平成24年10月の地震活動及び火山活動について
報道発表日
平成24年11月8日
概要
平成24年10月の地震活動及び火山活動について解説します。
本文
- 地震活動
- 全国の地震活動
10月25日19時32分に宮城県沖でM5.6の地震が発生し、 宮城県石巻市(いしのまきし)で最大震度5弱を観測しました。
10月28日12時04分(日本時間)にカナダ、クイーンシャーロット諸島(ハイダ・グワイ)でMw7.8 (Mwは気象庁CMT解によるモーメントマグニチュード)の地震が発生しました。 この地震により青森県から九州地方の太平洋沿岸の広い範囲で小さな津波を観測しました。
全国で震度3以上を観測した地震の回数は33回、日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は112回でした。
震度3以上を観測するなどの主な地震活動の概況は別紙1のとおりです。また、世界の主な地震は別紙2のとおりです。
- 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震活動
「平成23 年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震は、次第に少なくなってきているものの、 最大震度4を観測した地震が5回、震度1以上を観測した地震が150回発生するなど、 引き続き岩手県沖から茨城県沖の広い範囲で発生しました。 10月25日に宮城県沖でM5.6(最大震度5弱)の余震が発生しました。
国土地理院のGNSS※観測結果では、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」後の余効変動が継続していますが、 その変動速度は小さくなってきています。
(余震の見通しについて)
余震は次第に少なくなってきており、全体的には、M7.0以上の大きな余震が発生する可能性は低くなってきましたが、 今後もまれに大きな余震が発生することがあります。また、これより規模の小さな地震でも、沿岸域や陸域で発生すると、 場合により最大震度5弱以上の揺れとなることがありますので、注意してください。 余震は、広い範囲で発生しているため、同じ規模の余震であっても、発生する場所により各地での震度は異なります。
(防災上の留意事項)
引き続き余震による強い揺れに警戒してください。また、これまでの強い揺れのために地盤がゆるんでいる地域では、 降雨や余震による土砂災害の発生する危険性が高まっていますので、併せて警戒してください。 余震活動地域の外側も含めて、常日頃から地震への備えをお願いします。
また、大きな余震が発生すると津波が発生する可能性があります。海岸で強い揺れを感じた場合、 また、揺れを感じなくても津波警報が発表された場合には、直ちに海岸から離れ高台等の安全な場所に避難してください。
- 全国の地震活動
- 火山活動
霧島山(新燃岳)では、今期間、噴火は発生せず、火山活動に特段の変化は見られませんでした。 新燃岳直下の火山性地震は8月30日に新燃岳南西1㎞付近で一時的に増加した後、 それまでよりわずかに多い状態になっています。 国土地理院によると、新燃岳の北西地下深くのマグマだまりへのマグマの供給に伴う地盤の伸びの傾向は、 2011年12月頃から鈍化し、2012年1月以降ほぼ停滞しています。 以上のように、新燃岳の北西数kmの地下深くのマグマだまりへの深部からのマグマの供給は停止した状態が続いています。 しかし、火口には多量の溶岩が溜まっており、火口直下の火山性地震がわずかながらも続いていることから、 現在でも小規模な噴火が発生する可能性は否定できません。 新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。 火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続しています。
桜島では、爆発的噴火を含む活発な噴火活動が継続しました。昭和火口及び南岳山頂火口から概 ね2km の範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要です。 火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続しています。
三宅島では、やや多量の火山ガスの放出が続いています。火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続しています。
その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。 日本の主な火山活動の概況は別紙3のとおりです。また、世界の主な火山活動は別紙4のとおりです。
※GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称です。
問い合わせ先
地震:地震火山部管理課 電話 03-3212-8341(内線 4581)
火山:地震火山部火山課 電話 03-3212-8341(内線 4530)
資料全文
- 平成24年10月の地震活動及び火山活動について[PDF形式: 131KB]
- 別紙1(日本の主な地震活動)[PDF形式: 383KB]
- 北海道地方の主な地震活動[PDF形式: 245KB]
- 東北地方の主な地震活動[PDF形式: 1,712KB]
- 関東・中部地方の主な地震活動[PDF形式: 1,214KB]
- 近畿・中国・四国地方の主な地震活動[PDF形式: 509KB]
- 九州地方の主な地震活動[PDF形式: 587KB]
- 沖縄地方の主な地震活動[PDF形式: 231KB]
- 東海地震の想定震源域及びその周辺の地震活動[PDF形式: 865KB]
- 別紙1参考(日本の主な地震活動の参考資料)[PDF形式: 348KB]
- 別紙2(世界の主な地震活動)[PDF形式: 869KB]
- 別紙3(日本の主な火山活動)[PDF形式: 261KB]
- 別紙4(世界の主な火山活動)[PDF形式: 258KB]
※ 資料全文の4つ目の資料「東北地方の主な地震活動」の3枚目 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の余震活動」の表の数値を修正しました。(11月8日 19時50分修正実施)
※ 資料全文の4つ目の資料「東北地方の主な地震活動」の7枚目 「10月6日秋田県内陸北部の地震」の左上の図(震央分布図)を修正しました。(11月15日 17時50分修正実施)
※ 資料全文の10番目の資料「別紙1参考」の4枚目 「日本及びその周辺におけるマグニチュード別の月別地震回数」の2012年10月の記事を修正しました。(11月15日 17時50分修正実施)
※ 資料全文の11番目の資料「別紙2」の3枚目 「10月28日 カナダ、クイーンシャーロット諸島(ハイダ・グワイ)の地震」の「(1)概要」の文章を修正しました。(11月15日 17時50分修正実施)
参考資料
- 平成24年10月に震度1以上を観測した地震[PDF形式: 618KB]
- 平成24年11月1日以降に発生した主な地震[PDF形式: 447KB]
- 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」以降の震度1以上を観測した地震回数について[PDF形式: 59KB]
国土地理院のGPSによる地殻変動観測については、 国土地理院ホームページの記者発表資料 を参照ください。