2016年(平成28年)の日本の天候(速報)
本資料は、全国154地点の気象台などにおける12月20日までの観測データをもとに、速報としてまとめたものです。12月31日までの観測データによる資料は平成29年1月4日に発表します。
報道発表日
平成28年12月21日
概要
2016年(平成28年)の天候の特徴は以下のとおりです。
- 高温が持続し、年平均気温は東日本以西でかなり高く、北日本で高い
北日本の秋を除き、全国的に高温傾向が続き、年平均気温は、東・西日本、沖縄・奄美でかなり高く、北日本でも高かった。特に東日本では、平年差+1.0℃と1946年の統計開始以降で2004年と並び、最も高かった。年降水量は、西日本、沖縄・奄美でかなり多く、北日本でも多かった。年間日照時間は北日本と東日本日本海側で多く、西日本日本海側で少なかった。 - 8月に北日本に4個の台風が上陸
北日本では、8月に台風第7号、第11号、第9号、第10号が相次いで上陸し、大雨や暴風となった。特に北海道と岩手県では記録的な大雨となり、河川の氾濫、浸水害、土砂災害などが発生した。 - 秋に西日本で顕著な多雨寡照
秋は、低気圧や前線、台風の影響を受けやすく、西日本中心に全国的に日照時間が少なかった。西日本では、降水量もかなり多かった。
本文
1 概況
2016年は、北日本の秋を除き全国的に高温傾向が続いた。冬や秋は、西日本以西を中心に低気圧や前線の影響を受けやすく、8月は北日本に台風が相次いで上陸するなど、降水量が多くなる時期があった。また、秋は西日本で記録的な寡照となった。
冬は、後半に寒気の影響を受けた時期もあったが、冬型の気圧配置は長続きしなかったため、全国的に気温が高く暖冬となった。特に、東・西日本の冬の平均気温はかなり高かった。低気圧や前線の影響で、全国的に降水量が多かった。特に沖縄・奄美では、冬の降水量が平年比188%となり、1947年の統計開始以来の最も多かった。日本海側の冬の降雪量は、冬型の気圧配置が長続きしなかったため、ほぼ全国的に少なかったが、1月下旬の強い寒気の影響で、九州北部地方ではかなり多くなった。
春は、日本の南と日本の東で高気圧が強く、南から暖かい空気が流れ込んだため、春の平均気温は全国的にかなり高かった。春の降水量は、4月に低気圧や前線の影響を受けやすかった西日本太平洋側と沖縄・奄美では多くなった。一方、3月と5月に移動性高気圧に覆われて晴れる日が多かった北日本太平洋側では少なく、東日本日本海側ではかなり少なかった。また、春の日照時間は、東日本日本海側ではかなり多く、北・西日本で多かった。
夏は、日本付近は暖かい空気に覆われやすく、全国的に夏の平均気温は高かった。特に、沖縄・奄美では、日照時間が多く強い日射を受けて、夏の平均気温は平年差+1.1℃と1946年の統計開始以降、最も高かった。北日本では、6月は低気圧の影響を受けやすく、8月は台風が相次いで接近・上陸したことや前線や湿った気流の影響で、降水量がかなり多かった。特に、北日本太平洋側では、夏の降水量は平年比163%となり、1946年の統計開始以降最も多かった。台風は、第7号、第11号、第9号が相次いで北海道に上陸し、第10号が岩手県に上陸した。台風の影響で、東日本から北日本を中心に、大雨や暴風となり、特に北海道と岩手県では記録的な大雨となり、河川の氾濫、浸水害、土砂災害などが発生した。夏をとおして、平均的には日本付近は高気圧に覆われやすかったため、夏の日照時間は、ほぼ全国的に多かった。
秋は、西日本と沖縄・奄美では寒気の影響が弱く、南から暖かい空気が流れ込んだため、秋の平均気温はかなり高く、沖縄・奄美で平年差+1.3℃、西日本で+1.2℃となり、統計を開始した1946年以降で最も高い記録となった。西日本では、低気圧と台風や前線の影響で、秋の降水量はかなり多く、特に、西日本日本海側で平年比173%となり、1946年の統計開始年以降で最も多かった。全国的に低気圧や前線などの影響で、秋の日照時間が少なく、特に、西日本日本海側で平年比74%、西日本太平洋側で平年比82%となり、いずれも1946年の統計開始以降で最も少なかった。北日本では9月は高温となったが、10月からは断続的に大陸からの強い寒気が流れ込んだため、秋の平均気温は2002年以来14年ぶりに低温となった。
2 気温、降水量、日照時間等の気候統計値
(1)平均気温
年平均気温は、東・西日本と沖縄・奄美ではかなり高かった。年平均気温の平年差は、名古屋(愛知県)、大分(大分県)など12地点で最高値を上回っており、千葉(千葉県)、京都(京都府)など25地点で最高値と同じ値となっている。北日本で高かった。
(2)降水量
年降水量は、西日本、沖縄・奄美でかなり多く、北日本で多かった。東日本は平年並だった。
(3)日照時間
年間日照時間は、北日本と東日本日本海側で多かった。一方、西日本日本海側では少なかった。東・西日本太平洋側と沖縄・奄美は平年並だった。
問い合わせ先
(観測値や記録について)
気象庁観測部計画課情報管理室
電話 03-3212-8341(内線)4154
(天候の解説について)
気象庁地球環境・海洋部気候情報課
電話 03-3212-8341(内線)3154
資料全文
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毎月はじめに報道発表資料として公表されている「月の天候」や「季節の天候」を元に、最新のデータを追加した上で、そのような状況をもたらした大気の流れの特徴との関連を加えてまとめたもので、毎月14日頃に更新されます。
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