地震・津波・火山を知る

4.火山

 この章では、火山の噴火の仕組みや、火山でできる地形などについて解説します。

4.1. 火山の活動

○火山は、地下のマグマが地表へ噴出することなどによりつくられます。
○マグマは、地下の岩石が温度や圧力などの変化によってドロドロに溶けたものです。
○マグマが地表まで上昇すると、火口から溶岩や火山灰、火山ガスなどが噴出します。これらをまとめて火山噴出物といいます。
○火山体および火口やカルデラ、火口湖、溶岩台地などは火山地形といい、これらはかつて火山活動があった証拠です。
火山はどうやってできるの?

  火山は、地下のマグマが地表へ噴出することなどによりつくられます。火山は地球上のどこにでも存在するわけではなく、偏った分布をしています。日本は世界の中でも火山の多い国ですが、その理由は海のプレートの沈み込みが関係しています。←詳細は「4.2火山の分布」で紹介(近日公開)
 ハワイのマウナロアやアイスランドには日本の火山と成り立ちの異なる火山もありますが、いずれも地下のマグマが上昇してきて、地表や海底から噴出することなどにより、火山体がつくられています。


マグマってどんなもの?

 「マグマ」は、岩石がドロドロに溶けた高温の物質です。地殻やマントルは通常固体ですが、特定の温度や圧力などの条件が揃うと、地下深くで一部が溶けて液体のような状態になります。その中には、気体になりやすい成分(揮発性成分)の泡や鉱物の粒(結晶)なども含まれます。これらをまとめてマグマと呼びます。

マグマはどれも同じ?

 火山活動を引き起こすマグマは、地殻やマントルの一部が溶けてできたものですが、そのでき方の違いにより成分が異なります。特に大事なのは、ガラスの材料にもなっている二酸化ケイ素(SiO₂)という成分が、どれくらい含まれているかということです。二酸化ケイ素(SiO₂)が多いとドロドロ、少ないとサラサラしたマグマになります。この違いによりマグマは4種類(玄武岩質・安山岩質・デイサイト質・流紋岩質)に分けられ、噴火の特徴や火山の形も変わります。 ←詳細は「4.3火山噴火のメカニズム」で紹介(未公開)
 マグマが地表付近で急激に冷やされると火山岩が形成されます。


噴火と火山噴出物
~マグマが地上に出るとどうなる?~

 マグマが上昇し大地の割れ目を通るなどして地表に噴出することを「噴火*」といい、以前から周囲にあった岩石などを巻き込みながらマグマが地表に現れます。噴火によって噴き出したこれらの物質を「火山噴出物」といいます。火山噴出物には、気体液体固体の様々な状態のものがあります。マグマは地下に存在するものを指すため、地上に出るとマグマとは呼ばなくなりますが、気体や固体の火山噴出物の多くもマグマに由来しており、
「マグマは様々な形に変わって地上に現れる」と考えることができます。

*厳密には噴火には様々なタイプがあります。←詳細は「4.3火山噴火のメカニズム」で紹介(未公開)

気体の火山噴出物

 気体の火山噴出物は「火山ガス」と呼ばれます。火山ガスには様々な成分が含まれますが、その主な成分は水蒸気で、マグマに含まれていた水や地下水などが熱せられたものです。火山ガスは噴火していない時にも火口などから放出されている場合があり、このうち二酸化炭素や硫化水素、二酸化硫黄など、濃度が高いと危険なものも含まれています。これらの気体は空気より重いので窪地や谷にたまりやすく、無色透明で発見が遅れることもあるため注意が必要です。火山ガスについて詳細な解説はこちら


液体の火山噴出物

 液体の火山噴出物には「溶岩」があります。マグマが液体のまま地表を流れ下るものを「溶岩流」といいます。溶岩流が流れる速度は、地形や溶岩の温度などによって異なりますが、比較的ゆっくり流れるため(時速数km程度)歩行による避難が可能な場合もあります。しかし溶岩流の流れを止めることは困難で、溶岩におおわれた土地や建物は破壊され、溶岩が冷えて固まってからも、周囲の農地などが回復するには長い時間がかかります(このようにして、冷え固まったものも溶岩と呼びます)。


固体の火山噴出物

 固体の火山噴出物は、粒の小さい順に、「火山灰」(~2mm)、「火山礫(かざんれき)」(2~64mm)、「火山岩塊(かざんがんかい)」(64mm~)に分けられます。これらの固体の火山噴出物は「火山砕屑物(かざんさいせつぶつ)」とも呼ばれます。また火山噴出物には、火口内などに以前からあった岩石が、噴火の際に砕かれたものなども含まれます。気象庁では、概ね20~30cm以上の、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛散する噴石を「大きな噴石」、直径数cm程度の噴石を「小さな噴石」と呼んでいます。
 火山灰は呼吸器の障害や交通障害、農作物の被害、水質の汚濁などを引き起こし、ライフラインや社会生活に影響を与える場合があります。


 噴石の落下速度は速いため、小さな噴石でも死傷する可能性があります。


 大きな噴石は避難までの猶予がほとんどなく生命の危険性が高いため、防災対策上重要度の高い火山現象です。火口の近くでは、人よりも大きな噴石が飛んでくることもあります。



意外と身近に!? 火山地形について知ろう!

 火山活動がつくり出した地形を「火山地形」と呼びます。火山体そのものが溶岩や火山灰などによって形づくられた火山地形ですが、ほかに有名なものとして「カルデラ」が挙げられます。これは、大規模な噴火によって大量のマグマが地下から噴出し、山体が陥没するなどしてできた大きな窪地を指します。日本国内では阿蘇カルデラ(熊本県)や、日本一大きな屈斜路カルデラ(北海道)などがよく知られています。


 山形県と宮城県にまたがる蔵王の御釜や、群馬県と長野県にまたがる草津白根山の湯釜など、火口に湖水をたたえた「火口湖」も火山地形です。さらに、溶岩が流れてできた「溶岩台地」や、鹿児島県のシラス台地のように、火砕流が堆積してできた「火砕流台地」などもあります。現在火山活動は見られなくても、このような火山地形から、過去に噴火があったことを知ることができます。


【ワンポイント】活火山とは?

 現在日本では、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」「活火山」と呼び、111の火山が選定されています。これは世界の活火山の1割近くになります。「概ね過去1万年以内」というのは、最後の氷期が終わってから現在までの、地質学的に「完新世(かんしんせい)」と区分される時代を指しており、過去に噴火があったかどうかは地形や地質の情報から判断します。一方で、それ以前に活動していた火山も数百あり、例えば山形県の月山などは数十万年前まで火山活動が続いていたと考えられますが、活火山の条件には当てはまりません。
 活火山の定義や数は、最新の火山学の知見なども踏まえて見直され、現在に至っています。


 かつては、現在活動中のものだけを「活火山」として、文献による噴火の記録がないものを「死火山」、記録はあるが明らかな活動が現在ないものを「休火山」と分類していた時期もありました。しかし火山の寿命は長く、歴史時代の噴火活動の有無だけで分類することには意味がないことから、現在では活火山だけが定義された分類になっており、「休火山」や「死火山」といった名前は使われていません。

みなさんの住んでいる地域の近くには活火山がありますか?
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活火山には大迫力の火山地形など、魅力がたくさんあります!
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本ページは今後も内容を随時更新していきます。
4.2 火山の分布 (海嶺、沈み込み帯や火山フロント、ホットスポット) ← Coming Soon
4.3 火山噴火のメカニズム (噴火の仕組み、マグマの粘り気と噴火様式)