最新の技術を活用して過去約75年間の世界の気象・気候を解析・再現しました
報道発表日
令和5年5月24日
概要
気象庁は、スーパーコンピュータを用いた最新の数値予報技術を活用し、過去約75年間の均質かつ高品質な気温、風等のデータを解析・再現しました。
今後、本データを活用し、異常気象の詳細な分析等を通して予報の高度化に役立てます。
本文
1.気象・気候の詳細な解析・再現
気象庁では、スーパーコンピュータを用いた最新の数値予報技術を活用し、過去数十年にわたり蓄積した観測データを解析することで、過去の気象状況を空間的に再現する長期再解析(気象庁第3次長期再解析:JRA-3Q)を実施しました。
JRA-3Qでは、これまで実施してきた気象庁55年長期再解析(JRA-55)から大幅に性能を向上させ、対象期間を10年以上遡っています。これにより、過去約75年間の気温、風等の状況を均質かつ高品質な条件で把握できます。
2. 長期再解析データを活用し、異常気象分析等を通して予報を高度化
気象庁はこの長期再解析データを用いて、猛暑、大雨等の異常気象の分析や、過去の気候変動の状況の分析を、従来よりも詳細に実施することで、気象・気候の予報の高度化に活用していきます。
例えば、対象期間の延長によって1947年9月のカスリーン台風等の災害事例の分析が可能になるほか、性能向上によって平成30年7月豪雨の再現性が向上します。
また、長期再解析データの活用により、令和5年5月30日から、気象庁HPに掲載している半旬・旬・月・3か月平均の天気図について、対象期間を従来に比べ10年以上遡った1947年9月以降に拡大するとともに、内容を高精度化します。これにより、高品質な過去の気温、風等の状況を、簡便に確認いただけます。
3. 様々な分野での活用のため、長期再解析データを広く提供
JRA-3Qデータは気候変動の影響評価や再生可能エネルギー立地条件調査等の気候変動対策の分野をはじめ、様々な分野での活用が期待されることから、令和5年3月から民間気象業務支援センターを通して社会に広く提供しています。
JRA-3Qのより詳細な情報については以下のページをご覧ください。
https://jra.kishou.go.jp/JRA-3Q/index_ja.html
月平均天気図等については以下のページをご覧ください。
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/diag/latest/index.html
図表等を含めた資料全文につきましては、下記の「資料全文」をご参照下さい。
問合せ先
JRA-3Qを利用した気候情報に関すること
大気海洋部 気候情報課 根本 電話03-6758-3900(内線4550)
JRA-3Qに関すること
情報基盤部 数値予報課 佐藤 電話03-6758-3900(内線3354)