緊急地震速報(予報)の誤情報の発表への対処策について
報道発表日
平成28年8月26日
本文
8月1日に発生した緊急地震速報(予報)の誤情報の発表への対処策について、今般、以下の措置をとることと致しましたのでお知らせします。
1.誤情報の発表及び原因の概要について
○ 8月1日に実際には地震が発生していないにもかかわらず、1つの観測点(千葉県富津観測点)で大きな信号を観測したため、広域に震度7を予測する等、緊急地震速報(予報)※の誤情報を発表しました。
○ 原因については、観測点の電源部故障により、地震計の出力データに急激な変化が生じたことだと判明しています。
※「緊急地震速報(予報)」とは、最大震度3以上又はマグニチュード3.5以上等と予想されたときに発表。一点のみの観測成果であっても発表し、工場の迅速な機器制御などに活用されています。
2.対処策について
(1)技術的対処
○ 地震計の出力データに急激な変化が生じたことに対して、緊急地震速報を発表するシステムにおいて以下の対策を導入します(年内目途にプログラム改修)。
・地震学的にありえない大きさの振幅値を除外する
・地震学的に考えられるマグニチュードの上限値を設け、過大な震度予測をしない
○ なお、既に活用を停止している今回の観測点と同様の電源部を有する防災科学技術研究所が整備した観測点(15か所)については、上記対策の完了まで引き続き停止します。
(2)事業者への周知徹底
○ 緊急地震速報(予報)を提供する予報許可事業者等(配信事業者を含む)に対して、利用ガイドラインにおける当該「予報」の留意事項※の周知徹底を重ねて行います。
※この利用ガイドラインでは、1点のみの観測成果を用いる「予報」は落雷等による誤情報の発表の可能性を完全には除去できないことから、一般向けにはその後提供される複数観測点のデータに基づく「予報」を利用するよう推奨しています。一方、迅速性を優先する分野においては、上記リスクを承知の上であれば、1点のみの観測成果を用いる「予報」を機器制御等に使う選択もあります。これらは、この「予報」を利用する際の重要な留意事項となっています。
問い合わせ先
気象庁地震火山部 管理課地震津波防災対策室 03-3212-8341(内線 4661)
地震津波監視課 03-3212-8341(内線 4559)