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平成28年(2016年)8月の顕著な天候と海面水温について

報道発表日

平成28年8月24日

本文

・北日本太平洋側では前線や台風の影響で記録的な多雨となっており、根室や網走ではすでにこれまでの8月の降水量の1位の記録を上回っています。

・西日本では高気圧に覆われやすく、8月の気温としては2010年に次ぐ高い値で経過しており、西日本周辺海域では記録的に高い海面水温となっています。

1.北日本太平洋側の多雨
 北日本では、8月上旬後半以降、前線や台風の影響を繰り返し受けたことにより、太平洋側を中心に記録的な多雨となっています。北日本で繰り返し台風の影響を受けた要因として、

 ・日本の南東海上で、活発な対流活動や上空の低気圧性の渦の影響で熱帯低気圧が発生しやすい状況となったこと
 ・太平洋高気圧が平年より北東に偏って位置していることに関連して、台風が日本の東海上を北上したこと

 が考えられます。今後一週間、北日本では、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、26日は前線の影響で大雨となるおそれがあります。

2.西日本の高温と西日本周辺海域の高い海面水温
 西日本の8月は、平年より気温が高く、降水量が少ない状態で経過しています。東シナ海北部、日本海南部の8月中旬の旬平均海面水温は、1982年以降で最高となりました。これらの要因として、中国東部から西日本では下降気流が強く高気圧に覆われやすかったことが影響したとみられます。下降気流が強かったことの背景としては、

 ・フィリピン付近で対流活動が活発だったこと
 ・中国北部付近で偏西風が北に蛇行したこと

が考えられます。今後一週間、西日本では、気圧の谷や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多くなるでしょう。
 東シナ海北部、日本海南部の海面水温は、9月中旬まで、平年より高いか、かなり高い状態が続くことが見込まれますが、台風第10号の影響を受ける海域では、海面水温が大きく低下すると考えられます。

2016年8月の西日本の高温、西日本周辺海域の高い海面水温、及び北日本太平洋側の多雨の要因に関連する大気の流れの模式図

 気象庁では、今後も日本や世界の社会経済に大きな影響を与える異常気象について、その発生状況や要因分析に関する情報を提供してまいります。

詳細は下記の「資料全文」をご参照ください。

問い合わせ先

(大気の状況について)
 気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 異常気象情報センター
 03-3212-8341(内線3158)

(海面水温の状況について)
 気象庁 地球環境・海洋部 海洋気象情報室
 03-3212-8341(内線5166)

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