令和元年台風第19号とそれに伴う大雨などの特徴・要因について(速報)
報道発表日
令和元年10月24日
概要
令和元年台風第19号により、東日本から東北地方を中心に広い範囲で観測史上1位の記録を更新する大雨となり、特に10月12日の日降水量は記録的に大きなものでした。
この大雨の要因は、大型の台風が接近したことにより多量の水蒸気が長時間流れ込んだこと、局地的な前線の強化や地形の効果により発達した雨雲が維持されたこと、台風中心付近の雨雲が通過したことの3点であることが速報的な解析によりわかりました。
本文
令和元年台風第19号は、南鳥島の南海上で発生後まもなく急速に発達して猛烈な台風となり、その後、大きく勢力を弱めることなく、上陸直前まで非常に強い勢力を維持しました。また、強い勢力で静岡県に上陸した後、関東甲信地方と東北地方を通過しました。
これに伴い、東日本と東北地方を中心に広い地域で記録的な大雨となり、1都12県で大雨特別警報の発表に至りました。多くの地点で12時間降水量等の観測史上1位の記録を更新し、10月12日に北日本と東日本のアメダス地点(1982年以降で比較可能な613地点)で観測された日降水量の総和は観測史上1位となりました。また、大潮の時期であったこと等から太平洋側では顕著な高潮となり、観測史上1位の潮位の記録を更新した地点があった他、記録的な暴風や高波も観測されました。
今般、この台風の影響による広い範囲の記録的な大雨の気象要因について、速報的に解析した結果、主な要因は次の3点であることがわかりました。
①大型で非常に強い勢力をもった台風の接近による多量の水蒸気の流れ込み
②局地的な前線の強化及び地形の効果などによる持続的な上昇流の形成
③台風中心付近の雨雲の通過
これら解析の詳細は資料全文をご覧ください。
本報告は速報的なものであり、引き続き詳細な解析を実施します。
なお、今回の報告は気象庁本庁、気象研究所及び気象大学校が共同で作成しました。
問合せ先
予報部予報課 黒良 / アジア太平洋気象防災センター 及川
電話03-3212-8341(内線3127 / 2238) FAX03-3211-8303
観測部計画課情報管理室 村井 (大雨・暴風の観測資料に関すること)
電話03-3212-8341(内線4154) FAX03-3217-3615
地球環境・海洋部海洋気象課海洋気象情報室 金子 (高波・高潮に関すること)
電話03-3212-8341(内線5154) FAX03-3211-3047
資料全文
関連資料
大雨の要因について詳細な解析を進め、その結果を掲載しました(令和元年12月23日掲載)。