今年の南極オゾンホール ―依然として規模の大きい状態が継続―
報道発表日
平成26年11月11日
概要
今年の南極上空のオゾンホールは、10月1日に今年最大面積である南極大陸の約1.7倍まで拡大しました。 これは最近10年間の平均と同程度の規模であり、依然として規模の大きい状態が継続しています。
本文
気象庁が米国航空宇宙局(NASA)の衛星観測データを基に解析した結果、南極上空のオゾンホール※は、
例年と同様に8月に現れたのち、9月上旬から中旬にかけて拡大しました。その後、南極上空の気象状況の影響で一旦縮小しましたが、
再び拡大し、10月1日に今年の最大面積である2,340万km2(南極大陸の約1.7倍)まで広がりました。
この値は、昨年と同じく、最近10年間の平均と同程度であり、オゾンホールは依然として規模の大きい状態が継続しています。
これは、南極上空のオゾン層破壊物質の濃度は緩やかに減少しているものの、依然として高い状態にあるためです。
オゾン層破壊物質の減少がこのまま続けば、南極のオゾンホールは徐々に縮小してゆくとみられますが、オゾンホールの形成・発達は
下部成層圏(南極上空約20km)の気温にも大きく依存するため、気象条件の変動により、年によっては今年より規模の大きいオゾンホールが
発生することも考えられます。
なお、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)が取りまとめた「オゾン層破壊の科学アセスメント(政策決定者向け要約):2014」によると、
オゾンホールは今後も発生し、南極上空のオゾン層が1980年以前の水準に戻るのは今世紀半ば以降になると予測されています。
※南極上空のオゾンホールは、人為起源物質によるオゾン破壊が最も顕著に現れている現象であり、世界的なオゾン層破壊の指標となっています。
気象庁はオゾン層保護法に基づき、オゾン層の状況を監視しています。
図表を含めた全文については、下記の「資料全文」をご参照ください。
問い合わせ先
気象庁 地球環境・海洋部 環境気象管理官付 オゾン層情報センター
電話03-3212-8341(内線)4212