津波警報の技術的改善について
~沖合の津波観測から精度良く津波を予測する手法を活用します~

報道発表日

平成31年3月26日

概要

 気象庁は、本日より、沖合の津波観測データを用いて沿岸の津波の高さを精度良く予測し、津波警報を更新する新たな手法を活用しています。

本文

 気象庁は、津波からの迅速な避難を呼びかけるため、地震発生後3分程度で地震観測と津波予報データベースに基づいて津波警報や津波注意報(津波警報等)を発表します。その後、実際の津波の様子を把握するために、沖合※1や沿岸の津波を監視して、必要に応じて津波警報等を更新しています。

 これまでは、沖合の観測点で津波が観測されると、沖合と沿岸での津波の高さの関係についての経験則(別紙)を用いて沿岸の津波の高さを予測し、警報等を更新することとしていました。しかし、この手法で更新できるのはその沖合観測点直近の津波予報区のみであり、また、津波は沖合から沿岸へ直進すると仮定していることから、実際の津波が海底地形の影響などにより沿岸へ直進しない場合等には予測精度が低下することがありました。

 このため、気象庁では、複数の沖合観測点で観測される津波波形データを用いて、より精度良く津波の高さを予測する手法(tFISH※2)を新たに開発し、本日より、津波警報等の更新に活用しています。tFISHは、沖合津波観測網により観測される津波波形データから波源を推定し、その波源から遠方まで津波が伝わる過程を、沿岸への津波の到達前に、コンピュータシミュレーション(数値計算)によって把握し、沿岸の津波の高さを予測するものです(別紙)。

 気象庁は、今後も、津波警報の技術的改善に努めてまいります。

 ※1 GPS波浪計(国土交通省港湾局が運用管理)やS-net、DONET(防災科学技術研究所が運用管理)等の沖合津波計。
 ※2 tFISH:tsunami Forecasting based on Inversion for initial sea-Surface Heightの略。気象研究所が開発。

問合せ先

地震火山部 地震津波監視課 西前・対馬
電話 03-3212-8341(内線4606・4839) FAX 03-3215-2963

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