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2013年5月~6月上旬のヨーロッパの大雨について

報道発表日

平成25年6月14日

概要

ヨーロッパでは、5月以降、広範囲に雨が降りやすい状況となり、各地で大雨となりました。

本文

天候の経過と被害状況
 5月の月降水量はヨーロッパ東部~西部で異常多雨となり、ドイツでは1881年以降で2位の降水量となった(ドイツ気象局)。旬別にみると、5月上旬にフランス東部からハンガリーにかけて平年の2倍以上の大雨となり、中旬以降、雨の領域が広がって、5月下旬には、ドイツやポーランド、バルカン半島などの広範囲で大雨となった。この状況は6月に入っても続き、ドイツ南部・チェコ西部、ポーランド南部などで大雨となった。
 ドイツ中部のエルフルトでは、5月中旬から5月下旬にかけて日降水量40mm以上(5月の月降水量平年値63.8mm)、チェコのプラハでは6月初めに日降水量30mm以上(6月の月降水量平年値67.7mm)の雨が降り、5月1日から6月10日までの積算降水量は、5月と6月の月降水量平年値の合計の2倍以上となった。
 チェコでは、非常事態宣言が出され、2万人以上が避難した(チェコ政府)。また、ドイツでは、マグデブルグ市で2万人以上が避難した(欧州委員会)。チェコ、ドイツ、オーストリアで合わせて18人の死亡が確認された(欧州委員会)。

大気の流れの特徴
 5月以降、ヨーロッパでは低気圧や前線が頻繁に通過したため、中部を中心に大雨となった。これは、上空の偏西風が北大西洋からユーラシア大陸にかけて南北に大きく蛇行した状態が持続しやすかったことに伴って、ヨーロッパは深いトラフ(気圧の谷)となったことが一因とみられる。

今後の見通し
 気象庁の数値予報モデル(1か月予報モデル)の結果によると、ヨーロッパ中部~東部では、今後1週間程度はリッジ(気圧の尾根)が形成される見込みであり、広域で大雨になる可能性は低いとみられる。

なお、気象庁ホームページ「世界の異常気象」において、最近の世界の異常気象や気象災害の状況を週、月、季節別にまとめていますので、あわせてご利用ください。

問い合わせ先

気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課 異常気象情報センター
電話:03-3212-8341 (内線)3157、3158

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