10月の天候
報道発表日
平成28年11月1日
概要
2016年(平成28年)10月の天候の特徴は以下のとおりです。
- 東・西日本、沖縄・奄美では気温がかなり高かった
日本の南海上で太平洋高気圧の勢力が強く、暖かい空気が流れ込みやすかったため、東・西日本、沖縄・奄美では気温がかなり高かった。特に西日本、沖縄・奄美では、月平均気温がそれぞれ平年差+2.0℃、+2.1℃となり、1946年の統計開始以来最も高かった。 - 北日本では下旬に記録的な低温
北日本では、上旬は気温が高かったが、下旬は強い寒気が流れ込んだためかなり低くなり、気温の変動が大きかった。特に30日から31日にかけて強い寒気が流れ込んだため、北海道を中心に44地点で日最低気温が統計開始以来10月として最も低くなった(タイ記録5地点を含む)。 - 西日本では月間日照時間がかなり少なかった
湿った空気が流れ込みやすかったため、西日本では曇りや雨の日が多く、月間日照時間がかなり少なかった。特に西日本日本海側では、月間日照時間が平年比66%となり、1946年の統計開始以来最も少なかった。
本文
1 概況
全国的に天気は数日の周期で変化した。日本の南海上で太平洋高気圧の勢力が強く、湿った空気が流れ込みやすかったため、西日本中心に曇りや雨の日が多くなった。特に西日本日本海側では、月間日照時間が平年比66%となり、1946年の統計開始以来最も少なかった。3日は台風第18号が猛烈な勢力で沖縄地方に接近し、5日にかけて対馬海峡付近へ進んだため、沖縄・奄美では暴風雨となり、西日本から沖縄・奄美では大雨となった所があった。一方、東日本では低気圧や前線の影響が弱く、まとまった雨となることが少なかった。北日本では、期間をとおして断続的に強い寒気が流れ込み、特に下旬中心に冬型の気圧配置が強まったため、日本海側では曇りや雨または雪の日が多く、太平洋側では晴れた日が多くなった。北海道地方では7日に平地でも平年より早い初雪を観測した所があり、下旬は各地で雪となった。
気温は、暖かい空気が流れ込みやすかったため、東・西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。特に西日本、沖縄・奄美では、月平均気温がそれぞれ平年差+2.0℃、+2.1℃となり、1946年の統計開始以来最も高かった。北日本では、上旬は高かったが、下旬は強い寒気が流れ込んだためかなり低くなり、気温の変動が大きかった。特に30日から31日にかけて強い寒気が流れこみ、北海道を中心に気温を観測しているアメダス334地点中44地点で日最低気温が統計開始以来10月として最も低くなった(タイ記録5地点を含む)。
2 気温、降水量、日照時間等の気候統計値
(1)平均気温
東・西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。福岡(福岡県)、那覇(沖縄県)など40地点では月平均気温の高い方から1位の値を更新し、厳原(長崎県)で1位タイの値を記録した。一方、北日本では低かった。
(2)降水量
西日本日本海側ではかなり多く、西日本太平洋側、沖縄・奄美で多かった。牛深(熊本県)では月降水量の多い方から1位の値を更新した。北日本太平洋側、東日本で少なかった。北日本日本海側では平年並だった。
(3)日照時間
北日本太平洋側でかなり多く、沖縄・奄美で多かった。広尾(北海道)では月間日照時間の多い方から1位の値を更新した。一方、北日本日本海側、西日本でかなり少なく、東日本太平洋側で少なかった。山口(山口県)、佐世保(長崎県)など12地点で月間日照時間の少ない方から1位の値を更新した。東日本日本海側で平年並だった。
問い合わせ先
(観測値や記録について)
気象庁観測部計画課情報管理室
電話 03-3212-8341(内線)4154
(天候の解説について)
気象庁地球環境・海洋部気候情報課
電話 03-3212-8341(内線)3154
資料全文
関連資料
- 日本の天候
毎月はじめに報道発表資料として公表されている「月の天候」や「季節の天候」を元に、最新のデータを追加した上で、そのような状況をもたらした大気の流れの特徴との関連を加えてまとめたもので、毎月14日頃に更新されます。
- 過去の報道発表資料
毎月はじめに報道発表資料として公表した資料です。最新および詳細な状況については、上記の「日本の天候」を参照してください。