令和元年12月以降の高温と少雪の状況について(速報)

報道発表日

令和2年1月24日

概要

令和元年12月以降、東・西日本を中心に気温がかなり高く、日本海側では降雪量が記録的に少なくなっています。今後も2月にかけて、北日本から西日本の気温は高く、日本海側の降雪量は少ない見込みです。
この状況をもたらしている要因として、日本付近における偏西風(亜熱帯ジェット気流)の北への蛇行や正の北極振動*などにより、本州付近への寒気の南下が弱く、冬型の気圧配置が続かなかったことが考えられます。

*「正の北極振動」とは、北極域の海面気圧が平年より低く、中緯度域の海面気圧が平年よりも高くなる現象です。

本文

天候の状況

令和元年12月以降、東・西日本を中心に気温が平年と比べてかなり高くなっています。また、東・西日本日本海側を中心に多くの観測所で降雪量平年比が20%以下(11月1日~1月23日の累積降雪量)となるなど、日本海側では降雪量が記録的に少なくなっています。

今後の見通し

1月23日発表の1か月予報によると、今後も2月にかけて本州付近への寒気の南下は弱く、北日本から西日本の気温は平年より高く、日本海側の降雪量は平年より少ない見込みです。引き続き、最新の気象情報に留意してください。

高温と少雪をもたらした要因

令和元年12月以降の高温と少雪は、本州付近への寒気の南下が弱く、冬型の気圧配置が続かなかったためです。このような状況が続いた要因として、以下のことが考えられます。
  • 日本付近で偏西風が北に蛇行しました。この偏西風(亜熱帯ジェット気流)の蛇行には、熱帯付近の積雲対流活動がインド洋西部付近で平年よりも活発、インドネシア付近では不活発となったことが影響したと考えられます。この積雲対流活動には、インド洋において西部を中心に海面水温が平年より高いことが影響したと考えられます。
  • 1月からは、正の北極振動が明瞭となり、寒気は北極域から中緯度域に南下しにくくなりました。また、バイカル湖の北から沿海州付近で寒帯前線ジェット気流が明瞭となり、東シベリア付近の寒気が弱くなりました。

累積降雪量平年比(%)(2019年11月1日~2020年1月23日)

図1 累積降雪量平年比(%)(2019年11月1日~2020年1月23日)

平年値は1981~2010年の30年平均値。各地点の色はカラーバーを参照。ただし、薄青色は降雪量を観測しているが平年比を求めていない地点。

2019年12月以降の平均的な大気の流れに関する模式図

図2 2019年12月以降の平均的な大気の流れに関する模式図


今回の要因の分析にあたり、異常気象分析検討会委員の協力を頂きました。なお、これらの要因の詳細について、本年3月に予定している異常気象分析検討会にて分析する予定です。異常気象分析検討会の日程は、決まり次第お知らせいたします。

問い合わせ先

地球環境・海洋部 気候情報課 新保、竹川
電話 03-3212-8341(内線3158、3154) FAX 03-3211-8406

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