天気図の有効な活用について

 気象庁の作成する天気図には実況天気図と予想天気図があります。気象庁ホームページには日本周辺域とアジア太平洋域について、それぞれカラー版と白黒の実況天気図と予想天気図を掲載しています。その他高層天気図、数値予報天気図も掲載しています。用途に応じて使い分けることで、天気図を有効に活用することができます。

実況天気図と予想天気図

 実況天気図は最新のものから過去3日分掲載しており、これまで、低気圧や前線などの気圧配置がどう変わってきたかを表示できます。一方、予想天気図は、今後、気圧配置がどう変わっていくかの予想を表示しています。
 気象情報や天気概況には低気圧や前線などの気圧配置に関する概要が書かれております。この概要について実況天気図や予想天気図により確認いただくことで、悪天をもたらす低気圧や前線の進路や推移が詳しく把握でき、気象情報などをより深く正確に理解できるようになります。気象情報の理解の助けとして天気図を有効に活用してください。

日本周辺域・アジア太平洋域の天気図

 日本周辺域の天気図は、日本周辺における低気圧や前線などが大きく表示され、文字も日本語表記となっていますので、国内での気象現象やその予想を理解する助けとなり、野外活動や防災対策、理科(気象)の学習などに適しています。
 一方、アジア太平洋域の天気図は、日本周辺より広い範囲で低気圧や前線などが表示されますので、船舶や航空機などの安全な運航計画などへの活用に適しています。

カラー・白黒の天気図

 カラーの天気図は文字や記号を種別に着色しているため、色により文字や記号を識別することができます。このため、スマートフォンのような画面の小さい携帯端末などでの利用に適しています。また、教室や会議などでスクリーンや大型ディスプレイへの表示にも適しています。
 一方、白黒の天気図は、FAXでの送信やメモを記入するなどの用途に適しています。

高層天気図

 高層天気図には、上空の風や気温の実況値、等高度線などが描かれています。地上の天気には上空の気象状況が大きく影響しますので、例えば、低気圧が発達し悪天をもたらしているような場合に、上空の気圧の谷や気温の状態を把握することにより、気象状況への理解をより深めることができます。
 また、登山など高所での活動や航空機の運航においては、その高度における高層天気図で気温や風の状況を把握することにより、行動計画や運航計画に活用することが可能です。

数値予報天気図

 数値予報天気図には、コンピュータが予想した地上から上空までの大気の状態が描かれていますので、今後の低気圧や高気圧の動きや発達、降水の範囲や量、上空の風の流れや気温の変化などの見通しを得ることができます。
 これらの図によって、大気の立体構造とその時間的な推移を理解することで、気象庁が発表する様々な予報や防災情報への理解を深めることに役立ちます。

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