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平成27年(2015年)8月中旬以降の不順な天候

報道発表日

平成27年9月18日

概要

本文

1.天候の状況
 2015年8月中旬から9月上旬頃にかけては、西日本から東北の広い範囲で曇りや雨の日が多くなりました。
 8月11日から9月11日までの32日間の降水量は、東日本と西日本の太平洋側で平年の同期間の降水量の2倍を超えたほか、日本海側でも多くなりました。期間を通じて前線や低気圧の影響を受けやすかったことに加えて、8月下旬には台風第15号が九州に、9月上旬頃には台風第18号が本州に上陸したことで、長期間にわたって雨の降りやすい状態が続きました。台風第18号の上陸、通過に伴って、湿った空気が流れ込んだ関東や東北では、記録的な大雨になった地域がありました。
 また、同じ期間の日照時間は、東日本日本海側で平年の51%、東日本太平洋側で59%となるなど、全国的に少なくなりました。

2.不順な天候をもたらした大気の流れの特徴
 8月中旬から9月上旬頃にかけての期間を通して、アジアモンスーン域の広い範囲で積雲対流活動が不活発だったことと関連して、ユーラシア大陸から日本付近にかけて、上空の偏西風(亜熱帯ジェット気流)が平年の位置よりも南に偏って流れました。この期間、北大西洋付近に見られた偏西風の蛇行の影響がユーラシア大陸を経て日本付近に伝播し、日本の西では偏西風が南に蛇行して気圧の谷となりました。また、フィリピン周辺で対流活動が不活発だったことに対応して、太平洋高気圧の本州付近への張り出しが平年より弱い状態が続きました。これらの大気の流れの特徴に伴って、本州付近に前線が停滞して低気圧がたびたび発生し、西日本や東日本では曇りや雨の日が多くなりました。
 また、8月下旬は、台風第15号が先島諸島付近を通過した後、九州に上陸し、沖縄・奄美地方から東日本にかけての広い範囲で大雨になりました。北日本から東日本では、オホーツク海高気圧からの冷涼な北東風の影響で低温、寡照となりました。
 さらに、9月上旬後半頃は、日本付近で偏西風の蛇行が大きく、西日本で気圧の谷が深まった一方、日本の東海上で気圧の尾根となった結果、本州付近の上空で南寄りの風が卓越し、気圧の谷や尾根の西から東への動きが遅い状態となっていました。このため、台風第18号は本州の南海上から日本海にかけて北上し、日本海で温帯低気圧に変わった後は動きが遅くなったとみられます。日本の東海上を台風第17号が通過した影響も加わって、関東から東北では湿った空気が長時間にわたって流れ込んだため、記録的な大雨になった地域がありました。
 アジアモンスーン域の広い範囲で積雲対流活動が不活発だった要因としては、2014年夏から続いているエルニーニョ現象が影響していたと考えられます。
2015年8月中旬から9月上旬頃の大気の流れの特徴

3.今後の見通し
 9月17日発表の1か月予報によると、今後2週間程度(おおむね9月19日から10月2日の期間)は、全国的に天気は数日の周期で変わりますが、北日本と東日本太平洋側では前線や低気圧、湿った気流の影響を受けやすく、平年に比べ曇りや雨の日が多い見込みです。また、沖縄・奄美では2週目(おおむね9月26日から10月2日の期間)を中心に、湿った気流の影響を受けやすく、平年に比べ晴れの日が少ない見込みです。

気象庁ホームページ「季節予報」で、最新の1か月予報をご覧いただけます。
気象庁ホームページ「エルニーニョ/ラニーニャ現象」でエルニーニョ現象に関する最新の情報をご覧いただけます。

問い合わせ先

気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課
03-3212-8341(内線3158、3154)

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