年末年始の日本海側を中心とした大雪について

報道発表日

令和4年1月21日

概要

令和3年12月下旬から令和4年1月上旬にかけて、日本海側を中心に大雪となり、滋賀県彦根で48時間降雪量が過去最高の78cmとなるなど、特に近畿日本海側で記録的な大雪となりました。 この要因として、高緯度帯の偏西風が強く蛇行して日本付近にまで南下し、寒気が流れこみやすくなったことが考えられます。 日本付近への偏西風の南下には、西シベリア上空のブロッキング高気圧が影響しているとみられます。

本文

天候の状況
令和3年12月下旬以降、冬型の気圧配置が強まって大陸から日本付近へ寒気が流入しやすい状態が続いたため、北日本から西日本の日本海側を中心にしばしば大雪となり、5地点で48時間降雪量が過去最高を更新しました。特に、近畿日本海側での12月の降雪量は平年比504%と、12月としては2005年(平年比640%)に次ぐ第2位の多雪となりました。また、期間中の平均気温は全国的に平年よりも低くなりました。

大雪と低温の要因
この大雪と低温の要因として、高緯度帯の偏西風(寒帯前線ジェット気流)が極東域で著しく南に蛇行し、日本付近に寒気が流れ込みやすかったことが考えられます。寒帯前線ジェット気流の蛇行とともに、北極上空に存在していた極渦(上空の寒冷な低気圧性渦)が分裂して日本のすぐ北にまで寒冷渦が南下し、日本付近への寒気流入を促しました。特に、12月26日頃のアジア大陸から西日本付近への寒気流入は12月としては強いものでした。
寒帯前線ジェット気流の日本付近への南下には、西シベリア上空にブロッキング高気圧が形成されたことやヨーロッパ方面からのジェット気流の蛇行の強化が影響しているとみられます。また、亜熱帯ジェット気流が日本の西でやや北に、日本付近から東海上にかけて南に蛇行したことで、日本付近への寒気の南下が促された可能性があります。この蛇行には、インド洋で積雲対流活動が不活発であったことに加え、ラニーニャ現象の発生に伴って、フィリピンとその周辺で積雲対流活動が活発であったことが影響した可能性が考えられます。

大雪と低温をもたらした大気の流れの特徴の図
大雪と低温をもたらした大気の流れの特徴

本資料の作成にあたり、異常気象分析検討会委員の協力をいただきました。
詳細は下記の「資料全文」をご参照ください。

問合せ先

(観測データの特徴について)
大気海洋部 観測整備計画課 村井
電話:03-6758-3900(内線4268)

(大気の流れの特徴について)
大気海洋部 気候情報課 竹川、後藤
電話:03-6758-3900(内線4547、4548)

資料全文

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