを踏まえて火山業務を発展強化していきたいと考えております。

Q:続けてですけれども、今回訴訟の終結を受けてですね、原告の遺族らが先日開いた会見では、これから原告と被告という関係ではなくて、気象庁との意見交換を求める声が出ました。その中には法的に問われることがなくなった今だからこそ当時の対応から得られる教訓というのは何なのか、率直な思いを聞きたいと話す遺族の方もおります。火山防災の啓発活動や再発防止活動をともにやりたいという遺族の声もありますが、気象庁として、その被災者家族との意見交換などに応じる考えはあるのか、長官のご所見をお伺いできればと思います。

A:そのような声につきまして、直接ご意向を伺っておりませんので、この場では回答は差し控えさせていただきますが、そういうご意見やお申し出をいただくのであれば、それは率直にお受けしたいと思いますし、いずれにせよ、ご要望あるようであれば直接いただければなと思っております。

Q:大雪の関係で、顕著な大雪の情報が何度か出ましたけれども、これの精度というのはどのぐらいのところまで今来ているのでしょうか。線状降水帯については的中、見逃しを毎回まとめてらっしゃいますけども、顕著雪についてもそういったデータを取っていくのか、今理想とするところまで来ているのかどうか。お考えがあればお願いします。

A:(大気海洋部)ご質問に回答させていただきます。「顕著な大雪に関する気象情報」につきましては、今まさにそういった大雪になっているということをお伝えする情報でございまして、あらかじめ大雪になる可能性があるということを予測するものではございませんので、現状、予測精度の評価という観点ではまとめたものはないということになります。

Q:これはいずれ予測という方向に行くのでしょうか。線状降水帯みたいな情報も、最初は今起きているというところから予測を数時間前、半日前とやってきましたけれども、顕著な大雪についても、今年みたいに雪が多い状況を見ていると、やっぱりそういう方向にこれから進んでいく可能性はあるのでしょうか。

A:例えば、線状降水帯であれば、線状降水帯とはどういう現象かという対象がはっきりしていますので、まずその発生に関して半日前に予測をしてその現象が出るかどうかということになります。一方で、「顕著な大雪に関する気象情報」というものはとにかくたくさん降雪があれば出される情報ですので、線状降水帯とは同じではないところです。もちろんこうしたことの予測ができるようにすることは大事ではございますけれども、ちょっと線状降水帯のようにはいかないと思います。検討は進めていきますけども、現時点ではどのようなことができるか申し上げられません。

Q:ありがとうございます。もう一つは1ヶ月から数ヶ月先の予報についてなんですけども、これは産業界からもすごくニーズがあったところなので、いよいよ改善されるのはすごくいいことではないかと思うのですけれど、長官の目から見てこの1ヶ月から数ヶ月先の予報をよりきめ細かく正確に出していく上での今の最大のネックというのはどの辺にあるとお考えですか。それと、これは海外の事業者が中心ですけど、民間の事業者によってはもう場合によっては3ヶ月ぐらいまで先まで毎日の天気とか気温とかを出しているところもありますけれども、こういうところとの関係といいますか、棲み分けというのかは何か整理をしていくようなことになるのでしょうか。

A:今ご質問の最初に、1ヶ月から3ヶ月というのがございましたけれども、私が今回検討会として一番注目しているのは、2週間から1ヶ月ぐらいの間かなと思っております。今その範囲は、1ヶ月予報として、この3ヶ月予報と同じように季節予報として出しています。確率の棒グラフを示して行っているものです。でも、もう今は数値予報の精度からすると3ヶ月予報と同じように、1か月予報で3段階の確率の予報だけを行う段階ではないと考えております。2週間から1ヶ月の間はもっとできることがあると思いますので、そこのところを産業界のニーズなども聞きながら、出せることを探っていきたいと思います。
 一方で、3ヶ月先の毎日の天気予報という例をおっしゃいましたけど、科学的に全く無理なことはやらない方がいいと思います。もちろん要望があると、人は何かできるという見せ掛けでやるというようなこともあると思いますが、それが精度が悪いと信頼を失ってしまいますので、やはり科学的な根拠や精度も確かめながら、できる範囲ということを大切にしていきたいと思っております。

Q:ありがとうございます。1ヶ月までについては、技術は既に確立しているけど、出している情報が十分にその技術に追いついていないということか。

A:そうですね、追いついていないというようなところがあるので、そこを色々な情報が改善できると思います。3段階の確率だけではニーズにも追いついていないし、もっとできることはいっぱいあると思いますので、そこのところはニーズに沿った形に変えていきたいと思っております。もちろん3ヶ月予報でも以前よりは技術開発が進んでおりますので、そこでもできることあろうかと思います。元々私も就任のときに申し上げた通り、ここ何十年やってきたことをただそのままやるのではなくて、それぞれの時代において改革できることは変えましょうと。全く同じようにずっとやっていくのではなくて、そういう意味で、台風に関しても、50年ぐらい同じような情報の形でやってきたことについても、今できる範囲のことはないかということで、検討会をやりましたし、今回の検討会も、ここまでずっと季節予報で3段階の確率でやってきたものをやっぱり変える時期じゃないかと、もっとできることがあるのではないかと、見直すということですね、そういう機会として、始めさせていただいたというのは1つの開催の理由でございます。

Q:今の長期の検討会の中でもお話があるかもしれませんけども温暖化とかの中で、なかなか平年という表現がわかりづらいという指摘もあったかに思います。20年とかそういうスパンで言われてもなかなか実感を持てないと、そういうご指摘もあったと思うのですけれども、もちろん検討会の議論を待ってではあると思うのですが、例えば、もっとスパンの短い「ここ数年の中で」とか、そういうような出し方みたいなものも、今後考えられるということなのでしょうか。

A:まさにそこは、我々は統計で基となるものをコロコロ変えると、長期的な変化を見るにはよくないので、どちらかというとずっと同じ方法で統計を取りたいという気持ちがある一方で、それはそれで価値のある数字なのですけれども、世の中にはもっと違う観点で見たいと、平年差より今の絶対値の方が重要だという方々もいらっしゃるでしょうし、いろんな観点があると思います。我々はしっかりと長期間の変化をモニターしていくというところに今まで重きを置いてきましたけれども、それ以外の部分に重きを置くという方法など、いろんな声があろうかと思います。何がいいのか探ったうえで、ただ、新しいことを始めたら長期的にやっていかなければいけませんので、そういう持続的に行うには何がいいか、色々なご検討をいただいて、我々も必要な情報を出していきたいと思います。ですので、おっしゃる通り、平年差以外のものの見方っていうのも必要となれば、しっかりと始めたいと思います。

(以上)